スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

平成5年に本尊・秘仏9体も灰燼に・・・

2007-06-24 11:21:42 | 西国三十三箇所めぐり

<32番札所  繖山 観音正寺(きぬがさやま かんのんしょうじ)>  


場所:滋賀県蒲生郡安土町石寺2

宗派:天台宗
本尊:千手千眼観世音菩薩
開基:聖徳太子

聖徳太子が琵琶湖の中から出てきた人魚に、『仏道を信じず生前に無益な殺生を重ねてきたため、こんな姿にされてしまいました。どうか成仏できるよう、ここに観音さまを安置し、供養して下さい』と頼まれたという。
この願いを聞き入れた聖徳太子は、千手観音像を自ら刻み、推古13年(605年)に堂を建立し、観音像を祀ったのが寺の創始である。

かつての本堂は明治15年(1882年)に彦根城にあった建物を移したものであったとか。
ところが平成5年(1993年)5月22日に全焼したのだ。これにより本堂に安置されていた重要文化財の本尊、木造の秘仏千手千眼観音立像をはじめ平安後期の毘沙門天像など仏像9体も灰燼に帰したのだ。

平成16年(2004年)3月に再建され、本尊の千手千眼観世音菩薩坐像はインドから特別の許可を得た白檀で造られている。
同年5月22日に落慶されたもので、まだ本堂の裏側は工事が続いていた。


駐車場に建つ石碑。ここからの参道は平坦な木立の中を歩くのだ。本来の参道は「繖山」の麓から自然石や丸太の細い山道が1.4kmも続くという、三十三カ所最大の難所であったとか。今では、この地まで車で来れるのだ。


山門が無いお寺である。その代わり少し広くなった場所に一対の仁王像が置かれている。むき出しで、大丈夫なんだろうか?



「鐘楼」の造りは簡素である。


この「本堂」は平成16年(2004年)3月に再建され、本堂の周囲はまだ整理中の状態で、裏側も工事中であった。


本尊の千手千眼観世音菩薩坐像は、白檀の原木23トンを使用した高さ4.8mの総白檀造りである。


本堂の廊下に置かれていた大きな「硯石」。これは何だろう?


本堂の右手の山側に大きな石が積まれている。寺の方に聞くと「本堂火災により、もう少し敷地拡張するため、山を削った際に出てきた石です。」と言われていた。ところが途中に大きな石が出てきてそこまでにしたとか。


中央に見える大きな石を動かせなかったため、本堂敷地の拡張を諦めたとか・・・。


巨大な石の上には観音像が佇んでいる。


雨が降る中、境内から下界を撮ったのだが・・・。寺の方に聞くと、湖東方面で、晴天の日には近江平野の眺望がいいとか・・・。





これは「観音正寺」の本堂にて買った小冊子。ご住職が著者・発行されているのだ。
2冊で66項目から成っており、私たちが日頃何気なくつかっている言葉の中に、「仏教語」を使っていることがわかる。

その一つを紹介します。

1.しゃかりき(釈迦力)  

私たちは普段何気なく「しゃかりきに~する」と言いますよね。
平仮名で書くよりもカタカナで書いたほうがしっくりしそうな言葉ですが、「釈迦力」と漢字で書けば「へぇ~」とうなずかれるのではないでしょうか。
お釈迦さまは今から約2500年前インドでお生まれになり、苦しむ人々を救おうと仏教を開かれ、すべての人が平安に暮せるように、一生懸命に教えを説かれました。ここから転じてわきめもふらず物事にのぞむさまを「しゃかりき」というようになりました。


6 コメント

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Unknown (のび太)
2007-06-24 18:18:54
重要文化財が灰燼・・・かけがいのない文化財だけに、大切な保存対策が必要なのでしょうが、残念に思います。 
大きな硯は、彫刻が縁に施されてるんですかネ・・・それにしても、大きく驚いてます。
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Unknown (山法師)
2007-06-24 20:37:04
いよいよ満願近くなってきましたね! 凄いバイタリティーある行動は現役時代そのものですね。スターアニスさんも関心の深い、硯の彫刻素晴らしいですね。満願成就の暁には夕食にご招待をと考えておりますので、暁には是非お出ましの程を・・・・
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Unknown (なりちゃんじいじ)
2007-06-24 21:12:35
失火で重文などを焼失とは残念ですネ。残り3ヶ寺で巡礼も終わりですか、キット良いこと転がり込んできますね、まずは夕食のご招待が転がり込んでくるようですね。私もそばでも打ってご苦労をねぎらいたいですネ、道具がない、打ったそばを新幹線で出前、伸びてしまうかな?そちらで茹でればいいかな!!
私の仏教語・御釈迦、現役の頃、不良品をたくさん作っては、御釈迦ばかり作ってと怒られていました。
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Unknown (めろん)
2007-06-24 22:50:18
こんばんは。ここへは焼けて間もなくのころ訪れました。下から歩いて登ったのでもうきつい事でした。今でも折に触れて思い出話をしています。
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Unknown (ヒキノ)
2007-06-25 13:58:17
竹生島から近江八幡、安土、おかげでスターアニスさんと一緒に観音様めぐりをしている気分になります。霊験はあるのかな。
信濃善光寺が最後になるのですか。朝6時ごろから参道にいますと管主さん?上人様?の朝のお勤めの時間になり数珠で頭をなでてもらえます。
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Unknown (なりちゃんじいじ)
2007-06-25 18:43:48
こんばんは
大きな硯は中国のものなんですか?確かにこのような大きな硯を売っておりますね、彫刻飾りが付いてかなり高価です。書に使うんではなくて装飾、飾り物なんだと思いますが。この重いもの運んだんですね。このお寺は書と関係あるんでしょうか
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