池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

作曲レッスン:助産師のような

2010-08-02 | 作曲レッスン

代官山音楽院で、作曲の生徒一人のレッスンが終了し、面談を行った。
生徒とは言え、自分の親よりは少し若い年代の方。高校生の頃、作曲の才能を音楽の先生に認められながら理系の道へ進まれた。3年前、第一線を退いてから私のレッスンに来られたが、最近手術を受けられ、体力や意欲の減退でレッスンを続けられなくなり、大変残念がっておられた。

作曲を教えるのはアイデアのヒントを授けること。生徒が音を生めるよう手助けする、助産師のような営み。
時にはしゃがみ目線。趣味の方に教えるのは相手は立ち、こちらはしゃがんで相撲を取るようなもの。
精力的にたっぷり書かれ、しっちゃかめっちゃかにこんがらがったものをどう直せば最も効果的、かつ本人の技量や作風に合ったものになるか、生徒の身になって考える。
しゃがんで相撲を取るのは大変しんどい。
その様な、作曲を教えることの意味や難しさ、そして楽しさを教えてくれた生徒だった。
(写真:渋谷駅前)

池袋の作曲教室では僕のレッスン内容を紹介するHP.が公開された(10年後、削除されました)。
レッスンの合間に僕が書いた原稿を、営業の社員が編集、標準化したものだ。独創的、専門的な部分は削除されていたので、ここに紹介したい。

レッスン内容は受講者の希望により【音楽理論】と【自由な作曲】のどちらか、または両方。
【理論】メニューは「和声」と「対位法」。和声のカデンツを成すトニック・サブドミナント・ドミナント(TSD)はクラシック音楽のDNAに相当する根幹の要素。
【自由な作曲】では、受講者が自発的に何かを書くまで、黙って待つ。
私は作曲のプロとしてよりも添削のプロとして、受講者が思い描く音楽に近付けるようお手伝いに徹する。
作品に作曲者の人間性が反映されることを祈って…。



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