戸隠 西窟尾根
ルート:戸隠連峰 八方睨 西窟尾根
日時 :2月28日~3月1日
メンバー:S原、U山
何度も足を運んでいるのに一度も完登していない雪の戸隠。
6年ぶりに西窟尾根からチャレンジしてきました。
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<テン場から八方睨~九頭龍の稜線を望む>
今回の山行、当初はP1尾根の計画であったが、直近になって、2泊3日のスケジュールのうちの
2日目後半から3日目にかけて天気が崩れるという予報になった。
そこで急遽、天候悪化前にピークに立てそうな西窟尾根にルート変更した。
2月28日 晴れ
28日は、S原車にちょっとしたトラブルがあって諏訪発が5時を少し回ったが、
奥社駐車場にはほぼ予定通りの7時過ぎに到着することができた。
朝早い駐車場には我々以外にBCスキーパーティーが2パーティーほど。
目の前には青空の下に本院岳から八方睨にかけての見事な大屏風が広がる。
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<本院岳~八方睨>
尾根に上がると、雪が適度にしまっていて、苦にならない程度のラッセルが続く。
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<草付きからルンゼに下降>
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<八方睨を望む 左下の岩峰が西窟 右下が百間長屋>
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<本院岳~八方睨>
奥社参道は昨日の新雪が20cmほど積もっていたが、先行したスキーパーティー
のトレースがあってそれをたどる。
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<参道入り口>![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/74/099fe3b14344f94ad0a3f9891916d40d.jpg)
この辺り一帯はクロカンやスノーシューのエリアになっているようで
参道入り口の食事処では用具のレンタルをしている。
どおりで奥社駐車場が大々的にきれいに雪かきをしてあったわけだ。
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<レンタル受付>
奥社に向けて見事な杉並木の参道を歩く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/76/1b2779928ca228a2d514f9cd67b31677.jpg)
<参道の杉並木>
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<レンタル受付>
奥社に向けて見事な杉並木の参道を歩く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/76/1b2779928ca228a2d514f9cd67b31677.jpg)
<参道の杉並木>
隋神門手前から参道を左に分かれ、ワカンを付けて
西窟尾根の1410mピークをダイレクトに目指す。
S原さん ラッセル絶好調でした。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/03/b8767fd6426c7bea7f97afd727d9f9c7.jpg)
尾根に上がると、雪が適度にしまっていて、苦にならない程度のラッセルが続く。
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1500mを超えるあたりから新雪の下がクラストしてきたのでアイゼンを付け
1600mあたりで急な雪壁が出てきたので最初のロープを出す。
そこいらはまだ樹林帯なのでどこかでロープをしまうつもりでいたが、
その先も、短いながら気の抜けない箇所が散在し、
結局、核心部を超えてしばらく行くまでロープはつけたままだった。
ほどなくして、下部の核心部に到着。痩せ尾根に薄刃状の岩峰が立ちはだかっている。
過去の記録を読むと、ここはその時の状態によって右から巻いたり左から巻いたりしているようだ。
1P目 S原さんリードで取り付く。いったん岩峰を右側から巻こうとしたが途中に大きな
ブロックが引っかかっていて通過できないとのことで、左側に戻り
岩峰の基部に沿ってルンゼ状を下降。ロープ一杯のところでビレイ。
2P目は 、そのすぐ先の、岩峰の向こう側のコルから落ちるルンゼを登り返すのが一番素直だが、ラッセルが大変そうということで、岩峰の基部に沿ってルンゼの側壁のような草付きにU山がロープを伸ばす。
登り始めてみれば、時折岩が出てきたり、傾斜が強いところが出てきたりで結構手強い。
コルに抜ける直前が被り気味なので、手前の灌木を支点にしてルンゼにロワーダウンし
(フォローのS原さんは懸垂)、ルンゼを登り返してコルに抜けピッチを切る。
