錦帯橋のつづき―――。
山口県岩国市にやって来て、錦帯橋を渡り、
城下町をぶらりと散策し、いよいよ岩国城を目指す。
山の頂上にある岩国城へ行くには、麓から散策路があるが、片道3分程度のロープウェーがある。
ロープウェーに乗るために、その乗り場の山麓駅を目指す。
吉香公園にあった看板。
確かに公園内にも城下町内にも至る所に野良ネコが居たな。
で、人に馴れてやがるので、やはり餌付けされているのだろう。
吉香神社。
参拝することなくスルーした。
吉香神社の脇に植えられていた、巨大なエンジュの樹。
県指定の天然記念物。
樹齢どのくらいだろうか、ここまで巨大なものはとても珍しいのだとか。
吉川家墓所にあった巨大なヒノキ?
吉香公園にあった巨大なメタセコイアの樹。
そうです。
巨木や老木が大好きです。
いつか屋久杉を見に行きたいです。
広大な吉香(きっこう)公園に入る。
ここは藩主吉川家の居館跡地に設けられた公園で、かなりの敷地面積がある。
公園を囲むように色々な施設があり、みやげ店や飲食店が軒を連ね、
観光客が散策したり、地元の方もジョギングや犬の散歩など、かなり賑わっていた。
途中、吉香神社を通り、白へび観覧所へやってきた。
そうだ、城に行く前に、白ヘビ様を拝んでおかねば。
観覧料100円!
神秘的な白ヘビ。
アオダイショウのそれと同じで、温厚で無毒でヒトに危害を加えることはない。
大きなガラス張り(アクリルか?)の飼育ゲージのなかに、
真っ白なヘビが数匹、ウネウネとうごめいていた。
木の枝に巻き付いて休んでいるもの、地べたを這っているもの。
いや~ヘビはやっぱり気持ち悪い。
だが白いからか、どこか神々しさが感じられる。
長い白ヘビの抜け殻。
途中でちぎれることなく、見事な一本物。
採取したひとはさぞ気持ちよかっただろう。
途中でちぎれずにリンゴの皮が剥けたときみたいな感じで。
この白ヘビ、アオダイショウのアルビノ種(先天的なメラニン色素欠乏による白色化個体)。
先日、鳥取県だったか、真っ白なタヌキが捕獲されて話題になったが、
自然界には、ごくまれにアルビノの生き物が存在する。
熱帯魚を飼育していると、アルビノ種は馴染み深いものでもある。
世界でもこの岩国にだけ、このアルビノのアオダイショウが自然繁殖して生息している。
熱帯魚のように、人工的でないとアルビノの繁殖は難しく、
とても珍しいことだというのが解る。
古くから白ヘビは縁起の良いものとされ、また神の使いのように崇められ、
この観覧所とは別の場所になるが、白蛇神社なるものも建立されている。
昔のひとは、米倉で米を食べるネズミを食べたヘビが、白色化したのだといい、
幸運を呼ぶ守り神として、大切に保護したという。
購入した白ヘビのキーホルダー。
ヘビの形が、“うん(運)”という文字をかたどっている。
観覧所では数匹飼育されていたが、その全てにきちんと名前が付けられているらしく、
飼育容器に隔離されていた一番若い、小さな個体には“さき”ちゃんと命名されていた。
これ飼育員のひと、大きさ以外で見分け付くのかしら?
そんな白ヘビさま、たいして広くない観覧所へ、
次から次に見物客が押し寄せて来るものだから、ゆっくりじっくり眺めることができなかった。
岩国のご当地ヒーロー、その名も“清流光神ハクジャオー”。
その名前とマスクのデザインから察するに、白ヘビがモチーフなのだろう。
「岩国の夢と希望は俺が守る!」
担当所轄の狭いヒーローだ。
そのぶんぬかりなくやってくれるはず!
ロープウェー。
乗ったの何年ぶりだろうか?
