蘇州大学「酔話会」

不問過去的事、在中国生活快楽、交換消息

中国江蘇省蘇州市蘇州大学
高嶺者留学生の談話室

スワンモック

2012年05月30日 | 旅行

スワンモック寺院はバンコクから640km南、タイ半島部東、タイ湾側のジャングルの中にある。22年前、院長のアジャンブッダサンが寺院東側のジャングルを切り開いて「国際黙想修験場」を開いた。爾後毎月10日間の外界隔絶黙想道場を欠かさずつづけてきた。毎月平均80人の黙想希望者が世界中から集まり、22年間で延べ2万2千人がここで黙想した。

十年前、バックパッカーをしていた頃、ぼくも参加したことがある。ジャングルを切り開いた10haの敷地には、椰子の木が植えられ、林間に吹き抜けの道場、食堂、セメントの箱を並べたような宿舎が散在している。白眉は温泉。近くに泉源があり、80℃の湯が敷地内を流れる小川に注いでいる。上流が女子プール、下流が男子プール。といっても、ジャングルの中で小川が少し深く広くなっているところをプールと呼んでいるだけ。男子プールは幅5m長さ20mもあり、中央は足がつかないので、みんな立ち泳ぎで入浴している。もちろんフリチン。女子は知らない。

さて、道場は、毎月1日に開講し、11日に閉講する。 十日間、食、住、説教つきで200バーツ(6千円)。安いのは、運営が喜捨で行われているため。参加者は欧米人が主体。ぼくが参加した時は、東洋人はシンガポールから来た華僑とぼくのふたりだけだった。黙想のインストラクターは4人の僧、米国人1人とタイ人3人。説教はすべて英語。と言っても、呼吸を整えて黙想する手順を繰り返してほどきするのが主。参加者には沈黙が課されるので、英語は説教を聴くだけで、話す機会はない。黙想のスタイルは座禅と立禅と歩行禅がある。夜ローソクを灯した池のまわりを、80人の参加者が黙々とめぐるさまは、幻想的。最初座禅でまともに座れたのはシンガポールの華僑とぼくだけだった。

一日の生活は、午前4時、ドラの音で起床。4時半から黙想。6時からヨガ。午前8時吹き抜けの食堂で朝食。メニューは米飯、豆、野菜、スイカ、バナナなど完全な菜食。朝食後10時まで各自割り当てられた持ち場の掃除。10時から黙想。12時半昼食、メニューは朝食と同じ菜食。飲み物は茶または果物ジュース。一日2食なので、食事はこれが最後。昼食後各自の持ち場で屋外掃除。ぼくは温泉プールの掃除を志願。網で水に落ちたごみや落ち葉をすくいながら温泉につかれる。14時半から黙想。18時、食事はないが茶と果物はとれる。そして温泉タイム。沈黙の立ち泳ぎ。みんな規則は厳守する覚悟で来ている。19時半黙想。21時就寝。21時半消灯。

これが十日間つづく。沈黙の十日間。禁酒、禁煙、全菜食一日2食の十日間。セメントの上にアンペラを敷いただけのベッドに寝ながら黙想の日々。ぼくの時は、80人入居したが、10人が脱落して途中で道場を去った。脱落したのは、全員男性だった。持久力においては、男性は女性に劣るか?

十日間とはいえ、すべてが時間配分され、規制される毎日は獄中生活と似ていなくもない。しかし、ぼくは、毎日自由がありすぎる旅人だったので、ひとに行動をゆだねておけばすむ生活はむしろ気楽だった。黙想は、座禅のしかた、呼吸方法、思考の手順まで手ほどきされるわけだから、当初呼吸確認と思考ステップの確認でほかのことを考える余裕がなかったが、なれるとけっこう思索範囲が広がる。長年生きてきているので思索する材料には事欠かない。十日間の黙想もたいくつすることは無かった。というか、この際これまで行き届かなかったすみずみまで思いをめぐらせた。一大長編小説を読んだ感じ。味をしめて、その後も別の黙想道場へも行ったが、やはりたいくつはしなかった。しかし、ジャングルに温泉プールがあるスワンモックが一番いい。毎日単調な繰り返しのなかで、素っ裸で熱い湯につかれる開放感は格別。

