昨年秋に観た映画、
世界中で大人気だった伝説のロックバンド、QUEEN(クイーン)、
そのボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いたドラマ、“ボヘミアン・ラプソディ”だ。
フレディを演じるのは、ラミ・マレック。
監督はX-MENシリーズの、ブライアン・シンガー氏。
原題は同じ、“Bohemian Rhapsody”。
キャッチコピーは、“伝説のロックバンド クイーン 彼らの音楽を唯一超える、彼の物語”。
クイーンの人気がこんなにも凄いとは知らず。
あまり長いこと公開されないだろうからと、公開されてすぐに観に行った。
だが、なんのことはない・・・ファンを中心にリピーター続出。
ファン以外、クイーン世代でないひとも、知らないひとも取り込んでメガヒット。
昨年11月上旬の公開だったが、未だロングラン上映が続く。
さらに主演俳優が米アカデミー賞で主演俳優賞を受賞したことにより、
この映画のフィーバーが再燃する可能性も。
実は自分もクイーンのことをほとんど知らないでいた。
ボーカル、フレディ・マーキュリーは知っていはいたが、
白のタンクトップシャツとズボン、あのヒゲと胸毛が印象的であり、
あの独特な風貌が、ギャグ漫画などでどうしてもネタにされ、
バラエティ番組なんかでも、彼を真似たコントなんかもあり、
本家を知らずとも、そういった意味合いで、よく認知していた。
楽曲も、タイトルは判らないものの、よく聴く機会があるので知っていた。
他アーティストがカバーしていたり、アレンジされたりしているものが流れ、
CMなんかにそれがしょっちゅう使用されるし、
やはり、バラエティ番組などでも、替え歌にされたそれが流れたりしていた。
しかしリアルタイムで本家のクイーンを見た記憶はなく、
世界中での人気度合いや音楽業界での功績なども知らず、
ここまで人気があるものとは思っていなかった。
ビートルズを凌駕してないかい?
映画の内容は、すでに他でたくさん語られているだろうから割愛する。
もう最初のオープニング、20世紀フォックスのファンファーレからしびれる。
エレキギターでギュンギュンかき鳴らされる。
このファンファーレ、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイと、
ドラムのロジャー・テイラーの二人が、この映画のために演奏したという。
もうそこから力の入れようが判る。
ああ、クイーンってこういうバンドだったんだ・・・。
知らないことばかりだった。
もっとも衝撃的だったのが、フレディがゲイだったということ。
本人は婚約者にバイセクシャルだと主張していたが、後半は完全にゲイに傾倒していたように思う。
彼の容姿、ああ、言われてみりゃあ、そうだわな・・・と納得したが、
よくホモ雑誌に掲載されている容姿が彼のそれそのもの。
劇中に、そういった描写がこれでもかというほど描かれる。
LGBTを擁護する声が世界中で高まっている昨今、そういう影響もあってか、
音楽活動と同じくらい、こちらの描写も生々しく描かれている。
音楽描写とホモ描写、6:4くらい?
それにしても、ゲイって、みんな同じ容姿に惹かれるのかね?
フレディはじめ、誰もかれもぺったりした短髪のヘアスタイルに口ひげ。
それに、オカマとゲイとホモ、これも厳密には違うらしく、この辺はよく解らない。
LGBTのことも含め、勉強不足だ。
楽曲、アルバムの創作風景なども描かれていた。
フレディ個人のところは、脚色があるかもしれないが、
メンバー全員でやっているところは、おそらく本当なのだろう。
大勢の観客とともに、足踏みと手拍子で刻まれる、
“we will rock you”あの有名なリズムが生まれた瞬間も。
イギリスの売れないコピーバンド、
そこへフレディが自分を売り込み、ボーカル兼キーボードとして参加。
独創的なオリジナル曲で人気を博し、クイーンが誕生する。
やがてイギリス国内にとどまらず、全米ツアーで人気絶頂となり、世界中を席巻する。
この間、日本へも数回訪れ、さらに熱狂的ファンを増やしていったようだ。
しかし、人気ロックバンドには、やはり色々と問題が発生する。
メンバーとの確執、契約のトラブル、スキャンダルを探すマスコミ・・・苦悩するフレディ。
孤独と、そして患ってしまう不治の病、エイズと闘い。
幾多もの難題を乗り越え、彼は再びメンバーの元に戻ってくる。
自身の身勝手さを顧みて、自分にはクイーンのメンバーが必要だと痛感したのだろう。
残された時間を、精一杯歌う。
メンバーや家族のため、世界中のファンのため、何度も号泣しそうになった。
ラスト、ライブエイド参加直前。
それまで厳格な父に対して反抗していたフレディだったが、
ライブエイド(チャリティ)は、その父の教えに従ったのだと、
和解して抱き合う光景でたまらなくなって号泣した。
観に行ったとき、けっこう観客は多かった。
しかし、パッと見た限りは自分がもっとも若いくらいで、60前後の方が多め。
自分よりも少し上の世代からが、クイーンをリアルタイムで聴いていたひとたちだろう。
劇中、何度も足踏みしたくなり、手拍子したくなり、肩を揺らしたくなる。
映画ではなく、音楽ライブを観に来ているような錯覚に陥る。
じっと鑑賞しているのが辛いくらい、のせられてしまうような楽曲ばかり。
クイーンの楽曲は知らなくても、どこかで聴いたことがあり、馴染みがあるものが多い。
鑑賞後、その人気に納得させられる。
自分はクイーンという偉大なバンドを知らなすぎた。
しかし、この映画がきっかけで、それを知ることができて良かった。
帰りにCDショップで、アルバムを購入してしまったのは言うまでもない。
ただ、これ、自分のようなド素人でもハミングできるような、有名どころが集録されていなかった・・・。
クイーンに興味なくとも、音楽好きには絶対に観て欲しい作品。
クイーンを全く知らない、そんな若い人らにも絶対に楽しめる映画。
そして、鑑賞の際は、なるべく“騒いでもいい”上映劇場で観ることを推奨する。
映画内容とファンの要望に応え、この作品にかぎり、
スタンディング手拍子足踏みシャウトOKの上映を行っている劇場もあるらしい。
ロックコンサートさながら、盛り上がること間違いなしだ。
じっと座りっぱなしで観ているのが辛い、そんな映画。
ただ、そういった劇場では、しんみりするシーンで皆どうしてんだろう?
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