諏訪山岳会公式ブログ

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奥志賀 外ノ沢

2017年07月03日 | 沢登り
2017年6月17,18日
I原、N原(記)

奥志賀の雑魚川支流、外ノ沢(外川沢)を遡行しました。
美しいナメが続く穏やかな沢ですが、雪渓と藪漕ぎに苦労しました。

1日目(6月17日)
I原さんと茅野で合流。中央高速から長野道、上信越道を経て中野インターから奥志賀高原を目指す。途中のコンビニで日釣券を購入した。入渓前から釣る気満々である。
緑の草原にリフト施設が点在する奥志賀のスキー場は冬よりも小さく見える。岩菅山登山口近くにI原さんのロードバイクをデポ、下山後は自転車で車を回送の予定。
そこから15kmほど林道を走り「志賀高原漁協原種保存指定河川」の看板がある駐車スペースに車を駐めて7時半に歩き始めた。
天気は上々。山道を下ると、ほどなく東電の施設と吊り橋があるところで雑魚川の本流に出くわす。ここまで15分ほど。途中ネマガリタケのタケノコと思しきものを発見、後学と夕食のために3本ほど頂戴した。


【吊り橋で雑魚川を渡る】

吊り橋で川を渡り、雑魚川の右岸に続く東電監視路を歩く。やがて目的の外ノ沢と雑魚川の出合いから少し外ノ沢を遡ったところで巡視路は再び吊り橋で沢を渡るが、この手前を川へと下った。ここまで出発から50分ほど。外ノ沢は地形図では外川沢だが地元では外ノ沢と呼ぶらしい。

装備を整えて、8:40遡行開始。はじめは傾斜の緩い穏やかな沢を行く。水は冷たいが天気はよく気温は高いので、ほどなく水の冷たさも感じなくなった。


【外ノ沢は小さな滝にも深く美しい釜を持つものが多い】

小さな滝をいくつか越え、遡行開始から30分ほどで最後の人工物である取水口を通過。この先、累々と倒木が重なる場所をすぎ、だんだんと両側の傾斜が強くなった先で10m滝に。水量もあり水を被るには寒かったので、ここは右を巻く。続く7m滝は左を巻く。少し先の、小さな釜が連続するあたりで、足下から走る魚影に誘われて最初の釣りを。ここでの釣果は30分ほどでI原さんの25cmの1匹1のみ。先を急ぐ。


【10m滝、ここで川は右に曲がる】


【7m滝】

きれいなナメの3段滝20mをすぎると、その先も緩い傾斜のナメが続いた。


【20m 3段滝】


【3段滝の登り】


【続くナメ】

1時間ほど遡行し、今度は5mほどの滝の大きな釜で2度目の釣り。ここでN原も25cmほどのイワナを釣り上げるがネットに入れるときに取り逃がす。しかし、またすぐに30cmを超える獲物をゲット。I原さんも40cmに迫るイワナを釣り上げた。この場所はまだまだ連れそうな気配があったが、2人で食べるには十分な釣果なので、釣りはここまで。



釣り場の上もしばらくはナメが続く、目を見張るような光景だ。この沢の中盤は美しいナメが連続する。


【川幅一杯に水が薄い膜のように流れるナメ】

穴明沢との分岐をすぎ、その上の二俣をすぎたあたりから、キャンプ地を探しながら歩く。
1430m~1500mのあたりは地形図でもわかる通り、沢の両側は緩い傾斜の斜面が続いていて、沢から少し離れればテントを張る場所に事を欠かないが、時間もある事なので、最高のテン場を見つけるまで、ゆっくりと遡行を続けた。1460m付近に一等地を発見し14:15に1日目の行動終了。



タープを張り、火を起こし、早速夕食の準備。釣ったイワナのうち小さい2匹を串焼きにし、大きな1匹は刺身にした。いずれも美味。特に刺身はとてもさわやかな香りがし、絶品だった。朝採ったネマガリタケをゆでて食べたが、タケノコというよりアスパラのよう。これ本当にネマガリタケ?の疑問が残った。焚き火料理はベーコン、しめじとアスパラのホイル焼き。イワナの串焼きも焼き上がり、長い夏の日が暮れるまで夕食は続いた。
下戸のN原を相手に一人酒宴を繰り広げたI原さんの「もう寝る」を合図に夜8時半に就寝。




2日目(6月18日)
翌朝は4時半起床。予報通りの曇り空、寒くはない。再び焚き火を起こし、朝ご飯のお粥を食べ、撤収。身支度を整えて、6:15に遡行開始。
ほどなく流れは細くなり、涸れ沢が出てくる。1500mからは雪渓が現れ始めた。雪渓の中央はかなり薄くなっているので、雪渓の上を歩くのは避け、岸の薮伝いに進むが1750mの40m3段滝の付近では広く雪が沢を覆うようになった。




【40m滝 下段】

雪渓は40m滝の左側に延びているので、ここでは滝からはなれ、左の雪渓伝いに進み、その後階段状に岩が露出している斜面を登った。その上は枯れ草が張り付く泥の斜面で、ここの足もとが思いのほか悪く、滑る足を踏みしめて左のネマガリダケの薮に逃げた。滝は右に大きく離れてしまったので、ここでネマガリダケでセルフをとり、ロープを出して泥の草付き斜面をI原さんが滝のそばの灌木までトラバース、N原が続いた。今回の行程でロープを出したのはこの1回のみだった。


【ぬるぬるの草付きをトラバース】



【上の段を登る】

40m滝の上の2段は水を被りながら直登、狭まった滝の落ち口を抜けるとそれから上は完全に雪渓となっていた。ここで軽アイゼン、チェーンスパイクを沢足袋の上につけ、後はひたすら薮の始まる2100m付近まで雪渓歩き。





2100m付近でネマガリダケの猛烈な薮に突入。N原を先頭にもがき苦しむ事約40分、10:05に2180mの稜線に飛び出した。


【藪を抜け出た!思わず笑顔がこぼれる】

ここからは残雪の残る裏岩菅山~岩菅山の稜線の登山道を快適に歩く。裏岩菅山から北の登山道には入る人も少ないのか、足跡はなく、途中現れる雪原では登山道を見失いそうになった。

岩菅山山頂12:00。登山客が5、6人昼をたべている。思えば車を降りて歩き始めてからここまで、人っ子一人、釣り人にさえ会わなかった。小休止の後岩菅山を下山、13:45に登山口に下り着いた。

I原さんはここからさらに一仕事、SPECIALIZEDのロードバイクにマムートの登山ヘルメットで車の回収に出発。かっこいい。
1時間後戻ってきたI原さんと合流し帰路についた。
途中湯田中渋温郷に立寄り、ホテルの川を見下ろす熱ッい風呂に、疲れも吹っ飛んだ。


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