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<草付きからルンゼに下降>
その先も相変わらず気の抜けない雪壁や懸垂が続くのでスタッカットで進み、
西窟に直接つきあげる尾根に乗ったところでロープを解いて大休止。
この地点からは、明日辿る西窟から蟻の戸渡りを経て八方睨に至るラインが良く見える。
蟻の戸渡りはシャープなナイフリッジになっていて、スリル満点の登りが楽しめそう(?)。
雪の状態さえよければ、下りは百間長屋基部をトラバースする一般道を下った方が
短時間で下山できそうだ。(降っていれば百間長屋手前の雪崩が心配だが・・・)
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<八方睨を望む 左下の岩峰が西窟 右下が百間長屋>
大休止後、今日の最後の頑張りで西窟を目指して歩きはじめたが、途中、なだらかで景色の良い場所があったのでここを今夜のねぐらと定めテントを設営する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/e2/7a18158c5c6d7ec121d93f0771ae59b2.jpg)
この晩は風もなく、標高の低さも相まって、暖かく静かだった。
事前の天気予報から、天気は明日の午前中までもつと踏んでいたので
今度こそは冬の戸隠のピークに立てるだろうと期待がわく。
が、夕方になってnamiさんのグループメールで、明日の芦安が中止になったことを知り、
もしかしたら、天候変化の周期が早まっているかもしれないと思ったが、
ここは北に寄っているので南ほど大きな影響はないだろうと楽観してシュラフに潜った。
奥社駐車場 8:00 ~ 1410ピーク 9:29 ~ 核心部 12:00 ~ コル 13:30 ~ テン場 15:15
3月1日 雪
3月1日 雪
明けて1日、4時半に起床したが、S原さんが外を見ると雪が降っていると言う。
しばらくどうするか考えていたが、デリケートな登下降を強いられる蟻の戸渡りが待ち受ける中、
行動前からの悪天をついてまで前進するトシじゃないよなという常識的なところに落ち着いて早々に下山を決定。
昨晩の鍋の残り汁で作ったラーメンをかきこみ、テキパキとテントを撤収して6時半過ぎには下山を開始した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/bf/42903a927e04ec107e98b82a7c26419d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/bf/42903a927e04ec107e98b82a7c26419d.jpg)
昨日通過した核心部は、登りのラインから離れて、いったんコルから岩峰の肩(?)のあたりまで登り、そこから里側に向けて少し振り気味に懸垂をしたら、うまい具合に1P目のルンゼの中間付近に降り立つことができた。
(岩峰をさらに登ることが出来れば、うまくすればこのピッチの取り付き付近に直接下ることができるかもしれない。)
テントを撤収する時点では、この先どんどん天候が悪化するものと思っていたが、標高を下げるにつれて雪は小降りになってきて、少し後悔の念が頭をもたげる。が、上はこことは違うかもしれないし、核心部も通過してしまったしでそれ以上は考えないようにして黙々と下り続ける。
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尾根を下りきって遊歩道に入ると、昨日静かだった雪原は、ガイドに率いられたクロカンツアーやスノシューツアーのパーティーでにぎわっていて、縦横にトレースがはしっている。
参道まで下るとスノーシューやクロカンの人に混じってツボ足の参拝者も見かけるようになった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/15/3b8e2ede78432fe43021a5b3dd5f123d.jpg)
<前方にスノーシューパーティー>![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/15/3b8e2ede78432fe43021a5b3dd5f123d.jpg)
駐車場に12時前に帰着して山行は終了。駐車場は昨日とはうってかわって満杯で、入りきれずに路駐をする車も何台か見かけた。
帰り際、S原さんから道中においしいそば屋があると教えてもらったが、そこにはピークを踏んだ暁に寄ることにして一路諏訪を目指す。
下山後の天候の推移を見ていると、当初の予想に対して半日ほど天候推移が早まったという印象。
とすると、3月1日は様子見の停滞という手もあったかもしれないが、狭いテントの中、中高年のオヤジ 二人が一日中顔を突き合わせている様子を想像すると、もうそんなことをするトシじゃないよなと(またしても)思うのでした。
ということで、来シーズン以降も、とにかく一度ピークを踏むまでは、チャレンジを続けたいので
だれか気の向く人は付き合ってください。
テン場 6:32 ~ 遊歩道合流 10:41 ~ 奥社駐車場 11:50
夕暮れの西岳方面の雪の尾根はとても魅力的でした。次回、また計画したいものです。