よろず戯言

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俺物語!!

2015-11-17 21:20:51 | 映画

先日の休みに映画を観てきた。

鈴木亮平 主演のコメディ、"俺物語!!"だ。

原作は河原和音 氏の同タイトルの漫画。

キャッチコピーは、「"男のなかの漢” 剛田猛男15歳 そんな男の―ピュアな恋」。

 

 

バケモノだったかポケモンだったか、

夏に息子と映画を観に行ったときに、このチラシを発見する。

「なんだこの映画?」笑いながらそれを手に取ると、

息子は知っていたようで、「これ面白いばい!オススメ!」などと生意気に薦めてきた。

どうやら原作が少女漫画に掲載されている漫画で、アニメ化もされていたらしく、

息子はそのアニメを観ていて、すごく面白かったという。

自分は何にも知らず、ただこのチラシのインパクトに惹かれ、

さらにこのゴツイ主役を演じるのが大好きな鈴木亮平だと知り、

これは観なきゃいけない!

そう思って内容もロクに判らないまま、公開されて間もなく観に行った。

 

剛田猛男(鈴木亮平)、15歳の高校一年生。

高校生には到底見えない、ゴツイ体に太い眉、剛毛の髪。

女子からは避けられてしまうが、硬派一徹、男に好かれる、男のなかの漢(おとこ)。

ゴリラのような容姿に、低い声、力も強い。

だが、自分がどう思われようと、情に厚く、人助けばかりして、

他人のことを思いやる慈愛の心を持つ少年だ。

 

 

幼馴染で親友の砂川(坂口健太郎)と、いつもいっしょ。

砂川は女子なら誰もがときめいてしまうほどの完璧な容姿をもつイケメン。

しかもクールで優しく、成績も優秀ときた。

猛男曰く、「女子はみんな砂を好きになる。俺が好きになった女子も全員だ。」

だが、当の本人は、女子にはまるで無関心。

寄って来る女子にはそっけない態度を取り続ける。

 

あるとき、猛男と砂川、いつものように二人で下校していると、

街中でチャラい男にしつこくナンパされ、困っている女子高生を発見。

その光景をみて、いつものように猛男が駆け付け、

見事チャラ男を撃退し女子高生を助けた。

「好きだ!」

心の中で叫ぶ猛男。

助けてあげた女子高生に一目惚れしてしまった。

そのまま砂川と一緒に去る猛男。

それを見て、「かっこいい!!」と、助けられた女子高生もときめくのだった。

 

 

後日、手作りのお菓子を持って、女子高生がお礼に現れる。

女子高生の名前は、大和凛子(永野芽郁)。

猛男と砂川の二人に、手作りのお菓子をふるまう。

一目惚れした子が手作りのお菓子をもってきてくれた!

しかも3人で友達付き合いがスタートすることに!

有頂天になる猛男であったが、

やはり、大和も砂川のことを好きになったのだと思い込み、

心中複雑なまま、ザッハトルテをほおばるのだった。

 

シュークリーム,チーズケーキ,マカロン,チョココロネ・・・。

大和は頻繁にお菓子を作っては、猛男と砂川にふるまってくれた。

大好きな大和の手作りお菓子、その都度、喜んで食べるものの、

どうにかして、砂川と大和を引っ付けようと、

自分の気持ちを抑え、頭のなかであれこれと考え、

猛男なりに気を効かせて必死になる。

 

 

だが、大和が惚れていたのは砂川ではなく、猛男の方だった。

大和もお菓子や手料理で積極的にアプローチしてくるのだが、まるで気付かない猛男。

これまで女子はみんな砂川のことが好きになった。

猛男はこれまでずっと女子から敬遠され続けた男。

大和の好意も、間違いなく砂川へ向けられていると信じ疑わない猛男。

相変わらずそっけない砂川に苛立ちながら、

砂川と大和、いいヤツの二人に幸せになってもらいたいと必死になる。

だが、自分の想いを抑えようとしても、会うたびにどんどん膨らむ大和への想い。

その葛藤に悩む、心優しき男のなかの漢、剛田猛男。

彼のピュアな恋の結末は―?