たぶん18のときに石鎚山で乗ったとき以来だから・・・。
白へび観覧所を出て、いよいよロープウェー乗り場へ。
ふだんは20分おきの発着らしいのだが、シーズン時の日曜、
時間は関係なく、ピストン運行されていた。
ロープウェーに乗って、アナウンスで観光案内を聞きながら、
ゴンドラに揺られること数分(3分らしい)、山頂駅に到着。
ここから徒歩数分で岩国城だ。
ロープウェー乗り場から岩国城へと通ずる散策路の脇にあった看板。
“ながめ千両 岩国城”。
いい文句だな。
うっそうとした雑木林のなかを舗装された散策路が設けられている。
勾配も少ないので、そう疲れることもない。
雑木林のなかには、かつて石垣が整備されていたであろう痕跡も見られる。
散策路を進んでいくと、巨大でものものしい古井戸が忽然と姿を現す。
大釣井(おおつるい)と呼ばれるその井戸は、非常時の武器弾薬の保管庫として、
また落城の際の脱出路として作られたものだと言われている。
大釣井。
直径2mくらいあったろうか。
脇にはかなりの老木の藤の木が植えられていた。
かつて石垣が整備されていたであろう痕跡も見られた。
“まむしに注意”の看板。
もうこの季節だと活動しちゃいないだろうが、物騒だな。
雑木林の散策路を抜けると、一気に陽が射し、開けた場所に。
きちんと整備された庭園と階段が現れ、その先に天守閣が!
これが岩国藩のシンボル、白亜の天守閣を持つ、岩国城だ!
現在の岩国城は1962年に復元されたもの。
決して大きくはないが、白亜で清廉なたたずまい。
1608年、藩主・吉川広家が築城。
藩の要害として建設したものの、1615年、幕府の出した“一国一城令”により、
藩として認められていなかった岩国は、これを泣く泣く処分するハメになる。
完成からわずか7年で廃城されるという悲運の城でもある。
近寄ると荘厳さが増す。
瓦には、吉川家の家紋があしらわれていた。
城内部は、資料館となっており、
岩国藩が所有していた、刀剣や鎧兜、銃砲の他、
数多くの美術品や書物・資料などが展示されていた。
途中のフロアでは、日本各地の城の写真が展示されていた。
北海道の松前城から沖縄県の首里城まで、それをひとつひとつ眺めていく。
途中、大阪城の前で、中学生くらいとおぼしき女の子が大きな声で、
「やっぱ大阪城やな~!」と、腕組みし満足そうに写真を見上げていた。
うん、間違いなく大阪の子だろうな。
ぐるりと一周して色んな城を見ていたが、その間二回くらい、
「やっぱ大阪城やな~!」
「やっぱ大阪城やな~!!」
もうええがな。
岩国城内部の展示物の一部。
撮影自由だったので、色々撮った。
刀が数多くあったのだが・・・。
展示物のなかに・・・。
ジガバチが!
何階建てだったろうか、いよいよ最上階の天守へと登る。
ここから城下町岩国をのぞむ。
大きく蛇行した錦川と、それをまたぐ錦帯橋が見える。
こうやって上から見ると、やはり独特の形状をしている橋だ。
天守閣から見た錦帯橋と城下町。
岩国城を出て、城跡を散策。
今入った城は、1962年に復元されたもの。
本当の岩国城の天守台が、そこから十数メートル離れた場所にあった。
天守台の石を見て、その風雪にさらされた年季の入り具合に感心する。
この旧天守台は1995年に発掘されたのだとか。
柵が設けられ、立ち入りは禁止されていた。
古めかしさ年季の入り具合、復元天守閣の天守台の石とはやはり比較にならない。
こっちが正面だろうか?
逆光でうまく撮れず。
岩国城のトイレ。
無造作に立てかけられてあるモップがなんとも・・・。
清掃員、なにやってんの!
