池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

第22回島村楽器音楽コンクール講評

2009-01-12 | 島村楽器音楽コンクール

第22回島村楽器音楽コンクール本選会が紀尾井ホールにて行われた。11日(日)は管・弦・声楽部門、12日(月・祝)はピアノ・作曲部門。以下、私が述べた講評。

《管・弦・声楽部門》
本選に残った皆さんは、聴き手を楽しませることが出来、良かった。聴き手に「ああ、この曲は難しいんだな」と思わせたら、その瞬間に演奏家の負けだから。
演奏にとって大切な事は、繊細さから大胆さまで、幅広い内容を備えていること。
力みが無いこと、自然の流れに委ねるかのごとく(フルート部門金賞の山本さんのような)。また、時に歌は楽器の様に、楽器は歌の様に。
伴奏者に良い演奏をさせるのもソリストの実力のうち。どういう調や和音が背後で鳴っているのかまでソロの音に反映できれば…。

《ピアノ・作曲部門》
例年に比べても劣らぬ、質の高い本選だった。
男性と女性の演奏スタイルの違い(例外はあるにせよ)が見られたのは面白かった。それぞれ一長一短あるが、長所を残した上で性差の限界を超えることが、自分を伸ばすことになるだろう。
基礎面においては、リズム感、テンポ、強弱の設計、大きな長さを作り上げる力などに優劣があった。それらを徹底した上で、どれだけ情熱を伝えられるかが問われる。
情熱がピアノの言葉のパレットとなり、カラーであれモノクロであれ、豊かなグラデーションとなれば素晴らしい。作曲においても同様。



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