バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

バリウム検査の検査時間は、どのくらいが妥当なのか

2014年06月29日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます、すきくぴです。
バリウム検査の検査時間がどのくらいが妥当なのかを考えてみたいと思います。
集団検診で行われるバリウム検査は、入退室含めて約5分程度です。
受診者の方が、バリウム検査が初めてであれば、ゆっくり説明しながら検査を行うので、約6分程度になったりします。
またドックで行われるバリウム検査は、検査料金が集団検診よりも高いため撮影枚数が多く、より詳細な情報が得られます。ドックの入退室を含めた検査時間は、8分前後です。こちらも初めての方の場合、もう少し時間がかかることがあります。
バリウム検査の撮影の仕方は、学会で決められた方法があります。したがって検査時間はどこの施設でも横並びのはずです。この検査時間の半分程度しかかからない施設は、学会が決めた撮影から逸脱しているといえ、がんの見落としが多いといえます。
一部では検査をたくさんこなし利益のみを考える施設があると聞きます。
あなたが受けられている施設はいかがですか?

バリウム検査について 昔は枕を使用していなかった

2014年06月28日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます、すきくぴです。
今日はバリウム検査の枕についてです。
一昔前は、検診で行われる胃X線検査では、枕で胃を押さえることはありませんでした。
内視鏡で胃がんと診断された方に対して行うバリウムの精密検査では、枕を使用しがんの特徴を把握していくため、以前から使用されていました。
時代が進むにつれて、バリウムの製品がよくなり、より少ないバリウム量でもきちんと胃の粘膜が写し出すことができるようになってきました。
撮影法に関しても、さまざまな研究がなされ、今の枕を使用した撮影法が確立されました。

検査中、枕でみぞおちを押さえられゲップを我慢しながら逆さまになる行為は大変苦痛ですが、趣旨をご理解いただき受診していただきたいと思います。



バリウム検査について 枕で胃を押さえる施設とそうでない施設 

2014年06月27日 | 胃X線を受診される方へ


こんにちは、すきくぴです。今日はバリウム検査について、枕で胃を押さえる施設とそうでない施設についてお話しします。
胃の前壁と言われる部分は、枕をみぞおちあたりに敷くことで胃X線の形を矯正し撮影していきます。
これは胃X線ガイドラインといってきちんと学会で決められた撮影の仕方です。
しかし一部の検診施設ではこの枕を使用した撮影を行っていないと聞きます。
行わない理由として、枕を入れないほうが検査時間が短くなり、より多くの人を検査でき、その分の収益が見込まれるためです。
胃X線検査をたくさんできたり、早く終わることのできる施設が優秀な施設と勘違いしていらっしゃる受診者の方は少なくありません。

胃X線検査 体部後壁の粘膜不整

2014年06月23日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます、すきくぴです。
先日、30歳代の知人が胃X線について電話で質問してきました。
話しを聞いてみると、その知人は胃X線検査で要精密検査になったというのです。

胃X線の診断には、体部後壁の粘膜不整と書いてあり、この用語の意味は何なのか?そして精密検査を受けるべきなのかと聞かれました。
皆さんはこの用語を聞いてどう思われますか?胃X線検査に携わっている医療従事者の方は理解できるでしょうが、
専門用語が並んでおり、一般の方にわからないのは無理ありません。ちなみに知人も一般の会社員です。

私は知人に胃の後壁といわれる粘膜に炎症を起こし、胃の粘膜が普通と違う様子で写し出されている可能性があるので、念のため内視鏡を受けたほうが良いと伝えました。
実際の写真をみれば、もう少し正しいことを説明してあげられるのですが、おおまかな説明で止めておきました。

一般の方にとって、専門用語が並ぶだけの検査の返事の仕方は、理解に苦しむと思います。
できるだけわかりやすい言葉を選ぶことが必要です。

バリウム検査について 圧迫枕の素材

2014年06月22日 | 胃X線を受診される方へ
こんにちは、すきくぴです。
今日は前回に引き続き、うつ伏せの撮影についてです。
うつ伏せの撮影時には胃の形を矯正するため、圧迫枕をみぞおちあたりに敷いていきます。
この圧迫枕の素材ですが、当センターではそばがらやタオルを使用しています。
枕で胃を押さえないと、胃の前壁といわれる部分がよくわからず、胃がんの見落としにつながります。
枕を入れる趣旨をご理解いただき、受診ください。


バリウム検査について 逆さまになる 前壁撮影

2014年06月21日 | 胃X線を受診される方へ
こんにちは、すきくぴです。
今日は前回の記事であるうつ伏せの続きです。

写真にありますとおり、逆さまにしていかないと胃の前壁といわれる部位を観察できません。とても大変なかっこうですが、検査台には肩あてがあるので心配ありません。
どうしても頭に血が上る状態になるので、私たちはすみやかな撮影を心がけています。


バリウム検査について 枕で胃を押さえる 前壁撮影

2014年06月20日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます、すきくぴです。前回では、食道や右回りの回転、仰向けの写真を数枚撮影することについてお話しました。

今日は仰向けの撮影後に行われることの多いうつ伏せの撮影について触れます。

写真にありますとおり、うつ伏せの撮影時には、みぞおちあたりを枕で押さえて、胃の形を直し、胃の粘膜を広く見えやすい状態にしたから撮影していきます。
このとき、痛い場合があれば遠慮なく、撮影者に申し出ていただきたいと思います。
ちなみに枕で押さえないと、前壁といわれる胃の粘膜面を観察することが困難であり、枕の使用は必須といえます。