“山火事予防”と書かれた看板。
ネズミだかなんだかよく判らない、やけにリアルな齧歯類が怖いんですけど。
休憩所に貼られていた、三谷幸喜監督 映画、“清須会議”のポスター。
なんか日本各地の城とコラボ企画やってるようだ。
帰りにもあった、“マムシ注意”の看板。
平仮名の方がなんとなく おっかない。
岩国城を満喫し、また散策路を歩いてロープウェー乗り場へと戻る。
再び城下町へ戻り、いよいよ昼食だ。
もう昼はとうに過ぎていたが、ここでようやっと昼食。
岩国に来たからには、名物のれんこんと岩国寿司を堪能したい。
岩国寿司。
吸い物付きで500円也。
押し固めたちらし寿司。
中に何層かになって具が忍ばされている。
錦糸卵,桜でんぶ,れんこん,しいたけ,えびなどが主流か。
お持ち帰り用に別のお店で、もうひとパック。
こちらは青ジソが隠れていた。
店によって味は千差万別なよう。
朝はあんなに閑散としていた城下町、いつしか観光客でごった返していた。
錦帯橋付近の商店には長蛇の列もできている。
テレビにも紹介されたようで、この辺りの店ではなぜかソフトクリームの販売競争が激化している模様。
その列を後目に、さっそく れんこんコロッケをいただいた。
一個150円、ホクホクの岩国れんこんが入った、おいしいコロッケ。
だが別の店で購入して食べてみると、
?
これ、レンコン入っちょうか?
店によって味も質もぜんぜん違う。
これは岩国寿司も同じようで、店によって値段も味も具材も異なる。
胃袋と財布と相談し、複数を食べ比べしてみるのも面白いやも。
錦帯橋付近の商店でアイスクリーム戦争が勃発。
萩の夏みかんソフト。
おいしかった。
食後にせっかく賑わってるので、ソフトクリームを食べることにした。
いちばん列が短い店に並んで、ご当地ソフトクリームを注文することに。
山口といえば・・・目に付いたメニューが、“萩の夏みかんソフト”。
これだ!
迷わず、それを注文した。
さわやかな甘ずっぱさ、ちょい寒いけれど歩いて汗ばんで、
さらに食事して暑くなっていた体に心地よい。
夏みかんソフトを食べながら、ふと目に入った店の看板。
ソフトクリーム人気ランキングだとか。
山口関係ねえのが上位占めてんのかよ!
マロンとかぼちゃが上位なのは季節柄か?
しかし岩国なんだから、レンコンソフトとかあって欲しかった。
下関に行ったときは、フグやウニソフトがあったのだがな。
佐々木屋小次郎商店と食事処むさしが一軒挟んで軒を連ねる。
この後、みやげ品を買って帰路についた。
岩国、堪能させていただきました。
次はどこに行こうかな?
また萩に行ってみたいし、柳井や下松、仙崎あたりも行ってみたい。
隣の県だけど、なかなか行く機会がないんだよな。
蓮根麺(そば麺に岩国レンコンが練り込まれてある) と、
レンコン入りのげんこつ飴。
店員さん曰く、げんこつ飴は超オススメとのこと。
美人な店員さんだったなあ。
特産品の岩国レンコンも忘れることなく購入。
ほくほくして糸引くのが岩国レンコンの特長。
穴が通常の8つではなく、9つあるのも特長だというが、レンコンの穴ってまちまちじゃ?
吉川家の家紋と穴の数が同じだということで、吉川広家?は、
このレンコンが献上された際たいそう喜んだとか。
レンコンは正月が近づくと特に価格が高騰する野菜のひとつ。
そして銘菓、錦帯せんべい。
この錦帯橋の形状を模したパッケージ。
中身はふつうの卵せんべい。
だがやはり錦帯橋の形状をしている。
せっかくなので、錦帯せんべいで錦帯橋を再現。
橋脚部分には、大阪名物・粟おこしを使用。
栗おこしじゃないぞ、粟おこしだぞ。
※ 撮影後、せんべい及びおこしは、撮影者がおいしくいただきました。
※ 食べ物で遊ぶのはやめましょう。
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