後ろ戸はたくさん存在しているが、要石は日本の東西二か所にだけ。
その二か所の要石でミミズを抑えていた。
しかし、鈴芽は西の要石を抜いてしまった。
呆然としている鈴芽の前に、突然、小さな白い猫、ダイジンが現れる。
鈴芽が煮干しを与えるとバクバクと食べる。
「うちの猫になる?」と鈴芽が問いかけたとたん、ガリガリだった子猫はムクムク元気をつけてふっくらとなり、「すずめ、やさしい、好き」としゃべりだす。
草太を見て「お前、邪魔」と草太に呪いをかける。
呪いをかけられた草太は、その時座っていた小さな椅子に姿を変えられてしまう。
それは、鈴芽が小さいころから大切にしている、お母さんに作ってもらった椅子であった。
実は、このダイジンは、鈴芽が引き抜いた要石なのであった。
草太は、元の姿に戻ろうとダイジンを追いかけようとするが動けない。
日本も要石が一つ抜けてピンチの状態である。
ここから、鈴芽と椅子に変えられた草太のダイジンを探す旅が始まる。
ダイジンは行く先々で動画に撮られネットでバズる。
その情報をもとに、宮崎県から始まり、愛媛、兵庫、東京と旅をしていく。
その道中、様々な人との出会いがありつつ、なぜかその先々にある土地の後ろ戸からミミズが大量に発生する。
「え?ダイジンがミミズを解き放ってんのかな?」
その都度、鈴芽は戸を閉めていく。
鈴芽のお母さんは、3月11日の東日本大震災で亡くなっており、その後は、叔母の環(たまき)が、鈴芽の面倒を見ていた。
環は、鈴芽が帰ってこないことを心配して早く帰ってくるように電話で伝えるのだが、本人はどんどん東へ行ってしまう。
結局、環は仕事を休んで東京まで追いかけて来る。
東京では、後ろ戸から物凄い大きなミミズがはい出してきていた。
震度5のアラームがスマホから鳴りだす。
タイミング悪く、東の要石も抜けてしまう。
完全体となったミミズが後ろ戸から現れる。
これが地上に落ちたら大地震によっておそらく100万人くらい死んでしまうだろう。
逃げているダイジンをつかまえミミズを封印しなければならない。
このとき、草太は、椅子にされたと同時にダイジンから要石の役割を与えられていたことを知る。
ミミズを封印するためには、草太が要石とならなければならなかった。
鈴芽は決断を迫られる。
このままミミズが暴れて100万人の命を失うか、草太を要石としてミミズを封印するか。
鈴芽は意を決し、要石になった椅子草太をミミズの中心に突き刺し、封印することに成功する。
そして、鈴芽は草太を救う決意をするのであった…
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