【A班】
山行日:2019年8月11(日)~13(火)
メンバー:O石、F見、Y田
【B班】
山行日:2019年8月11(日)~14(水)
メンバー:S原、N原、T嬢
お盆休みを利用して剱岳に行ってきました。
八ッ峰上半から剱岳本峰を全員で踏破した後、A班は内蔵助平経由で下山、B班は北方稜線を経由してこれも内蔵助平経由下山という行程でした。天気にも恵まれ、夏の剱を満喫してきました。
1日目:扇沢~室堂~別山乗越~剱沢~長次郎谷~熊の岩(幕営)
お盆休みの扇沢ということで、かなりの人出かと思いきや、無料駐車場にすんなり入れて幸先の良いスタート。
扇沢から黒部ダム間は、今年から導入された電気バスに初乗車。窓が大きく外が見やすくなった。
あとはいつも通りに室堂へ。気持ちのよい青空が広がり、太陽がじりじりと肌を焼く。
オーバーペースにならないように歩を進め、しかし、思っていたより早く熊の岩に到着。
2日目:熊の岩~5,6のコル~八ッ峰上半~池ノ谷乗越~剱岳本峰~長次郎谷左俣~熊の岩(幕営)
朝4:30に行動開始。
5,6のコルから6峰に取り付く。
我々の先には人はなく、誰もいない八ッ峰の快適なクライミングを楽しむ。
我々の後ろにも追いついて来るような人はなく、各ピークでの懸垂待ちの間、ゆったりとした気分で景色を楽しむ。
チンネの核心を登るパーティーをじっくり眺める。
3時間ちょっとで八ッ峰の頭に到着。携帯の電波をとらえて天気予報を確認すると、降雨の可能性無しとのことで、剱岳本峰を目指す。
2時間程度で本峰に到着。すこしガスっていたが、日差しが和らぎこのぐらいがちょうど良い。
休憩をとり、来た道を引き返して長次郎谷左俣から熊の岩に帰る。左俣の雪渓はしっかりつながっており、ここが使えると非常に便利。
3日目:【A班】熊の岩~長次郎谷~真砂沢ロッジ~ハシゴ谷乗越~内蔵助谷出合~黒部ダム~扇沢
朝4:30に行動開始。
黒部といえども標高が下がると暑い。
熱中症に注意しながら歩く。
黒部ダムへの最後の登り返しはサウナの中を歩いているようだった。
11:05発の電気バスに滑り込み、黒部を後にする。
温泉で汗を流し、帰路に就く。
<以上F見>
*****
以下B班記録(S原)
13日 晴れ
<熊の岩~三の窓~小窓~池の平~真砂沢>
3時起床。四時半、居心地の良かった熊の岩で本日下山のA班を見送り、S原・N原は北方稜線へ、足の調子が悪いT嬢は真砂沢へ向かう。今年の残雪は平年並みで、右俣は途中10M程雪が切れているものの、池ノ谷乗越直下まで雪の上をアイゼンで歩いて行けた。
ガラ場の池ノ谷ガリーを下り三の窓を除くとテントが3張あり、10名ほどがチンネに登る支度をしていた。
<発射台> <剣尾根を望む>
ここから「発射台」とも呼ばれる左上バンドのガラ場を登りきると、小窓尾根とのコル下から南西稜に取付いている二人パーティと行き会った。
コルからは早朝の澄んだ夏空の下、剣尾根が迫力満点で真正面に望まれた。コルで小休止後、小窓尾根を少し行くとすぐに小窓雪渓に向かって巻き道が下降しており、ペンキマークがある。
岩場交じりに200m程下降、踏み跡が一部錯綜している部分もあるが、トラバースすると小雪渓を二つ、念のためアイゼンを付けて横断。
その後は踏み跡もしっかりして小窓尾根と別れ小窓雪渓に向け急降下、静かな草原の小窓に達しほっとする。小窓には初めて足を踏み入れたが、右手には穏やかな小窓雪渓が広がり、正面に岩とブッシュの池の平山、左には薄暗い西仙人谷が厳しい表情を見せ、振り返ると、のしかかるように小窓ノ王がそびえ圧倒的な存在感を感じさせる、という印象的な場所だった。
特に小窓ノ王はこれまで小窓尾根や三の窓からしか見たことがなく、ただの小ピークのイメージしかなかったが、裏剣側から見るとそそり立ってまさに「王」の風格があった。
小窓雪渓上部は傾斜も緩く広々して、日本では数少ない「氷河」を感じることができた。
20分ほどか雪渓を下り、池の平小屋への旧鉱山道入口を探してうろうろしていると、ちょうど二人パーティと行き逢い入口が分かった。
場所的には右岸から斜めに落ちる滝の見える場所で、入口にはペンキマークもあった。
旧鉱山道はところどころガレているが、要所にロープも張られていたりマーキングもあるので、それほど悪くはないと感じた。
ただ、ここまで快調に来たものの日当たりが良く気温も高かった為、S原が軽い熱中症となり樹林中でしばらく休む羽目に。
その後は池の平小屋までペースを落として歩き、小屋の日陰で冷たいものを摂るなどして、なんとか持ち直し、真砂沢の幕場に到着、無事T嬢と合流できた。
また、入山以来毎日の様に行き逢っていた茅野労山の人たちとここでも行き逢い、情報交換をした。
14日 晴れのち曇り
<真砂沢ロッジ~ハシゴ谷乗越~内蔵助谷出合~黒部ダム~扇沢>
涼しいうちに下山したいと今日も3時起床・4時半出発。
ハシゴ段乗越までひたすら我慢の登り、歩きにくい下山路をこれも暑さに耐えながら内蔵助平経由黒部ダムまで下山、4日間の汗を大町温泉で流して帰路に就いた。
*****
当初、台風10号の進路が読めず、山に入るか判断に苦しんだが、結果的に連日快晴に恵まれ計画通りの剣山行ができました。
新しい人たちに八つ峰を楽しんでもらったこと・長年の宿題だった北方稜線(の一部)を歩けたこと・暑さの中4日間フルに動けたこと、などS原にとって有意義な夏山でした。
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