ご近所にお住まいで80歳を過ぎた位と思われるおじいちゃんは、とにかくお酒が大好きでご来店の15時には既に赤いお顔で、必ず梅干し入りの焼酎お湯割りを何杯もお代わりする酒豪?でした。帰る頃にはろれつが回らず、会話が聞き取れない事もしばしば。歩いて10分かからないご自宅までタクシーを頼む事もあり、毎度、無事に帰宅されただろうかと気をもんでいました。お酒が浅い時の話題はお孫さんの話、そして娘さんが雑誌に記事を書いた事を嬉しそうに話されて、いつもその冊子をカバンから取り出して見せてくれるのでした。なので冊子はかなりボロボロで、そこには父の愛が感じられました。コロナ禍になりしばらくお顔が見られなくなり、数ヶ月に一度、ランチを食べに来てくれたのが最後になりそのままに。それが先日、その方が店に連れて来られたお知り合いが飲みに見えたので、その後の様子を伺うと、ご自宅で転倒された事がキッカケで、今では施設に入所されたとか。ご存命なのは何よりでしたが、以前のようにあの冊子を持ってご来店される事がなくなったのがとても残念でした。難しいかもしれませんがもう一度、お湯割りを片手にお嬢さんの自慢話を聞きたいと思ってます。どうかお元気で。