エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

ドイツ領・北海道

2020-08-21 08:31:05 | “アイヌ文化”関連
4年前、北道新聞の朝刊一面「 蝦夷地 99年貸与 」を読んで驚きました。 1868年(明治元年)戊辰戦争のさなか、官軍と戦っていた会津・庄内両藩が、ドイツから軍資金を借りる担保として「蝦夷地の領地を 99年貸与すると申し出た」とする外交書簡を、東大史料編纂所がドイツ連邦軍事文書館で見つけたと言うのです。 注目するのは「戊辰戦争が長引いていれば実現していた可能性がある」と、正に「ドイツ領・北海道」が 152年前に有り得た点です。 偶々、一年足らずで戊辰戦争(箱館戦争)が、官軍の勝利で終結した事で話は断ち切れたものの、実現したら日本の近代史は大きく変わったと思います。 もしも、元新選組副長の“土方歳三”が戦死しなかったら、北海道の地名は幻だったのです!

◎「戊辰戦争」を目撃した“五稜郭”


当時は、明治維新の混乱期だったのは分かっています。 しかし 戦乱のどさくさを利用し、アイヌ民族の同意なしで“蝦夷地”を植民地にしたのであれば問題です。 官軍(新政府軍)は、ロシアやアメリカから守る為の“蝦夷地平定”と誤魔化していますが、要するに“侵略”です。 アイヌ人から蝦夷地を買い取ったのであれば良し、何の対価も与えず奪い取ったとすれば、明治政府の強要は国際問題です。 アイヌ民族に対し「貴方達はか弱い民族です。日本政府が守って挙げます」と嘯き、広い大地を騙し取ったのです。 その証拠は、現在でも北海道中にあります。 それは、地名です。 アイヌ語を残しつつ、日本語の当て字を使い蝦夷地を守る約束をし、都合よく奪い取る契約にすり替えたのです。 アイヌ人は文字を持たない民族で、言い換えれば“言葉”を大切にする文化が根付いています。 反対に 日本人は、文字を巧みに操る民族です。 口約束を反故にし、“公文書”でアイヌ人を、いとも簡単に騙し蝦夷地を奪い取った!

◎ 軍国主義(侵略)で明け暮れた“明治政府”
 


北海道を略奪した政府軍は、“軍国主義体制”が益々強化された様です。 1904年、無謀にもロシアに宣戦布告したのです。 日露戦争に勝利した日本は、ロシアのサハリン(南樺太)・中国の南満州を領地に組み入れ、韓国の保護権も獲得し占領地を増やし続けたのです。 “戦国時代”を経験した日本は、戦争のノウハウが豊富で強かったのでしょうか? それとも 武力による世界戦略が、明治政府の悲願だったのでしょうか? そして、第二次世界大戦へ突き進んで負けた。 こんな日本の近代史を、一体誰が望んだのか? 人々の天皇崇拝を利用し、軍国主義を正当化した明治政府の策略が、何よりも悪いと思うのは私だけでしょうか? 過去の妄想が 今でも、政府の中枢で行脚しているから不気味なのです! 

◎ 謝罪なのか「民族共生象徴空間・ウポポイ」
  

152年前の話ですから、真相は“闇の中”です。 “たら”・“れば” ですが「ドイツ領・北海道」が実現していれば、日本は大きく変わっていたと思います。 “ドイツ”・“アイヌ民族”・“日本”(旧幕府軍)が、蝦夷地の開拓に協力する社会になった筈です。 アヘン戦争で“中国”と戦って勝利した“イギリス”が、100年間 “香港”を統治した事例と似ています。 仮に「ドイツ領」が実現していれば、一体誰が恩恵を受けたか? 独裁者「アドルフ・ヒトラー」が生まれた国を、安易に評価する事は出来ませんが、少なくとも“アイヌ民族”の処遇は、日本の統治より良かった筈です!