祭りの秋。酒どころ東広島市西条で、酒まつりが開幕した。台風の影響も大きくなかったようで、有名アーティストのステージなどが予定通り行われた。2日間で約20万人を集める巨大イベントの華やかな幕開けの一方、隊員が住む福富町のわが地区では、小さなお祭りの準備がひっそりと進んでいた。
わが家のそばの小さな丘にある神社の秋祭り。丘の一部は、毛利家家臣の居城跡なのだという。数日前、家のそばに電柱並みの立派なのぼり旗が2本立った。
強風で支柱がキーキーとしなる音を聞きながら眠った翌日。畑仕事中のお隣さんと話していると、あれ? 旗がなくなっていることに気付いた。「風で旗が破れちゃったみたいよ!」。お隣さんが張りのある声で言う。見れば地面に竹竿が2本、倒してある。救急車の到着を待つ負傷者2人のよう。
祭り前日の土曜夜は、役員さんだけを集めて神事が行われるらしい。すっかり日の沈んだ午後7時。漏れ聞こえてきた厳かな太鼓の音につられ、薄汚れたフリースを着込んでふらふらと神社へ向かった。
風はビュンビュンと吹き荒れている。素早く流れる雲の間から、満月が顔を覗かせて夜道を照らす。周りは田んぼと畑。こんもりとした林の中の参道が、黄色い電球の光に浮かび上がる。千と千尋か、もののけ姫か。トトロの森か。とにかく、神様か不思議な生き物か、いそうだな。
神社への階段を登ると、きちっとした格好をした役員さんたちが正座し、宮司の下で静かに神事を進めていた。浮浪者みたいな格好の隊員。鳥居のそばから遠慮がちに神事をながめ、家路に就いた。
祭り本番はきょう日曜日。神楽奉納や子どもみこしがあるそうだ。
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