詩・機械設計・森林蘇生・猫/POETRY/Machine design

杉山を自然林に戻したい。
黒っぽい杉山を見るたびに子供の頃見た青い自然林を想う。山のことのみならず生活ブログです。

2024年05月22日 20時10分48秒 | 帰省
    「遠い日々」


(村に居た頃こんな話を聞いたことがあった)
******************
あの頃女の子が居た。

おさげ髪の子。
かすりの着物ともんぺ着て。
雨の中。
傘がなくてずぶ濡れになってた。
思い出の中の姿。
兄が一人あったという。
遠い記憶の中の姿。

山の向こうで生まれ育って。
女の子は。
空という言葉で上を言った。
村の言葉らしかった。
「もう少し空へおけばいいの?」
「ポケットの空のボタンがとれて」
「家の裏の山の空に畑があって・・・」
僕は笑った。
女の子は恥ずかしそうな顔をした。
空は上に有るから空は上だった。
太陽も雲も風も月も星も空に有って上に有るから。


空でも上でもかまわなくなって。
僕は次第に女の子の言葉がおかしくなくなった。
すっかりなれた頃戦争が始まって。   
女の子の兄は出征した。
戦地で死んだ。
「兄さんは空に行きました」
空は上で天国か。
それとも極楽か。
兄は優しい人だったそうな。
妹の身の上を想いながら戦ったであろう。
故郷を想いながら戦ったであろう。
女の子はよく空の上を見つめるようになった。
僕は同情した。
いつの間にか何処かに行って。
いなくなった。
空は風が吹いている
鳥たちが渡ってゆく
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悲しみは癒されることなく繰り返し頭に浮かぶ。

                     
          (父の思い出話より)
           平成二十七年八月十四日

帰ってきた~!

2015年04月18日 10時32分18秒 | 帰省
帰ってきた~ !!

朝、八時半、サクラが帰ってきた~!

3月26日の朝家出して24日目だ。
少し痩せてる。
カリカリをどっさりたべて、水もどっさり飲んだ。
飢えていたみたい。
なんにしろヨカッタヨカッタ。
今日は一日中眠ることだろう.

あの日以来、家の玄関を10cmほど開けっ放しだった。


明日は出発

2015年01月08日 03時16分16秒 | 帰省

旅行ということじゃないけど、明日田舎へ帰る。
仕事はこんぴゅーたを使って出来るから、田舎でもやれるので、
不都合は生じない。

妹が昔の同僚と新年会をしたいから、僕に帰って来て貰って、お袋の食事の世話を交代してほしいのだ。
新年会は高知市でやるので、一泊二日の時間が必要だから、
僕が居ないと、新年会に行かれないという訳。
お袋は90歳で、軽い認知症気味。
記憶力が極めて弱くなっている。
食事の世話が必要だ。

家畜を飼っていると同じようなもので、家を空けられない。
誰かが家に居て、食事を作らなきゃ。

だから、京都に来ている間は妹に押しつけることになってしまう。
去年も一昨年も一年の半分以上田舎に帰って、妹と交代した。
交代しないと妹が自分の事を何にもできない状態に
なってしまうから。家事に縛られて。

家も古くなっているので、そのメンテは僕がする。
田舎に居る時はお袋の食事の世話と、家の造作の世話で
自分のしたいことはまったくできない。
今回は一時帰省だ。
電話でのお袋の声は元気だ。

サクラはこの半年で、やっと僕になついた、
子供の頃は、夏、僕の短パンの胡坐の膝に乗って、
僕の内股の肌に吸いついて、母の乳を吸うようにチュウチュウと吸っていたのに、半年田舎に居て、
昨年7月に京都に帰ったら、すっかり僕を忘れてしまって、寄りつこうとしなかった。
半年一緒に暮らしてようやく馴れてきた。

3月は免許の書き替えもあるし、また京都に帰ってくる。
その時、サクラはどんなふうだろう。

タローが死んでもうすぐ3年。