 

 

面白かった。

ただ、すんごいじれったい。

物語の序盤で、ヒロインの大和が猛男に惚れる。

猛男が勘違いしていたように、砂川の方に惚れているかのようにはとれず、

誰がどう観ても、猛男に惚れていて、その後のやり取りでも、それが鮮明。

おそらく気付かない猛男と、勘違いしてしまう大和の、

すれ違いや、ちぐはぐなやり取りを楽しませようと描かれていたのだろうが、

二時間ずっとそれだから、もうじれったくてもどかしくてたまらない。

原作では早い段階で二人の交際がスタートしてしまうらしく、

映画の脚本では、原作の序章ともいえる内容だけで物語を作ったようだ。

 

パンフレットに掲載されていた、鈴木亮平の肉体の変化。

役作りのため、短期間で増量を果たした役者魂に感服する。

 

鈴木亮平は良かった。

期待を裏切らなかった。

公開前に、バラエティ番組に頻繁に出演していた。

まあよくある、映画の番宣だ。

そこで、この映画の撮影に自身で行った肉体改造を披露していた。

たった40日間で体重を30kgも増量して臨んだという。

それまでドラマで病におかされて余命わずかな役を演じ、

その役作りのために、痩せ細っていたらしく、

死の淵の病弱な初老役から、筋骨隆々としたゴツイ高校生の役。

180°異なる役柄に見事に肉体を改造させた、驚異的な役者魂だ。

変態仮面のときも、自ら肉体改造して撮影に臨んだらしく、

その妥協しない役作りの姿勢、やはり素晴らしい役者さんだ。 

予告犯も観とくんだった・・・。

 

 

砂川役の、坂口健太郎。

まあ若い子に人気ありそうなイケメン若手俳優だ。

初めて見るひとだったが、なかなかの好印象を持った。

イケメンでクールというと、自分が最も忌み嫌うキャラクター像なのだが、

この砂川というキャラクターは違っていて、猛男のことを誰よりも解っていて、

そっけないながらも、陰ながら猛男のことを見守っている。

女子に対してそっけないのも、親友の猛男絡みの理由があったから。

こんなだから、イケメンクールキャラであっても、嫌味がなくて良かった。

 

 

大和役の永野芽郁。

すごくかわいい子だった。

原作の大和がおっとりした天然の入っている純情な子らしく、

それにぴったりの子としてキャスティングされたらしい。

確かに最近の女子高生っぽくも見えるけれど、

どこかあか抜けていないというか、素朴さがあって、

外見だけで人を判断しない、純粋で健気でいい子だなって雰囲気がある。

そういや変態仮面のときの、ヒロイン・愛子を演じた、

清水富美加ちゃんと、なんとなく雰囲気似てるな。

大和と愛子のキャラクターのイメージもよく似ているもんな。

 

 

猛男の父親役に、寺脇康文

母親役に、鈴木砂羽

ふたりとも、出演シーンは少なかったけれど、インパクトは強烈。

父親も猛男と同じく、太眉毛に立派なもみあげ。

寺脇康文のあの濃い顔立ちも相まって、強烈だ。

ベランダで夜空をながめ悩む猛男に、優しくアドバイスするシーンがカッコイイ。

母親はなんといっても、あのパーマ!

今日びあんなパーマあててるオバハンなんて居ないだろ!って突っ込みたくなる。

この人も眼力強いし、男勝りで豪快な雰囲気が魅力なので、猛男の母ちゃんがハマっていた。

主演の鈴木亮平と、姓が被っているという偶然も面白い。

 

 

あとは、大和の友達3人に、

それぞれリアル女子高生の若い女優さんがキャスティングされていたが、

そのうちの一人が、くちびるに歌をに出ていた、恒松祐里ちゃんだった。

メガネをかけて、一番真面目そうな子の役。

鑑賞中はまったく気付かなかったけどね。

しかし永野芽郁ちゃん含め、4人ともスレていなくっていい感じだった。

ビリギャルガールズ・ステップに出ていた子らとは対照的。

詳細は知らないけれど、大和達が通っている女子高がお嬢様学校って設定なのかも。

 

パンフレットは表も裏も、剛毛をイメージしてか、

猛男の髪の部分が、ザラザラしたエンボス加工が施されているという、手の凝ったつくり。

 

最近では珍しく、できるだけ原作に忠実にした物語やキャラクター設定。

メインキャラクターの雰囲気も、大きく変えずに、原作に忠実にしているらしい。

原作をまったく知らないため、純粋に楽しむことができたが、

この作品に関しては、原作ファンでも違和感なく楽しめるんじゃなかろうか?

猛男だけは、原作の設定が人間離れしているため、忠実な再現は無理だろうが、

鈴木亮平が原作とアニメを研究しまくって、

ファンが抱いているであろう、猛男像を全力で演じた愛すべき作品だ。

観に行くひとは、最後まで席を立たないこと。

スタッフロールが全て終わってから、爆笑シーンがある・・・。

 

それにしても、最近は少女漫画で、こういう作品が掲載されているのね。

妹がマーガレットとかなかよしとか、読んでいたと思うんだけど、

あの頃は、本当にイケメンしか登場していなかったけどな・・・。

そんななか、"ちびまる子ちゃん"が本当に異色だったなあ。

 

あと、すごく個人的なことなんだけど、

主人公と漢字は違えど、名前の読みが同じだったため、

劇中、否がおうにも反応してしまう。

とくに、ヒロイン・大和の好意的な台詞には・・・。

 

 



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