前穂高岳北尾根
日時:2019年4月27日(土)~29日(月)
メンバー:U山、F見、T嬢、O石(記)
GWの連休を使ってクラシックバリエーションルートとして名高い前穂高岳北尾根に行って参りました。日本を代表する岩稜として有名な本ルートを無事に楽しむことができましたので、そのレポートです。
昨年のGWも挑みましたが、悪天候による涸沢停滞の末の敗退でしたので今年はリベンジが叶い達成感ひとしおです。
例年に比べて積雪量も豊富で、残雪期らしい登攀に期待が持てましたが、芳しくない天気予報に加え、事前の雪崩警戒情報にギリギリまで入山ルートに悩みました。
結局、予定していた慶応尾根登りは避け、ポピュラーな涸沢廻り5.6コル登りに定め、行動予定も3日間に短縮して、吊尾根経由涸沢岳西尾根下降ルートから岳沢下降ルートに変更して挑みました。
27日、終日雪予報のため、ゆっくりと諏訪を発ち、沢渡経由で上高地を10:30にスタート。開山祭で賑わう河童橋を早々に通り過ぎて本日は横尾で幕営です。横尾のテント泊は初めてですが、水もトイレもあるテント泊はなんと快適なことでしょう!早めの宴では明日からの登攀に心も話も弾みます。
28日、快晴。5:30に横尾を発ち涸沢より5.6コル経由4峰超えて3.4コルを目指します。涸沢カールに取り付くころには雪が落ち着くであろう頃合いを見計らっての遅めスタートですが、10時間越えの長丁場に気が引き締まります。
涸沢に着くころには気温も上がり、県警隊長様にご挨拶をして5.6コルを目指します。
5.6コルを目指すカールの長い雪渓登りは、暑さと雪崩の恐れに
冷や冷やしながら、休みもろくにとれずに難儀しました。
予定通り11時に5.6コルに到着。
十分な水分補給と体を冷やして5峰より登攀を始めます。
F見-O石、U山-T嬢の2組で、まずはスタカットで慎重に取りつき、
暫くしてコンテに切り替えて5峰をやり過ごし
足場の悪いクライムダウンを経て4峰の足元に着きます。
1ピッチ目をトラバース気味に左側に巻きあがると、
支点に乏しいビレイ点でカムを積極的に使ってセカンドを待ちます。
雪稜を登り最後のスラブ岩を一越えすればやがて4峰のピーク。
慎重にクライムダウンを終えれば今日の幕営地である3.4のコルに到着です。
17:00着なので11時間30分の長丁場の一日でした。
暑さと長時間行動で少しバテ気味でスピードが上がらなかったことも時間がかかった要因でしょう。
テントを張っていると喉元を赤く着飾った雄ライチョウが賑やかくお出迎えしてくれました。
明日はいよいよ核心の3峰です。しっかり休んで備えます。
29日5:00スタート。
夜のうちに2センチ程の積雪がありましたが、快晴のスタートです。
まず1ピッチ目をO石リードでスタートします。
夏と違ってアイゼン、ピッケルでは完全フリーとはいかず、
一部アブミを交えてA1で切り抜けました。
F見、T嬢がダブルロープで同時登攀します。
ビレイ点ではO石が2ピッチ目をリードすると同時に
凹角入り口ではF見が腰に付けたもう一本のザイルでビレイをしてU山が上がります。
4人でスピーディーに1ピッチ目をやり過ごす計画です。
2ピッチ目の快適な凹角ルンゼを登ると、やがて後続のガイドパーティーに追いつかれる。
コンテの速さには逆らえず先行していただく。
O石-T嬢とU山-F見の2ペアに分かれて3峰を終え、
やがて現れる2峰のピークから10mほどの短い懸垂を終えれば
最後のひとのぼりで1峰です。
9:40前穂高岳山頂に到着。
凡そ4時間30分の登攀を無事に終えることができました。
山頂で記念撮影をして
奥明神沢を下降し岳沢に下降。
コブ沢の大規模なデブリに驚きつつ、雪崩に会うことなく下山できたことは幸いでした。
3峰を登攀中に後続のガイドさんから、前日の28日に北穂沢で雪崩に巻き込まれたことを聞き、さらに奥穂高岳あずき沢でも30人を巻き込む雪崩が発生したと聞いて、あらためて無事であったことに感謝しつつ3日間の登攀を終えました。
鯉のぼりのたなびく激混みの河童橋をやり過ごし諏訪への帰路につきました。
前穂高岳北尾根、日本を代表するクラシックアルパインルート。
二年越しですが、良き仲間とともに無事に完登することができました。
ありがとうごございました。
日時:2019年4月27日(土)~29日(月)
