今日は今日広く採用されている右回り回転法ではなく、左右交互変換法について話してきたいと思います。
現在の胃・X線撮影ガイドラインでは右回りの回転法が重要視されていますが、こと後壁メインの透視観察は左右交互変換が威力を発揮します。
身体の動きが激しい回転法だと、バリウムの流れがおおまかにしか認識することができません。
つまりよっぽど大きな病変でないと発見できないのではないのかと思います。
左右交互変換の弱点は、バリウムを腸へ流出させてしまいやすいことです。寝台を若干立てて交互変換してもよいのですが、
そのときは体部後壁小彎寄りの付着不良に注意しなければいけません。
しかし前述したように、後壁病変の透視観察は左右の交互変換のほうが、よく見えます。
腸への流出が気になるのであれば、下部撮影終了後、上部撮影中に移行しているさいの交互変換を透視観察すれば良いと思います。
実際に私はその段階で初めて、後壁病変の胃がんを発見したりします。
ここでの重要なことは、バリウムの流れをしっかり意識しながら撮影にあたることだと思います。
昨日よりも今日、今日よりも明日。毎日何か一つ身につけようと思う姿勢で消化管撮影も望んでいます。
ただ、レベルアップを実感できる瞬間が好きなだけです。