さて十日目の夜は、説教のあと、20時から1時間だけ参加者各自が説教壇に登ってショートスピーチすることが許される。十日間口から言葉を吐くことを戒められてきた人間が何をしゃべるか? 実におかしい。みんな機関銃のようにしゃべるが、ほとんど脈絡をなしていない。中には黙想で空中に浮くことを体験したと言って座ったまま飛び上がって見せるもの、歌を歌いだすもの、さまざま、、、。一時間後、再び沈黙が要請されるとなにかほっとしたような空気が流れる。

十一日目、朝の黙想を終え、午前5時45分沈黙解除となり、お互いの会話が許される。朝食の席は何十羽のひばりが一時に囀っているよう。なぜか、女性の声ばかり響く。男性は聞き役。現実復帰能力は女性が上ということか?

午前9時半閉講。ぼくは、シンガポールの華僑といっしょにバスで街にもどって、昼間からシンハビールを浴びるほど呑んだ。何しろ十日間禁酒は、生来はじめてのことだったので、うまかったのなんの。ビールが乾いたタオルに吸い取られるように、臓腑にしみこんできたのを今でも覚えている。

最近の水ぶくれ生活を思うにつけ、人間、ときには身体からも頭からも水をしぼりだして、リセットした方がいい、、、と思う。   z


シュリーマンの外国語習得術

2012年05月23日 | 学習

   学習カテゴリーに初めて投稿。ドイツ生まれのハインリッヒ、シュリーマンは、ホメロスの古代詩に魅せられ、貧困の中からインジゴの取引によって財をなし、44歳のとき引退してすべての財をなげうって、少年時代の夢、考古学に没頭。このとき日本は明治維新、そのさ中、横浜と江戸にも来た。そしてトロイ、ミュケーナイ、ティーリュンスを発掘、1890年六十八年の生涯を閉じアテネに永眠。彼が読み書き話せる外国語は実に、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ギリシャ語、ラテン語、アラビア語など十か国語以上。少年の夢を生涯追い続け、数々の歴史的発見をなしとげた発掘王が自伝に曰く「少年時代の貧困こそが、そして、一生懸命勉強すれば、この貧困から抜け出せるという確実な見通しこそが、何にもまして私をはげまして勉強させたのである。私はこのとき、必要に迫られて、外国語習得法をひとつ見つけたが、この方法を用いるとどんな外国語もひじょうに楽に覚えられる」と。鉄人のやりかたが、凡人にも通用するなら、われら語学留学生にとっても福音。どれどれ、、、。

1.先ず声を出して多読する。

2.短文を訳す。

3.一日一時間は勉強する。

4.興味あることについて、いつも作文を書く。

5.その作文を先生に訂正してもらい、暗誦する。

6.日曜日に教会へ通い、説教の一言一句を小声で繰り返す。

7.出かける時は、手に本を持って、待ち時間には、何かを暗誦する。

こうすると、三ヶ月後には、予め注意深く熟読しておくと、20ページにわたって印刷された散文を先生の前で一字一句間違えずに、らくらくと暗誦できるようになった。

眠れなくて、目がさめている夜の時間は、晩に読んだことを、頭の中でもう一度繰り返してすごした。記憶力というものは、夜の方が、昼よりもはるかに集中される。私は、初めて学んだ外国語である英語に半年で精通した。

強烈な目的意識、並外れた集中力があったとはいえ、シュリーマンのとった方法は、凡人の想像を絶するものではない。不肖、ぼくも6を除き、一応全部試みた。シュリーマンとの差は、強烈な目的意識と持久力。蘇州在住五年経過も、漢語一言語でさえ精通には程遠い。

すべてを従えて夢に向かって力強く前進する人生はまぶしい。シュリーマンの仕事の忠実な協力者だったデルプフェルトは友人として、また、ドイツ学会の代表者として、こう告別の言葉を呼びかけた「安らかに休んでください。あなたは十分に仕事をなさいました!」

半世紀後に生まれたぼくらにも、彼がバトンを渡そうとしているような気がする。気がつくのが遅かったか?まだ、間に合うか?


