詩・機械設計・森林蘇生・猫/POETRY/Machine design

杉山を自然林に戻したい。
黒っぽい杉山を見るたびに子供の頃見た青い自然林を想う。山のことのみならず生活ブログです。

「手紙」という詩

2012年07月15日 16時43分15秒 | 
SNS趣味人倶楽部で紹介された詩が話題となっていた。
ポルトガル人が書いた詩だそうだけど、作者不詳だそうだ。
いいテーマだけど翻訳の詩形がまずくて、許せない。
そこで、
自分で翻案した。何ヶ所かは自分が追加した部分もある。
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I got a poem which was written by an unknown, anonymous Portuguese.
The poem is titled as“letter –to my dear children”.
A certain Japanese translated it into Japanese, and a singer composed a melody to it and sang and published on youtube.
I felt unsatisfied about his interpretation of the poet. That’s not a good translation as a poem in Japanese.
So , I arranged the poem as follows.
I tried to find the original of the poem, but I couldn’t.
Does anyone know the English version of the poem?
Please, let me know!

Here is my arrangement.
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  手紙      (二〇一二・七・七) 七夕
           (ポルトガルの詩 : 作者不詳)


お元気でしょうか
季節はもうすぐ秋のおわりです
夏の日は遠くなりました
西山に消えてゆく夕日が
朝日や昼の日の
勢いに満ちた輝きとは違っているように
人の命にも黄昏がありますね

この頃もの忘れが多くなりました
やがて 遠くない日
私が ある日あなたの目に 
今までの私と違って見えるようになるときが有ることでしょう 
その頃 その時は
どうかそのままの私の姿を見てください
あなたのおじいさんのことを思い出すのです
夕食の食卓であなたとの会話の中 何度も同じ話を繰り返すとき
とつとつとした話をどうかさえぎらずにうなずいて居てください
今日は何月何日だったか何度も聞いたり
自分が何歳なのか思い出せなくとも

あなたにせがまれて繰り返し読んだおとぎ話の
おしまいは前の日と同じなのに
読みながらあたたかく私の心を和ませてくれた
あの
懐かしい日が思い出されます
悲しいことではありません
崩れてゆくように見えるでしょう私の姿に
やわらかなまなざしだけを投げかけてください

楽しいひと時に 
私がつい下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには
逃げ回るあなたを追いかけて何度も着替えさせたり 
いろいろな理由をつけていやがるあなたとお風呂に入った 
春や秋の夕べがあったように
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたにボタンの掛け方を教えたように
ちいさな靴の履き方を教えたように
ほんの少し助けてください

悲しむことはありません 
近づく別れの日のためにこころの準備をしています
その私に 抱擁の祈りをください
耳も目も不確かとなり
そのうち 歯も弱り食べ物のおいしさもわからなくなり
蚊に刺されても気づくことなく
足が弱って立ち上る事が難しくなったころ
あなたが細い足で立ち上がろうと
私に助けを求めたように
よろめく私は 
あなたの手にとりすがろうとするでしょう 

そのような私の姿を悲しまないでください 
あなたを抱きしめる力が無くなってしまうこと
想像するのはつらいことです でも
私を見つめて支えてくれる気持ちを 少しの間見せていてください
それだけできっと 私は勇気を思い出すことでしょう
あなたの人生が始まった頃 あなたのそばにいつも居たように
私の人生の終わり近くに
そばに居る時間を少しだけください

そばに居てくれるひと時に
あなたが生まれてから後
私に恵まれた数え切れない喜びと
あなたに対する変わらない愛を 
私は確かめることができるでしょう
はじめて会った人にするように
あなたにほほえみかけることでしょう
私はいつも いつも
あなたの生活の幸せを祈っています

私の子供へ
愛するあなたへ



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この詩のテーマは


不安
子への愛
生への愛と執着
老いにもとづく人間劣化の悲しみ
命の儚さ
命の持つ絶対孤独
あきらめ
受容


もっと繰り言めいた表現のほうがいい
もうひとつ段落を創作追加したいけど、それは別の詩として書かれるべきと思う。
いいテーマだ。