先日の休みに映画を観てきた。
知念侑李主演のドラマ、“坂道のアポロン KIDS ON THE SLOPE”だ。
原作は小玉ユキ氏の同タイトルの漫画。
監督はアオハライド,くちびるに歌をの、三木孝浩氏。
キャッチコピーは、“一生ものの友達と出会い 一生ものの恋をした 僕らの10年の物語”。
けっこう前からチェックしていた作品。
原作は知らないけれど、予告編を観て気になっていた。
友情が崩れてしまうような三角関係かな?
秀才と不良とマドンナ・・・の組み合わせ。
ありがちっちゃ、ありがちだけど・・・なんか気になる。
それにキャスト。
大好きな小松菜奈ちゃんがヒロイン役。
ジャニタレながら、超高速!参勤交代シリーズや、金メダル男で、
その演技の巧さで好感のもてる若手俳優?、知念侑李が主演。
さらに一昨年の大河ドラマ真田丸で豊臣秀頼を演じた、長身イケメン俳優、中川大志も出演。
これは観ておくべきかもしれない。
気付けば公開終了間際、慌てて観に行った。
1976年、東京。
医者として病院に勤務している西見薫(知念侑李)。
彼のデスクには古い写真が一枚。
高校時代の薫を含む、三人の学生が笑顔でうつる写真。
二度と戻らない、あの頃の一生ものの思い出。
1966年、長崎・佐世保。
医者だった父が亡くなり、ひとり神奈川県から叔母のもとへと越してきた薫。
長い坂を登った先にある高校へと転校してきた。
黒ぶちメガネに坊ちゃん刈り、身に付けた高級そうな腕時計。
クラスメートたちからヒソヒソと噂され、冷たい視線が突き刺さる。
元来、内気な薫、新しい学校にも自分の居場所はないように思えた。
そんななか、優しく声をかけてくれる女の子。
学級委員をやっている、迎律子(小松菜奈)だった。
律子は他のクラスメートとは異なり、薫に偏見を持たず、
「解らないことは何でも訊いて。」と、開かるく接してくれた。
しかし、極度の緊張と逃げ出したい気持ちでいっぱいになり、
思わず教室を抜け出し、屋上へと駆けて行く。
屋上の手前で出会ったのは、誰もが恐れて相手をしない、
学校一の不良、川渕千太郎(中川大志)だった。
千太郎のことを知らない薫。
なので普通に話しかけて普通に応対する。
誰も相手にしてくれないのに、普通に接してくれる薫に興味を持った千太郎。
奇しくも二人は同じクラスだった。
薫は幼い頃からピアノを習っていた。
ピアノが好きで、それを弾いているときだけ孤独を忘れられた。
だが、叔母の家では、唯一の楽しみであるピアノも自由に弾くことができなかった。
家にも学校にも居場所がない・・・。
ある日、律子にレコード屋の場所を訊くと、彼女の自宅へと招かれた。
律子の家はレコード店を営んでおり、
店主である父親の趣味で、地下室にはスタジオまで作られていた。
そこへ千太郎もやってきて、ドラムを叩きはじめる。
ケンカばかりで勉強はロクにできない千太郎だったが、
ドラムの腕前は素晴らしく、薫は思わず目を見張った。
クラシックばかりを奏でていた薫が、このとき初めてジャズに触れる。
律子と千太郎は幼馴染だった。
不良として誰からも恐れらている千太郎の、唯一の理解者ともいえる律子。
薫にとってもまた、クラスのなかで唯一より所となってくれるのが律子だった。
律子に恋心を抱く薫だったが、その律子は千太郎のことが好きだと判っていた。
千太郎に対抗心を抱いて、ピアノでジャズを弾けるようになる薫。
そして律子が言う、「ふたりのセッションば聴きたか~!」
夏休み、三人はすっかり仲良くなっていた。
薫と千太郎のセッションは、いつも律子を楽しませた。
そんな律子を見て、薫も千太郎もセッションを楽しんでいた。
まったく異なるふたりだけど、実はお互い境遇が似ていると知る。
千太郎の恋患い、律子の失恋、そして薫と千太郎の友情決裂・・・。
夏から秋、三人はいろんなことを経験しつつ、けっきょく一緒になっていた。
そうして迎えるクリスマス。
近くの教会でコンサートを開くことに。
薫と千太郎のセッションは文化祭から既に話題になっていた。
そこへ、律子がボーカルとして参加する三人でのコンサート。
だが、不慮の事故で中止になってしまう。
これをきっかけに、千太郎は薫と律子の前から忽然と姿を消してしまった――。
よかった。
そんな感動するほどのものじゃないけれど、なんか心が温まるストーリーだった。
昨今ありふれた甘ったるい恋愛モノでもなく、
これまたありふれた、ギラギラした不良モノでもなく、
わりとジャズのウェイトも多くて、音楽好きな方が見るような作品。
文化祭での、薫と千太郎のセッションのシーンは見物。
ドロドロした三角関係を想像したが違った・・・。
逆にリアルでありがちな、みんな振られた状態だったので、
自身が高校生だったときに、そういや似たようなことがあったと共感できた。
あとは長崎が舞台ってことで、方言で親近感が持てた。
自分の母が長崎出身だから、親戚が多く、長崎弁には馴染みがあるのだ。
知念侑李と中川大志の二人は、それぞれピアノとドラムを猛練習したらしく、
演奏シーン、もしかして吹き替えなしなのかな?
そこへ、律子の父役の中村梅雀さんのウッドベースと、
千太郎憧れの先輩。淳ニイ役だった、ディーン・フジオカのトランペットが加わるというシーンもあり、
聴きごたえあるビッグバンドジャズも披露されている。
佐世保という米軍の町で、バーで米兵相手にジャズを披露するシーンも必見。
おディン様ファンは、そのときのディーン・フジオカの歌声も必聴。
高校生に扮した小松菜奈ちゃんがかわいいのなんの。
しかも時代が1960年代ですよ。
スカート短いわ下着透けてるわ化粧してるわ、
爪塗ってるわワケの解らんアクセ付けてるわ・・・。
最近のスレまくった女子高生にはない、素朴で清楚な感じがたまらない。
ふたつ結びのおさげに、露出の少ないビキニ姿、そしてとっくりセーター姿。
タートルネックじゃないぞ、この時代はとっくりセーターだ。
しかし、この時代に高校生ってことは、今年70手前ってことになるな・・・。
あと、淳ニイの恋人で千太郎の初恋のひと、百合香役で登場する、真野恵里奈ちゃん。
すんげえ美人だった。
こら律子に興味なかった千太郎もトキメキますて。
なにげに“アポロン”という言葉を出す、タイトルの由来を持つキャラクター。
とと姉ちゃんにも出てたそうだけど、何の役だったんだろう?
元イジワルなお嬢様で、後からデパート店員になったひとかな?
とにかく良かった。
ダレるシーンもなくて終始楽しめた。
絶対にもう一度 観たい映画。
今年観たなかで暫定一位。
まだ4ヶ月しか経ってなくて、そんな観てないけどね。
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