シュメール王名表にたった一人、女性の名が記されている。
それが、女王クババ。
紀元前2500年頃、キシュ第三王朝初期の女王。
クババには、葡萄酒の女主人「酌婦」という意味がある。
お酒のお酌をする女性。
その立場から王妃へと成りあがったとされている。
キシュの基盤を築いた女王であり、かなり頭の切れる女王だった。
都市伝説でクババが有名な理由。
それは、日本のシンボル菊花紋を身に着けているから。(帽子のところ)
エジプトやシュメールの遺跡では、菊花紋はたくさん発見されている。
この地域では、このシンボルは太陽のシンボルだと言われている。
正統竹内文書の口伝によると、アマテラス・スサノオ・ツクヨミを含む16の氏族が世界に拡散したとされる。
その16方位の拡散を表したのが十六葉菊花紋。
もし、この口伝が事実だとすれば、このクババの紋章は、日本からの拡散の流れを汲んだ女神ということになる。
クババは、キシュ第三王朝の時代。
この時代は女神信仰。
主要都市は、エラムのスサ。
クババはスサの王(スサノオ)。
そして、菊花紋を身に着けている。
しかも、エラムは東の地を意味し、東の地からやってきた集団がエラムを征服したとも考えられる。
クババは、左手にザクロ、右手には鏡を持っているとされている。
ザクロは種が多く、血の色に似ている。
このことから、ザクロは、子孫繁栄や豊穣のシンボルとされていた。
つまり、クババは豊穣の女神でもある。
女神イナンナも豊穣の神であり、類似性を持つ。
右手の鏡は、運命を表すと言われているが、日本神話における八咫鏡や神社の鏡とも共通性を持つ。
しかし、右手に持っているのはホントに鏡なのか?
クババは豊穣の女神なので食べ物を持っている可能性は高い。
右手に持っているものは鏡というよりもイチジクの実のようにも見える。
古代エジプトにおいては、イチジクは神々の樹とされている。
古代ギリシアやローマでも、イチジクを聖なる木として崇めている。
アフリカ北部では、イチジクの実は豊穣の象徴でもあり、現世と祖先の国をつなぐものと信じられている。
このように、イチジクは古代の人々にとって神聖視されていた。
しかし、その逆に、不浄な木、卑猥な木として扱われることもあった。
イチジクの葉は女性のシンボルと考えられている。
インドやイラン系の大地母神や、キリスト教のライバルだったミトラ教も母性的なイチジクの木を崇拝していた。
キリスト教の福音書には、イエスがイチジクの木を呪って永遠に実がならないようにしたというエピソードがのっている。
イチジクは女神のシンボルであったが、その影響力が強すぎたので、後世では不浄の木として、おとしめられてしまったのかもしれない。
女神信仰の弾圧の形跡がうかがえる。
そして、イチジクには知恵という意味もある。
旧約聖書では、アダムとエヴァが、善悪の知識の実を食べたことから人類は知恵を持ち、楽園を追放された、と書かれている。
蛇にそそのかされたエヴァが善悪の実を食べて、その後にアダムにも勧めた。
知識の実はりんごのイメージで語られることが多いが、聖書には知識の実がリンゴであるとは書かれていない。
りんごは中央アジアといった涼しい地域で収穫され、聖書の舞台ではそれほど一般的ではなかった。
それに比べ、イチジクはパレスチナ原産で身近な食べ物。
善悪の実は、リンゴではなくイチジクの形をしていた可能性が高い。
実際、アダムとエヴァが知識の実を食べたあと、二人とも裸であることに羞恥心を覚え、葉っぱで大事な所を隠すシーンがあるが、その葉っぱがイチジクの葉であったと記されている。
(りんごの葉っぱだとはみでちゃう?)
なぜ、聖書では、善悪の実の木の名前を出していないのか?
エヴァは、アダムの肋骨から生まれたことになっている。
女性であるエヴァが最初に蛇にそそのかされている。
聖書には、女性のほうを低く見るエピソードがよく見られるが、女性の意味を持つイチジクの名前は前面に出したくなかったのかもしれない。
女性であるエヴァが女神のシンボルであるイチジクを食べて、その後にアダムに知恵を授けた、という見方もできる。
つまり、エヴァが人類に知恵を授けた。
都市伝説では、女王クババが人類に知恵を授けたと言われる。
エヴァとクババには何かしらのつながりがあるように思える。
そんなクババの存在力はとても強く、後世にもその影響力は色濃く残されるのであった…
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