メンバー:U山、F見、T嬢、O石(記)
GWの連休を使ってクラシックバリエーションルートとして名高い前穂高岳北尾根に行って参りました。日本を代表する岩稜として有名な本ルートを無事に楽しむことができましたので、そのレポートです。
昨年のGWも挑みましたが、悪天候による涸沢停滞の末の敗退でしたので今年はリベンジが叶い達成感ひとしおです。
例年に比べて積雪量も豊富で、残雪期らしい登攀に期待が持てましたが、芳しくない天気予報に加え、事前の雪崩警戒情報にギリギリまで入山ルートに悩みました。
結局、予定していた慶応尾根登りは避け、ポピュラーな涸沢廻り5.6コル登りに定め、行動予定も3日間に短縮して、吊尾根経由涸沢岳西尾根下降ルートから岳沢下降ルートに変更して挑みました。
27日、終日雪予報のため、ゆっくりと諏訪を発ち、沢渡経由で上高地を10:30にスタート。開山祭で賑わう河童橋を早々に通り過ぎて本日は横尾で幕営です。横尾のテント泊は初めてですが、水もトイレもあるテント泊はなんと快適なことでしょう!早めの宴では明日からの登攀に心も話も弾みます。
28日、快晴。5:30に横尾を発ち涸沢より5.6コル経由4峰超えて3.4コルを目指します。涸沢カールに取り付くころには雪が落ち着くであろう頃合いを見計らっての遅めスタートですが、10時間越えの長丁場に気が引き締まります。
涸沢に着くころには気温も上がり、県警隊長様にご挨拶をして5.6コルを目指します。
5.6コルを目指すカールの長い雪渓登りは、暑さと雪崩の恐れに
冷や冷やしながら、休みもろくにとれずに難儀しました。
予定通り11時に5.6コルに到着。
十分な水分補給と体を冷やして5峰より登攀を始めます。
F見-O石、U山-T嬢の2組で、まずはスタカットで慎重に取りつき、
暫くしてコンテに切り替えて5峰をやり過ごし
足場の悪いクライムダウンを経て4峰の足元に着きます。
1ピッチ目をトラバース気味に左側に巻きあがると、
支点に乏しいビレイ点でカムを積極的に使ってセカンドを待ちます。
雪稜を登り最後のスラブ岩を一越えすればやがて4峰のピーク。
慎重にクライムダウンを終えれば今日の幕営地である3.4のコルに到着です。
17:00着なので11時間30分の長丁場の一日でした。
暑さと長時間行動で少しバテ気味でスピードが上がらなかったことも時間がかかった要因でしょう。
テントを張っていると喉元を赤く着飾った雄ライチョウが賑やかくお出迎えしてくれました。
明日はいよいよ核心の3峰です。しっかり休んで備えます。
29日5:00スタート。
夜のうちに2センチ程の積雪がありましたが、快晴のスタートです。
まず1ピッチ目をO石リードでスタートします。
夏と違ってアイゼン、ピッケルでは完全フリーとはいかず、
一部アブミを交えてA1で切り抜けました。
F見、T嬢がダブルロープで同時登攀します。
ビレイ点ではO石が2ピッチ目をリードすると同時に
凹角入り口ではF見が腰に付けたもう一本のザイルでビレイをしてU山が上がります。
4人でスピーディーに1ピッチ目をやり過ごす計画です。
2ピッチ目の快適な凹角ルンゼを登ると、やがて後続のガイドパーティーに追いつかれる。
コンテの速さには逆らえず先行していただく。
O石-T嬢とU山-F見の2ペアに分かれて3峰を終え、
やがて現れる2峰のピークから10mほどの短い懸垂を終えれば
最後のひとのぼりで1峰です。
9:40前穂高岳山頂に到着。
凡そ4時間30分の登攀を無事に終えることができました。
山頂で記念撮影をして
奥明神沢を下降し岳沢に下降。
コブ沢の大規模なデブリに驚きつつ、雪崩に会うことなく下山できたことは幸いでした。
3峰を登攀中に後続のガイドさんから、前日の28日に北穂沢で雪崩に巻き込まれたことを聞き、さらに奥穂高岳あずき沢でも30人を巻き込む雪崩が発生したと聞いて、あらためて無事であったことに感謝しつつ3日間の登攀を終えました。
鯉のぼりのたなびく激混みの河童橋をやり過ごし諏訪への帰路につきました。
前穂高岳北尾根、日本を代表するクラシックアルパインルート。
二年越しですが、良き仲間とともに無事に完登することができました。
ありがとうごございました。
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