私がバトミントンに夢中になっていた40代のとき、クラブのマレーシア人のコーチと友人になり、
その彼とスイス人妻との間に、息子が誕生した時、ヨーロッパのキリスト教的慣習による、ゴッドファーザーに任命されたいきさつから
私と相方は、彼の息子の(形骸的であるが)代父母(ゴットペアレンツ)となって、まぁ、クリスマスや誕生日などには一緒に祝ったりする間柄となった。
その彼が、2年前の2022年
『 1月から戸籍上の名前・性別変更手続きが簡略化されたスイスで、同月末までに身体と心の性が一致しない
トランスジェンダーやインターセックス100人以上が性別を変更したことが分かった。』・・・という地元Swiss Infoの記事にある如く
突如、我が息子は男性から女性になってしまったのだ・・・。
実の両親は当然戸惑ったであろうが、ゴットペアレンツである我々も、じつは大いに戸惑ったものであった。
両親によると、呼び名も女性風に変えて、その名前で呼んでくれろ・・・と要求されたそうなのだから・・・。
あの当時で22歳であった彼・・・多感で難しい年頃というか、性の問題で一番悩んでいたのは当の本人であったろう。
その頃、我々も相方の両親の介護などで忙しかったこともあり、我が息子、いや娘?とも会うこともなく時は流れていった。
それまで、私の辞書には『LGBTQ』という言葉は一切無かった。 ・・・のであるが
『 LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、
Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字を
とった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。
※Qを表す「クイア」は、もともと「不思議な」「風変わりな」「奇妙な」などを表す言葉で、同性愛者への侮蔑語でしたが、
現代では、規範的な性のあり方以外を包括する言葉としても使われています。
「クエスチョニング」は、自らの性のあり方について、特定の枠に属さない人、わからない人等を表す言葉です。』(Tokyo Rainbow Pride)より
・・・ということだそうであるが、
彼(?)によると、フランス語で『男でも女でもない』或いは『男でも女でもある』という意味で、ここでは『Q』に相当する人々のことを
三人称単数(複数)で、『il(男)+elle(女)=ielle(イ・エル)』と主語を称する風潮があるというのであるが
はたして、久しぶりに会った我が息子は、どこか観音様の『中性』性を彷彿とする風貌と服装で、
あらためて観音様が『中性的』である理由について、私なりに思いを馳せるキッカケとなった。
仏教において『菩薩』を名乗る者は、いかなる名称の菩薩であろうと、基本『慈悲行に徹する者』ということで、
『性別』の違いは全く意味をなさず、むしろ『慈悲心』を表す意味では、若干『女性』性が強調されるためか非常に『中性』的である。
・・・という事なのであろうか???
一緒に散歩していると、我が『意得(イ・エル)』菩薩はヒョイと、先日雨のために氾濫した河の壁に飛び上がり、散歩されたのだ・・・
我々夫婦は、突然のことで驚いたが・・・。
ただこの菩薩様、いまだ自分が菩薩であることを自覚されていないようではある。
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