バリウムを台の上へあがってから飲む理由

2014年06月19日 | 胃X線を受診される方へ

検査台に上がる前にバリウムを飲んでいただいていましたが、以下の4つの理由により、現在は台へ上がってから飲んでいただいています。
・腸が胃に重なって見えにくくなるため
・食道の病変を見つけるため
・バリウムの誤嚥を透視ですぐに確認できるため
・ゲップが出にくいため

以上の事柄を行うため、一人あたりの検査時間は入退出を含め約5~6分となっています。

バリウム検査について 食道の撮影

2014年06月18日 | 胃X線を受診される方へ
すきくぴです。
今日も胃X線検査の説明ですが、特に食道についてです。
先日の記事にありましたが、食道は検査台の上へあがってから、バリウムを飲まないと食道は観察できません。胃X線検査とはいっても食道を観察できる機会があるわけですから、きちんと食道を観察してもらっているのかを受診するさいには確認してください。

さて、食道撮影の説明ですが、ある程度勢いよく、空気と一緒にごっくんと飲む込むようにしながらバリウムを飲んでいただきたいと思います。ちょろちょろと飲まれると、食道に空気が入り込みにくく食道の粘膜がきれいに描出されません。
下にあるのは、食道を撮影した画像です。


バリウム検査について 素早く回ってもらうのはなぜか

2014年06月17日 | 胃X線を受診される方へ
おはようございます、すきくぴです。今日もバリウム検査の説明です。
150ml前後のバリウムを飲んでいただいたあと、寝台の上でぐるぐる回ってもらいますが、ある程度スピードよく回っていただく必要があります。
勢いよく身体を動かしていただくことで、胃粘膜の上にのっかっている粘液がはがれ、そこへバリウムが付着され、胃の粘膜が写し出されます。
この胃の粘膜をチェックし、病変がないかを診断していきます。
そして、いろいろな角度から胃を撮影し、観察していきます。


バリウム検査について 新・胃X線撮影法といわれます

2014年06月16日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは、すきくぴです。
今日は、今現在用いられている胃X線撮影法について触れていきます。
下にあるものは、高濃度低粘性バリウムを使用して得られた胃粘膜像です。
バリウムを飲用したのち、寝台が水平の状態で、右回りに三回転回ったあと、撮影された仰向けの写真です。
これは背臥位正面像といわれます。

日本消化器画像診断情報研究会へのご入会案内

2014年06月16日 | 研究会や学会
こんばんは、すきくぴです。
今日は、日本消化器画像診断情報研究会への入会案内です。
私がこの研究会の会員になって2年ほど経過しましたが、ここ最近は会長が代わり、学会だけでなく、新たにセミナーが年2回ほど開催される研究会となりました。
セミナーの内容はビギナー向けの基準撮影から追加撮影、読影など幅広く展開されています。また、セミナーの内容は後日配布される研究会の雑誌に収録されているため、セミナーに参加できない人にとっても大変便利なものとなっています。
子育てや土日の業務に追われる自分にとっては、大変うれしい研究会です。
年会費は3000円です。研究会の雑誌は年2回の発行であるため、雑誌代だけ考えた場合、1冊あたり1500円の計算になりますが、それでも十分おつりがくる内容となっています。
もちろん、都合上セミナーに参加できるのであれば、セミナーへ参加するに越したことはありません。雑誌で学ぶより生で講演を聞くほうが吸収する質に差はあるでしょう。会員であれば、セミナー受講料が安いです。
まだ入会されていない技師さんで、興味のある方は一度ホームページへ足をお運びください。

日本消化器画像診断情報研究会へ→

バリウムを飲むのが苦手な方へ

2014年06月15日 | 胃X線を受診される方へ
こんにちは、すきくぴです。
今日はバリウムを飲むのが苦手な方へのアドバイスです。

バリウムを飲む際、少しずつ飲まれる方がいますが、味合わずにむせない程度に、一気に飲んでいくことをお勧めします。
あとは、飲むのが苦手ですと予めスタッフに申し出ていると、担当者も苦手なのを考慮して指示してくれることも少なくありません。

年に一度のバリウム検査は苦しいと思いますが、頑張ってください。

それでは今日はこのあたりで、すきくぴでした。





血液検査 血清ペプシノゲン

2014年06月12日 | 胃X線を受診される方へ
こんばんは、すきくぴです。今日は血液検査のひとつである胃がん発見のための血清ペプシノゲンについてお話しします。

効率的に胃がんを発見するために、血清ペプシノゲンⅠの値と血清ペプシノゲンⅡの比を(Ⅰ/Ⅱ)測定します。
ペプシノゲンは胃粘膜にある主細胞から分泌され、この比は、委縮性胃炎が進むと低下していきます。委縮性胃炎が進んだ胃では、
胃がんが発生する危険が高いといわれています。
胃X線や内視鏡検査と組み合わせることで、診断能力が向上するとされています。
血清ペプシノゲン検査は簡便な検査ですので、胃がん検診を受けられたことが無い方は、まずは検査のハードルの低い血清ペプシノゲン検査を受診してみるのも良いでしょう。

胃X線検査、動いていただく理由

2014年06月11日 | 胃X線を受診される方へ

こんばんは、すきくぴです。
今日は胃がんX線検査における、体位変換についてお話します。
バリウムを飲んでいただいたあと、台の上でぐるぐる回ってもらうのですが、これには訳があり、バリウムを胃の粘膜にくっつけ粘膜を写しだして診断しています。
また、胃の粘膜には粘液がのっかっていて、素早く動いていただくことで、粘液がとれて胃の粘膜をきれいに写し出すことができます。
したがって、身体が不自由であったり、めまいやふらつきのため、思うように体位変換できない方は、胃X線検査は難しいといえます。
そういった方は、胃カメラがお勧めです。胃カメラは素早く動いていただくことがないからです。

それでは今日はこのあたりで。すきくぴでした。