拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

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2023年01月22日 | 娑婆惰罵駄(シャバ・ダバダ)

  今日書こうとしている内容は、とても残念というか・・・、今さらどうにも出来ない事ながら、かと言って見逃す事の出来ない重い内容だ。

              

 

  というのも、今朝まだ寝床にいる時間に、相方が昨日たまたま目にした地元スイステレビのドキュメント番組にショックを受けたので

  一緒に観てくれ…との事で観たのであるが、その内容に私もかなり驚いた。

  番組名は『Temps Présent』で1月19日にオンエアされたもので、世界的に有名は探検家『マイク・ホーン』氏についてのドキュメントであった。

  彼の冒険の偉業をいくつか書き上げようと思ったが、あまりにも多く多岐に渡るので割愛することにした。

 

  彼は24歳の時、故国の南アフリカから身一つでスイスのフランス語圏の田舎に来て酪農の仕事などしながら徐々に探検を始め

  56歳の現在ではスイスで彼を知らぬ人がいないくらい有名人となり、彼を誇りに思っているスイス人も大勢いる・・・という人物だ。

  本屋に彼の顔が表紙になっている本が、長期間展示していたこともあって、私でも知っている人物で、日本で言えば植村直己氏だろう。

 

  このドキュメントでは、彼が19〜20歳の時の南アフリカでの兵隊としての活動を問題視している。

  1985年、19歳の彼は志願兵として、自国と隣国のアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対運動している、反政府グループの黒人達を

  征伐するために、かなりの黒人を殺している・・・というのだ。このことについて直接本人にインタビューしている場面が何度かあり

  彼のあまりに繊細さにかける話しぶりに、唖然とするし、『戦っている最中に地雷で指を一本失った』と彼の自伝に書いてあることも

  今回現地南アフリカに行って、当時の兵隊仲間にインタビューすることで、事実ではないことが明らかになったり、自分をヒロイックに

  見せるために書かれていることが、事実ではないことがいくつか取材であきらかになった。

 

  彼が24歳の時、裸一貫でスイスの田舎にきて、フランス語もろくに話せず、朴訥で真面目な人柄・・・ということしか知らず

  彼の過去を一切しらない地元の人々の信頼を築いていったのだろう。

  

                                                                              USA For Africa - We Are The World (HQ official Video) 

  1985年、アメリカのアーティストによって南アフリカの『アパルトヘイト』反対の意思を表す為に歌われたこの歌は素晴らしく

  私も大好きであったが、正直『アパルトヘイト』が何なのか、当時の私はよく知らなかった。

  この同じ1985年、19歳だったマーク・ホーンはアフリカで、狩りをするように黒人たちを殺戮していた…ということになる。

  彼は冒険家としての心得を聞かれると、『軍隊にいた時に培われた・・・』と随所で話しているが、それはどういう事であったのだろうか。

  

  この番組の終盤、この番組収録を見た本人からのメッセージとして、当時の自分の行為を後悔している旨の内容が流されていた。

  私は彼を糾弾するつもりはない。しかし、今現在も世界中あらゆるところで『人種差別』が行われている状況のなか

  世界に名声を博す人物が、最近の取材の中で臆面もなく自己を正当化している姿に、違和感を覚えるのだ。

 

  2日後:この話ってなんだかデジャヴュ(既視感)があると思ったが、何となく映画『砂の器』に似た感じがする・・・

      もちろん彼は犯罪者ではないが、有名人になったばかりに過去を取り沙汰される運命・・・というところがなんか…。

  



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