これも5年前の詩
梅 雨
雨が降るからとて
歩きながら雨の歌を
唄わねばならんというものではなかろう
と おふくろが言う
それはそうじゃが
と 儂が言う
歌を好きじゃというからは
歩きながら雨の歌を唄えば
気が晴れるじゃろう
と 儂が言う
雨の歌を唄うたとて
ずぶ濡れの雨の中で
気が晴れるわけは無かろうが
と おふくろが言う
突然久しぶりの帰省で
昨夜はいろいろ叱られて
朝からジャジャ降りだというのに
にわかの墓参りの道すがら
次々と追い抜いて行く自動車の音を気にしながら
危なげの無い足元の濡れを
見ながら
儂は歩く
燕が飛ぶ
親父は無口な八十歳
雨足は大粒になるばかり
うつむいているのではないが
視線を落とし気味に
雨の中を三人で歩く
2001年6月
梅 雨
雨が降るからとて
歩きながら雨の歌を
唄わねばならんというものではなかろう
と おふくろが言う
それはそうじゃが
と 儂が言う
歌を好きじゃというからは
歩きながら雨の歌を唄えば
気が晴れるじゃろう
と 儂が言う
雨の歌を唄うたとて
ずぶ濡れの雨の中で
気が晴れるわけは無かろうが
と おふくろが言う
突然久しぶりの帰省で
昨夜はいろいろ叱られて
朝からジャジャ降りだというのに
にわかの墓参りの道すがら
次々と追い抜いて行く自動車の音を気にしながら
危なげの無い足元の濡れを
見ながら
儂は歩く
燕が飛ぶ
親父は無口な八十歳
雨足は大粒になるばかり
うつむいているのではないが
視線を落とし気味に
雨の中を三人で歩く
2001年6月