STUDIO GREY blog

イラストあります…でも、無料素材ではありません

#11 水門開放

2002-03-14 17:54:00 | STUDIO GREY Diary
農林水産省は、4月から2ヶ月間の期限付きで、諫早湾の潮受け堤防の水門を開放し、周囲の環境調査を行うらしい。この前の日曜日には、有明海の漁民達が長期開放を求めて海上デモを行っている様子が報道されていた。

前々から疑問符の浮かぶことなのですが、諫早の干拓工事を推し進めているのは農林水産省。かたや漁業を守っていく立場の官庁も農林水産省。4月から周辺調査をするのも農林水産省。すべてが農林水産省の手の中にあり、調査結果がどう出るにせよ、その報告に疑惑を持たれかねないのではないかと思うのです。
彼の地の干拓は、農業用地の拡大という目的で始まったものらしいが、今ではその必要性も希薄になり、防災目的に変更になっているようです。だとすれば、その時点で農林水産省より国土交通省(旧建設省)に事業の移管をすべきではなかったのだろうか。一度分捕った予算を他省に移すとか付け替えるということは、容易ではないのかもしれないが、干拓工事は国土交通省、漁民を守るのが農林水産省、調査は環境省という構図のほうがわかりやすいように思う。
それから、農林水産省が2ヶ月調査するということですが、堤防内の汚水とヘドロを吐き出して終わりということにはならないのだろうか。たった2ヶ月で自然浄化されるようには思えない。『開放しましたが、よけいに悪くなるので水門は開放しません。』では話にならない。素人考えですが、少なくとも干拓工事を始めてからの期間と同じ期間だけ開放調査したほうがいいように思うのです。

ま、何にせよ役所のやることですから、あてにはなりませんね。

2002.3.14 Thu.  小川 篤