宮崎同学帰国の途へ

2012年05月20日 | 酔話会からお知らせ

3か月という大変短いお付き合いでしたが、宮崎氏が、本日(5月20日)帰国の途につかれました。ばっちり金環食狙いのナイスタイミングでの帰国でした。

初めての海外(中国)で、しかもいきなり5班からスタートで、ご本人は大変ご苦労されたと思いますが、持ち前のキャラを十二分に発揮され、誰からも好かれる非常に人気の高い高嶺者留学生でした。我が酔話会の集いにも毎回参加していただき、いろんな話題も提供いただきました。

宮崎さんへ
帰国後、本HPへのコメント投稿を一同楽しみにしております。(さっそく日食のことなどお聞かせくだされば幸いです)
もし万が一、市川で「ロバ肉レストラン」を開業するようなことがあれば、ぜひ我々を招待してくださいね。
日本での更なるご発展とご活躍を心から願っております。また機会を作って蘇州にお越しください。


今天

2012年05月19日 | 酔話会からお知らせ

今日、有田さん来蘇PM6:00ごろから会食。

彼は現在、浙江省の大学の学生さん。9月から江蘇の丹陽に日本語の先生で赴任するため、今回下見に来た帰りに、蘇州によって旧友との再会を楽しみ来てくれた。

まあーよもやま話で盛り上がったところで、PM8:00解散。また9月からは2回に1回は酔話会に、出席したいとのことで、下期を楽しみしています。

怪長より。

 

 


明天

2012年05月17日 | 酔話会からお知らせ

旧友来到。2008年下期に在学していた、有田同学が明日蘇州に夕方着きます。有田同学を知っている同学

は少ないとおもいますが、よろしかったら参加してみてください。

場所は東呉飯店の入り口の面館。時間はPM6:00を予定しています。

今のところ参加予定者は、柏尾さん、チョーさん、怪長、有田さんの四名です。

有田さんは、蘇州大学で半期勉強したのち帰国、一年掛けて、日本語教師の資格をとり、中国で日本語を教えていました。そのごは色々あったみたいで、詳しくは明日聞いてみます。

 


ロバ(別名:うさぎうま)

2012年05月14日 | 学習

ロバ肉を賞味したついでに、ロバを題材にした中国の寓話を紹介します。

                       黔之驢      柳宗元
   黔无驢,有好事者船戴以入。至則无可用,放之山下。虎見之,pang然大物也,以為神。蔽林間窮之,稍出近之,yinyin然莫相知。
   他日,驢一鳴,虎大駭,遠遁,以為且噬己也,甚恐。然往来視之,覺无異能者。益習其声,又近出前后,終不敢搏。稍近,益狎,蕩倚冲冒,驢不勝怒,蹄之。虎因喜,計之曰:“技止此耳!”因跳踉大㘎,断其喉,尽其肉,乃去。
   噫!形之pang也類有,声之宏也類有能,向不出其技,虎雖猛,疑畏卒不敢取;今若是焉,悲夫!

  黔(現在の貴州省)にはロバはいなかったが、ある物好きが船に乗せて連れて来た。ところが何の役にも立たないので、山の麓に放してしまった。虎がロバを見て、何と大きな動物、神ではないのかと思った。林に身を隠して様子を窺い、しばらくして近づき、注意深く観察してみたが、何者かは分からなかった。
  ある日、ロバが嘶くと、虎はびっくりして遠くへ逃げ、食い殺されるかもしれないと恐れた。しかし戻ってきてロバを見ると、特にこれといった力もなさそうに思えた。鳴き声にも慣れ、また近づいてロバの前後を歩き回ったが、襲う勇気はなかった。虎はだんだんロバに近づき、からかって、わざと体をぶつけてロバを怒らせてみたところ、ロバは我慢できず、虎を蹴りあげる動作をした。虎はこのことで喜び、「お前の技はそれだけか!」とロバに襲いかかり、喉に噛みついて倒し、その肉を食べつくし、去って行った。
  ああ、体が大きく徳行もありそうで、鳴き声も伸びやかで能力もありそうなロバだが、その弱点を露わにさえしなければ、凶暴な虎といえども恐れをなして襲わなかっただろうに、このような結末になって何とも可哀そうだ。

