福富ストラット

「記者ときどき農夫」。広島の山里で子ども向け体験農園づくりにいそしむ、アラフォー新聞記者のブログ。

大人の背中

2020-02-13 22:45:39 | 日記
 福富町の中学校であった「キャリア講演会」にお邪魔した。学校や地域を知るチャンスと思い、直前に「飛び入り聴講」をお願いし、入れてもらった。
 講演会は、生徒の職業観を養うため、1年生を対象に年1回開かれているもの。地元の職業人が講師となり、これまでの道のりや仕事への思い、生徒へのエールを語る。
 講師を務めたのは、カメラマン、ドッグランカフェのオーナー、農業兼自動車整備士兼YouTuberの男性3人(地元の人には「あの3人ね!」とわかるが)。隊員は直前の仕事現場から渋滞にハマり(もちろん町外で)、大幅に遅刻したため、講演の大半は聞き逃した。だが、すでに隊員が知っている範囲での3人の人となりも合わせると、三者三様の「職業道」を歩む大人がそろい、生徒もさぞ刺激的だったのではと思う。
 
 「いいな」と思ったのは、スピーチ後に演者1人ずつを囲んでの取材タイムが設けられていたこと。「いい写真って、どんな写真ですか?」「東京で働いて学んだことは何ですか?」」「月にいくら稼いでいますか?」-。興味津々の生徒たちが、次々に鋭い質問を飛ばした。遠目に見ると、舞台のそでで芸能リポーターに囲まれるお騒がせタレント。でも、3人はよどみなく、時に考えを整理しながら的確に答えていて、感心した。こういう機会は大人側にとっても、自らの現在地を確かめるチャンスになる。

 会場となったのは学校の図書室。ペレットストーブ(かな?)のオレンジ色の炎が揺れ、気ぃ抜いて過ごせそうな、すてきな空間だった。本が多すぎないのもいい。それでいて「飼い喰い」(内澤旬子)など「おぉっ」とコーフンする蔵書も多かった。

 隊員は、中学校を後にしてからふと、ある言葉を思い出した。2年余り前に取材した岡山市内の男性のセリフ。「かっこいい大人との出会いは、子どもの人生を変えるんですよ」
 その男性は勤め仕事の傍らNPO法人を立ち上げ、小中学校などで「地域の若者と大人」が職業や夢について語り合う催しを続けている。自分は何が向いているのか、何になりたいのか。子どもたちは、社会の先輩と話すことで、自分を知り、世界を広げていく。すてきな活動だなと思い、熱を入れて原稿を書いたのだった。
 「子どもに語るんだから、自分も魅力的な大人でい続けなきゃいけないなって」。彼はそんなことも言ってたか。ん…ドキッ!
 ※NPO法人だっぴ http://dappi-okayama.com/