シューベルトの全ピアノ・ソナタを間もなく弾き終える。ただし連弾で。
楽譜は20年以上前に買っていたが、以来数曲しか弾いていなかった。そこで連弾で弾くことにした。
連弾なら簡単。以前多くの独奏曲を連弾で弾いたフォーレなどと同様、シューベルトのピアニズムもピアニスティックと言うより旋律と伴奏が分離した古典的な構築物だから連弾し易い。
シューベルトのピアノ・ソナタはベートーヴェンやモーツァルトに比べると存在感が薄いが、弾いてみて驚いた。
そこには後続する革新的な作曲家たち何人分ものモチーフが既にある。
リヒャルト・シュトラウス:D 575 (H dur) 第1楽章
ショパン:D 575 (H dur) 第2楽章
ブルックナー:D 845 (a moll) 第3楽章、D 960 (B dur) 第1楽章、D 459 (E dur) 終楽章
マーラー:D 784 (a moll)、D 894 (G dur) 終楽章…
また、民謡風の楽想がソナタ形式やロンド形式に則り定石通りに展開する中、突如モーツァルトの天才性かと見紛うようなクライマックスが待ち受ける:D 845 (a moll) 第1楽章。
それは普段平凡な顔をして本音を包み隠している人物が、内に秘めた非凡な創造性を爆発させる瞬間だ。
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