酔話会でわれらが母校といえば、、、いわずと、、、蘇大海外教育学院。と、おおみえをきったが、その具体像を語れと言われれば、はなはだ心もとない。そこで、学院幹部に最近お話をうかがう機会があったので、紹介。
蘇州大学では、各学部で留学生を受け入れており、中国語学習だけとっても、四年制大学として、文学部本科、また韓国大真大学蘇州分校も蘇州大学内にあり韓国人大学生を受け入れているなど、多様であるが、今回は東校区文輝楼を校舎とする海外教育学院に限って話をすすめていただいた。
蘇州大学 海外教育学院 文輝楼
先ず、学院の歴史:
学院設立は30年前の80年代初め。2003年から留学生受け入れ規模拡大。2009年からは、国の奨学金対象校となり更に発展。
現在の留学生受け入れ状況:
半年以上の留学生を長期留学生、一ヶ月内外の留学生を短期留学生と呼んでいる。今学期は長期留学生50カ国、430名。韓国30%、日本20%、アメリカ、欧州の順。年齢層は若者が多数ながら、現役大学生から、フリーター、企業駐在員、その奥様、退職高齢者などさまざま。学費負担面では、本人自費留学のほかサウジアラビアなど派遣国側国費留学、アフリカなど第三世界からの中国側受入奨学金留学、アメリカ、フランス、日本などの大学との大学間相互受け入れ協定による留学など多様。
短期留学生は姉妹提携している友好校から受け入れている。今年中日本、韓国、アメリカ、フランスから20グループ、約300名受け入れる。ちなみに、日本の友好校は、宮崎公立大、京都産業大学、立命館、関西学院、金沢大、国士舘大、群馬女子大、和洋大、関東国際高校など十校。
最近の傾向:
韓国、日本からの留学生数はかわらないが、アメリカ、ヨーロッパからの留学生は増えている。彼等は学院卒業後も中国で働くことを求めて来ており、実際中国国内の合弁企業等に就職している。蘇州大学でも2009年から国費奨学金が出せるようになり、特に第三世界のアフリカからの留学生が増えてきた。実は今年に限り、日本からの留学生が増えたが、理由はわからない。東日本大震災が影響したのかも?
留学生気質:
私費留学の多かった90年代に比べ最近の学生はまじめに勉強するようになった。交換留学大学生は留学の成績が単位に組み込まれているのでよく勉強する。2009年から成績が良ければ国費奨学金を受けられるようになったので、成績も上がった。新HSK漢語検定試験で上級の5~6班の学生は最高レベルの6級がとれるだろうし、留学生全体の半数は4級がとれるとみている。
国別長短:
日本人、韓国人は漢字に強く、読み書きが得意。目で読めてしまうし、漢字である程度意思疎通できるので、会話がおろそかになる。その分発音は苦手。欧米人ははじめ漢字が書けないので、音でコミュニケーションするしかない。その分聴き取り、話しが早く上達する。しかし、中国で就職するには、漢字の読み書きが必須、やはり彼らにとって漢字のハンディは大きい。
日本人留学生:
長期留学生は韓国に次いで多く、今学期は約90名。交換留学の大学生、一般大学生など若者、日系企業の駐在員の奥さん、退職高齢者など。高齢者留学生十数名のほとんどは日本人。彼等は自分で勉強するだけでなく、指導的役割も果たしている。日本人は総じてまじめ。
今後の取り組み:
第12次五カ年計画(2011~2015)で留学生の規模を拡大することが計画に入っている。韓国、日本だけでなく欧米その他の国からの留学生が更に増える傾向にあり、中国で就職を求める学生も増えているので、そのニーズに応えて適切な授業ができるように改善を積み重ねる。
また、第三世界の東南アジア、アフリカの留学生をもっと受け入れる体制を強化しなければならない。教え方、教える内容についても研究しなければならない。例えば、更に上級に進みたい学生には総合学習を、会話能力だけをつけたい学生には会話だけを教える入りやすいクラスを準備する等これから考えていかなくてはならない。
以上でした。 z