伊福部昭著「管弦楽法」には木管のトリルと、その拡張であるトレモロの全音域の可否一覧が載っているが、サクソフォンだけ無い。
サックスは「マウスピースはクラリネット、運指はオーボエとほぼ同じ。半音のトリル (Shakes) はすべて可能、全音は5種類(明記されている)が不可能」と書いてあるだけ。
しかもサックスの講師に聞けばその記述の一部は誤りだ。「トレモロの可否はオーボエと同じ」という点も、必ずしも同じでは無い、との事。
サックスの曲をそう頻繁に作曲する訳ではないが、ウィンド・オケなどを書く際、トレモロの可否が問題になる。
その都度サックス奏者に聞くのは煩わしいし、管弦楽法の大全集に出ているような完璧な一覧を作ってもらうとなれば簡単には引き受けてもらえないだろう。
その一覧が載っているサックスの教則本が無いか探したが見つからなかった。重音奏法の運指の本なら購入しているが、そこまでマニアックで無いトレモロの一覧が手に入らない。
そこでインターネットで検索した。日本語のページには期待したものは見つからなかったが、英語 (saxophone tremolo) で検索すると、これぞというものが見つかった。
"The Woodwind Fingering Guide"
やはりオーボエとは違い、トレモロは3度までだ。不可能なトレモロも「不可能」と決め付けず、「この運指は募集中」「非実用的」などと書いてある。
http://www.partitionsvandoren.fr/
サックスのトレモロ、あります。高すぎますが、素晴らしい本です。
べーレンライター社から「サックスの新しいテクニック」が出版予定であり、稿は送られているらしいですが、まだ出版されていません。こちらも、トレモロのテクニックが載っている(はず)です。
べーレンライター社からは、「バスーンの新しいテクニック」が発売されました。
https://www.baerenreiter.com/cgi-bin/baer_V5_my?kat=/baerenreiter&ln=en&uid=955469X248846730&wrap_html=/preview2_2009/gallois_bassoon.htm