映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

ル・ミリオン - LE MILLION - (ルネ・クレール 1931年 81分 フランス)

2013年01月23日 00時37分18秒 | ルネ・クレール
ル・ミリオン - LE MILLION - (1931年 81分 フランス)

監督  ルネ・クレール
原作  ジョルジュ・ベル
脚本  ルネ・クレール
撮影  ジョルジュ・ペリナール
音楽  ジョルジュ・ヴァン・パリス
    フィリップ・バレス
    アルマン・ベルナール

出演  アナベラ
    ルネ・ルフェーブル
    ポール・オリヴィエ
    ルイ・アリベール
    コンスタンタン・シロエースコ
    オデット・タラザク
    レイモン・コルディ




ベアトリスは頼まれた縫い物、ミシェルの服を届けに言ったのだけど、ミシェルは浮気をしようとしていたので、彼女は服を持ったまま自分の部屋に戻ったのだった.この時、服を返してもらっていれば、こんな騒ぎにはならなかった.
『愛人を部屋に入れるなら、かぎを閉めて』と、ベアトリスは言ったけれど、
部屋にかぎをかけ忘れたのがいけないのではなくて、ミシェルの言葉によれば、ただの婚約者らしいけれど、婚約者がいるのに浮気をしようとするやつが悪い.







プロスペール、お金を独り占めしようとした彼は、一文にもならなかった.ミシェルが言ったように、半分ずつ分けておけばよかったのだけど.









泥棒、すり、強盗、義賊の彼らは悪事はなんでも有の集団らしい.彼らの隠れ家は当時にしてみれば近代装備で、そして、統率の執れた集団だった.
彼らの親分、悪の総統のチューリップ親父は、ピアノが上手.彼はインテリだった.そして、上着を取り戻すために、彼らはオペラ座に出かけて行ったのだけど、オペラを観た手下たちは、感動して涙を流していた.
ドタバタの末、一度はミシェルの手に戻った上着を、彼らは強盗をして奪っていった.そして、ミシェルから奪い取った上着を、チューリップ親父はベアトリスとの約束を守って、ミシェルに返しに来たのだった.だったら、強盗なんかしなけりゃよかった.その通り、強盗なんかしてはいけないのだ.






『この世はお金が全てじゃないけれど、お金はやっぱりありがたい』
『百万長者になれて悪い気はしないはず』
『お金が全てじゃないと、インテリは貧乏人に言う』
『でも、その言葉よりも、お金の方がありがたい』



インテリのチューリップ親父は、ピアノが上手だった.お金ではない.
オペラを観て感動して、涙を流した.お金ではない.
約束を守って、上着を返しに来た.お金ではない.
インテリのチューリップ親父は、お金が全てじゃないと言ったのだけど、つまりは、お金が全ての泥棒なんか、してはいけないのだ.






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