【ロンドン=板東和正】リトアニア国防省は24日までに、国内で流通する中国スマートフォン大手、小米科技(シャオミ)の製品に、中国政府が警戒する用語を検出し、コンテンツの利用を制限する機能が内蔵されていると警告した。同省は、中国製スマホの不買と購入済み製品の廃棄を公共機関や消費者に呼びかけた。

国防省が発表した報告書によると、シャオミのスマホには「自由チベット」や「台湾独立万歳」など、中国政府が警戒する用語を検出する機能が内蔵されていた。400以上の用語が監視対象とみられ、使用者がダウンロードするコンテンツにそれらの用語が含まれる場合、自動的にダウンロードなどが妨害される仕組みになっていた。

国防省は「(消費者の)言論の自由を侵害する可能性がある」としている。暗号化されたスマホの使用データが、別の国にあるサーバーに送信されたことも確認した。

国防省高官は「新しい中国製のスマホを買わないこと、すでに購入した場合は可能な限り早く処分することを推奨する」とロイター通信などに語った。欧州メディアによると、リトアニアでは約200の公共機関が中国製端末を使用している。中国との関係見直しを進めるリトアニアは7月、台湾代表処(大使館に相当)の開設を発表し、中国の反発を招いている。
9月24日産経新聞(全文を掲載)