池田 悟≪作曲家≫のArabesque

・・・深くしなやかに・・・(音源リンクしてます)

バッハ「インヴェンション」

2011-05-18 | 作曲レッスン

僕は二十歳の初夏に静大の対位法のレッスンで稚拙なインヴェンションを3つ作曲した。
そして今年、僕の作曲教室の生徒にインヴェンションの作曲を勧めた。
手本として自分も作る。古典のすごさは模倣して作るとリアルに分かる。

第1番 (C dur)、完璧な均整。
第4番 (d moll)、導音の跳躍が及ぼすショッキングなエネルギー。
第13番 (a moll) 後半、主従の逆転
第14番 (B dur)、クライマックスで実質的に4声の動きになる。
これら大胆なコンセプトとリアリゼーション。
さらに第6番 (E dur)、ずれたリズムで反行する全音階と半音階。
第12番 (A dur)、装飾音の付いた連打が長いトリルになる。
こんなモチーフでインヴェンションを書こうなどバッハ以外のだれが思うか。

マタイ受難曲のような大作も神々しいが、むしろほんの数十秒ほどの2声のインヴェンションの、何と挑発的で奇跡的なこと!
曲が小さく、音が少ないゆえ却って俳句のように自由な広がりを孕む。「発明(インヴェンション)」というタイトルもむべなり。
試聴



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