※当記事、“ELLE”には、卑猥な単語や表現が含まれています。
これらが苦手な方は、読まれるのをお控えください。
先日の休みに映画を観に行った。
フランスのサスペンス、“ELLE(エル)”だ。
監督は、ロボコップ,トータル・リコール,氷の微笑のポール・ヴァーホーヴェン氏。
原作はフィリップ・ディジャン氏の小説、“Oh...”。
昨年、欧米で公開され、著名人がそろって絶賛した作品。
フランスはじめ、ヨーロッパの数々の映画の賞を受賞し、
フランス映画にも関わらず、米アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされたという話題作。
キャッチコピーは、「犯人よりも危険なのは、“彼女”だった――。」
たまたま観た、この映画のテレビCM。
サスペンスとかミステリーの類は、そうそう観るジャンルじゃあない。
だが、なぜかこのCMで観たい衝動に駆られる。
初老の女性が覆面の男に襲われ、その犯人を独りで探そうとする。
友人や部下,隣人など、周囲の人物を疑いつつも、
その過程で、自身のアブノーマルが露わになる・・・。
そんな切り口のCMだった。
映画館のサイトで、あらすじを観てみると、
主人公の女性は、ゲーム制作会社の社長とあった。
ほうほう、それはまた一気に興味がわいてきた。
とすれば、ゲーム感覚で猟奇的な行為に走っていく・・なんてことだろうか?
レイプや暴力シーンなど、過激なシーンがあるためPG15指定だったが、
それほどバイオレンスでもなさそうだったし、
なによりも、有効期限が近付いていた、1,000円鑑賞券を使うためにと、
この映画をチョイスし鑑賞することに。
ゲーム制作会社の社長を務めるミシェル(イザベル・ユペール)。
ある日、自宅で黒ずくめの男に襲われ強姦される。
だが、警察に通報することもなく、元夫や親友、不倫関係のある同僚など、
ごく近い人間にだけ、その事実を伝え、自力で犯人を付きとめようとする。
そんななか、今まさに着ている服を褒めるメールが届いたり、
帰宅すると、ベッドには精液がかけられ、
パソコンにはその犯人と思しきメッセージも残されていたり、
社内のパソコンがハックされ、ゲームキャラのレイプシーンに、
自分の顔が合成されて、それが全社員のモニタに映し出されたり、
レイプ事件をきっかけに、ミシェルを対称にした気味の悪い嫌がらせが続く。
それでもなお、頑なに警察への通報を拒み、自力での犯人発見に躍起になる。
自分に近い人間の犯行だと確信したミシェルは、周囲の人間を疑いはじめる。
普段から部下に厳しいため、部下たちから恨みを買っている感があり、
社内のパソコンがハックされた事件も含め、部下を疑いはじめる。
自分にもっとも忠実な部下に、陰部を見せるよう強要し、
自分をレイプした犯人のペニスであるか確認したり。
しかし犯人を探す過程で、彼女自身の危険な性格が露わになっていく。
元夫の車に、自身の車を平然と衝突させて何食わぬ顔。
その元夫の新しい恋人をストーカーのように捜し出し、友好を装って陰湿な嫌がらせ。
護身用に、催涙スプレーと手斧を用意し、
見知らぬ車が通りに止まれば、それを警戒し誰とも確認せずに、おもむろに襲撃する。
隣人の若い夫を双眼鏡で凝視しながら自慰に耽る。
彼女が警察を拒否するのには、幼い頃の事件がきっかけだった。
30数年前に起きた凄惨な大量殺人事件。
その犯人の娘だったミシェル・・・あの日から一変した家庭。
そのときの犯罪者の娘として、世間から非難されトラウマになった、
事件も風化し、それをようやっと克服して、努力し成功し財を成した今、
それが、警察沙汰を起こせば、またあのときの事件が蒸し返される・・・。
黒ずくめの男が、再びミシェルを襲ってくる。
必死に抵抗して、男の手のひらにハサミを突き刺し覆面を引っぺがす。
犯人は・・・意外な人物だった・・・!
しかしミシェルは、やはり警察に通報することもなく、
また犯人を咎めることもなく、それからさらにアブノーマルな本性が暴走する。
ミシェルのその奇行に、周囲の人物はもちろん、レイプ犯すら翻弄されてしまっていた・・・。
うーん・・・。
面白くなかったわけじゃないが、サスペンスとしては未消化というか・・・。
犯人を突き止めて終わりじゃないので、これまで観たことのないようなストーリーで、
まあ、けっきょく主人公が一番奇特で異常で、真の犯人でした・・みたいな感じなのかな?
視覚・聴覚的に訴える映画なようで、そういったところが評価されているのだろう。
また、主人公のみならず、主要人物にまともな人間がほぼ居ないので、
どのキャラとっても感情移入が一切できないし、その真相心理を探る楽しみもない。
主人公の周囲には他にも問題が出てくる。
仕事が続かないうえに、恋人が産んだ子は肌が黒いのに結婚する息子。
わがままでヒステリーなうえ、ミシェルの金をアテにするその義娘。
ミシェルの金で、若い男と派手な生活をする母親。
明らかに遺産目当てで母と付き合う、その若いヒモ男。
ミシェル自身も無二の親友の夫と肉体関係を持ち、不倫関係を続ける。
敬虔なクリスチャンな隣人夫婦、その夫を誘惑し、その信仰心の希薄さを見抜いたり。
倫理観の崩壊,宗教問題,移民問題・・・。
フランスで起きている、社会問題もつぶさに取り入れ描かれているのかもしれない。
肝心の濡れ場だが、レイプシーンは淡々と観てた。
レイプって好みじゃないのよ。
男性って、そういうサディスティックな願望が小なりあると思ってる女性も多いかもしれないが、
自分は全然ダメ。
AVでもレイプものや緊縛モノなんか、絶対観ないもの。
で、それ以前に、やっぱり還暦超えた女性のそういったシーン観てもねえ・・・。
いや、全然そんな歳に見えない美しい女優さんだったけど、さすがに熟女趣味はない。
そういう視点で鑑賞する作品じゃあないってことは、百も承知でバカなことを綴っている。
シュールといえば、非常にシュールな作品。
北野武監督の作品が喝采されるような、そんな映画市場で絶賛されるような作品なのだから、
そもそも自分が観て理解できるような、作品じゃあなかったんだと解釈しよう。
ハリウッドの監督がメガホンを握ったのだから、そういう先入観はなかったのだけど、
やっぱり、色んな意味でフランス映画だった・・・。
自分にゃ、フランス映画は無理です。
世界の果てまでヒャッハー!みたいなバカ映画が、身の丈に合ってちょうどいいや。
あと、ゲーム画像ね。
欧州のゲームメーカーがどんなだか知らないけれど、
プレステ4がプラットホームで、あの出来はないんじゃ?
劇中ゲームとはいえ、あんなのを最新のゲームとして出せるわけが・・・。
日本のゲームは、やっぱ抜きん出て世界一だわ。
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