作者の柳宗元(773-819、別名“柳河東”)は、唐時代の文学家・政治家で、「唐宋八大家」のひとり。
(唐代の韓愈・柳宗元、宋代の欧陽修・蘇洵・蘇軾・蘇轍・王安石・曾鞏)

この寓話から、下記の成語が生まれている。
  pang然大物:途方もなく大きなもの。強そうに見えるが実はうどの大木。見かけ倒し。
  黔驢技窮/黔驢之技:手の内(貧弱な対抗策)を出し尽くして窮地に陥る。化けの皮がはがれる。

上記以外にもロバは成語や諺によく登場するのだが、概して、うすのろ・馬鹿のイメージが強い。本来は、利口でペットにもなる愛らしい動物なのだが・・・(文責:y)


5月例会報告

2012年05月12日 | 酔話会からお知らせ

5月11日、源蒙小毛驢酒店にて、酔話会5月例会が宮崎同学の送別会を兼ねて開催され、いつも通り、硬軟とりまぜた四方山話で大いに盛り上がりました。

参加メンバー:宮崎、片山、長沼、前田、河田、森下、矢部の7名(敬称略)。

写真左上がロバ肉の盛り合わせ、その下は鴨舌。これ以外に、ロバ肉の水煮、ロバ肉の水餃子等を堪能しました。

このロバ肉レストランは、店内が結構清潔な感じで、我々の部屋を担当してくれた小姐も礼儀正しく好感が持てた。途中から担当のアルバイトの女学生は接客態度がまるでなっていなかったので、上記の模範服務員の小姐がわざわざ非礼を詫びに来た。中国では殆どお目にかかれないような出来事なので、少し感動。アルバイトの彼女は教育的指導を受けたようで、我々の帰り際には見違えるほど愛想が良くなっていた。

ロバの肉は、柔らかく、へんな癖もなく、低脂肪・高タンパクで、結構美味しいのだが、なぜ日本にはないのだろうか?宮崎プロもよく分からない様子。日本では動物園にはいるが食用としては飼育されていない模様。輸入規制もあるのかもしれない。どなたかご存じの方、コメントをお願い、教えてほ酔話!

なお、次回の6月例会は、
  期末考試:6/20(水)~22(金)
 結業式:6/26(火)
 端午節休暇:6/23(土)~25(月)
を考慮して、6/22または6/23にしたいと思います。
次回は、日本食の飲み食べ放題を予定。 (文責:y)


5月例会のご案内

2012年05月01日 | 酔話会からお知らせ

酔話会5月例会を下記の通り開催します。(今回は宮崎同学の送別会を兼ねて行います。)

日時: 2012年5月11日(金曜日) 午後6時開始。
場所: 「源蒙小毛驢酒店 庄先湾路店 222号室」 (下記の地図を参照してください)

        

ここのところ「淮揚面館」が続いたことと、「肉」のプロである宮崎氏をもてなすことを考慮して、今回は「内蒙古料理」にしてみました。メインはロバ肉料理です。中国には「天上龍肉,地下驢肉」と言う諺があります。「天上には最高の龍の肉があり、人間には食べることができないが、地上には人間にとって最高のロバ肉があるよ」という意味だそうです。また、ロバの肉は、高蛋白、低脂肪、低コレステロールで我々高嶺者には最適、肉は柔らかく、味もクセがなく食べやすいと思います。

今回テストケースとして、出欠の確認をWEBで行ってみたいと思いますので、下記のURLにログインして(パスワードは不要)、各自出欠の回答とコメントを記入してください。(なお、WEBにアクセスできない同学には、別途出欠確認をとらせていただきます。)

http://kanji.kodama.com/note.aspx?ac=wd3exp3dai96a4il

 

怎麼走?
1.“東呉飯店”付近にお住まいの方
   十全街を東進、莫邪路で左折北上、漢亭舫の手前を右折し庄先湾路に入り約400メートル東進すると到着します。

2.“大学構内”及び“徐家浜”付近にお住まいの方
   金鶏湖路と東環路の交差点から約250メートル西進すると到着します。(金鶏湖路の延長が庄先湾路です。)
   大学構内の方は、そのまま北へ飛び越えることができれば近いのですが、無茶をせず、東門から出て回ってください。

3.それ以外の方
     地図を参照してお越しください。

(文責:y)