先日の休みに映画を観てきた。
ディズニーアニメ、“シュガー・ラッシュ”。
前回、テッドを観たときだったか、このシュガー・ラッシュの予告編が流れていて、
ゲームのキャラクター達の世界が舞台で、しかも悪役キャラが主役。
そんな内容で映像が流れたが、そのなかに・・・クッパの姿!!
他にもストリートファイターⅡのザンギエフやベガの姿も!!
実在する新旧、様々なゲームキャラクターが登場するということで、
これは観ないといけない!!
・・・てんで観に行った。
舞台はとあるゲームセンター。
ここでは新旧様々なゲームが並び、人間たちにプレイされる。
ゲームのなかのキャラクター達はプログラムどおりに、キャラクターを“演じる”。
が、ゲームセンターの営業時間が終了すると、
キャラクター達のその日の仕事は終わり。
各々、いっせいに自由に動き出す。
ある者は自宅に戻ってくつろぎ、ある者は行きつけの酒場へ行き、
“ゲーム・セントラル・ステーション”を介して、他のゲームの世界へ行き交うことも可能。
30年も稼働しているレトロゲーム、“フィックス・イット・フェリックス”。
そのゲームで悪役を演じている、大男のラルフは、
今日も今日とて、悪役としてプログラムどおりマンションを破壊し続ける。
その風貌といい、屋上からプレイヤーを攻撃する姿といい、
あのタルを担いで投げつけてくる、有名な悪役ゴリラにそっくりである。
助けを呼び、逃げまどう住民キャラ。
そして助けに来るプレイヤーキャラの、フェリックス。
修理工の彼は得意のジャンプでマンションを登って行き、
なんでも直す、魔法のハンマーで、壊された窓や壁を修理してゆく。
その雰囲気といい、動作といい、微妙に似た職業といい、
あの有名なオーバーオールのヒゲおやじを連想する。
ラルフのレンガ攻撃をかわし、屋上までたどり着くとステージクリア。
フェリックスは住民から感謝され、黄金のメダルをもらう。
かたや悪役ラルフは、住民に担がれて、そのまま地上へと放り落とされる。
あのゴリラもジャッキを外され、鉄骨から落とされていたっけ。
ゲームセンターの営業時間が終わり、キャラクター達の自由時間が始まると、
人気者のフェリックスは、マンション住民らと一緒に、
その眺めのいい一室で、パイを食べ、ダンスを踊り、皆でワイワイと楽しく騒ぐ。
かたやラルフは皆に毛嫌いされていて仲間はずれ。
マンションにも入れず、彼は設定上のがれきの山を住まいに、
ひとり寂しくそこへ戻って、切り株を枕にがれきのベッドで眠る。
「俺だってヒーローになりたい・・・。」
そんな悩みを抱えて、悪役の集会に参加したラルフ。
クッパ,ザンギエフ,ゾンビなど、
さまざまなゲームの悪役を演じているキャラが集まって、
悩みや愚痴を言って、みんなで励ましあう集会。
そこでラルフは、ヒーローになりたいという切実な願いを吐露する。
驚く悪役の面々。
みんなそろって、それを咎める。
「役割を破ってはいけない」
「悪役はヒーローになれない」
集会が終わり、心晴れないまま自分のゲームへと戻るラルフ。
そこには自分抜きで、フィックス・イット・フェリックスのキャラクター達が集まって、
マンションの一室で、盛大に30周年の祝賀パーティを開いていた。
自分は招待もされず、パーティの話も聞いていない。
それなのに、あろうことか他のゲームキャラクターが招待されて賑やかにやっている!
怒り心頭したラルフは、パーティ会場へと乱入。
招かれざる客の登場に、皆が困惑し、けっきょくパーティはむちゃくちゃに。
フェリックスがもらうメダル。
あれをゲットできれば、俺だってヒーローになれる!
どうしてもメダルが欲しくなったラルフ。
メダル欲しさに他のゲームへこっそり侵入し、そこでメダルをゲットしたものの、
トラブルによって、また別のゲームの世界にたどり着く。
そこは山も池も木も道も、全てがお菓子でできたポップでメルヘンな世界、
“シュガー・ラッシュ”というレースゲームの世界だった。
そこでラルフは、少女・ヴァネロペと出会う。
自分がゲットしたメダルを、その快活な少女に奪われてしまう。
少女もまたラルフと同じく、メダルを欲していた。
彼女は欠陥プログラムということで仲間はずれにされ、
ゲームに登場させてもらえないでいた。
他のレーサー・キャラクター達に仲間はずれにされ、
いじめられ、自作のマシンを破壊されるヴァネロペ。
自分の境遇と同じものを感じたラルフは、いたたまれなくなり、
大切なメダルを盗んだ相手にも関わらず、いじめている連中を追い払い、ヴァネロペを助ける。
そこから、悪役ラルフと、欠陥プログラム・ヴァネロペの友情が芽生える。
二人で一緒にマシンを作り、運転を練習し・・・。
だがそんな二人を、シュガー・ラッシュの世界の権力者、キャンディ大王が、
追っ手を使い、他のレーサー・キャラクター達をそそのかし、二人を捕らえようと執拗に追いかける。
「絶対にヴァネロペはゲームには登場させてはならない!」
キャンディ大王の正体と真の目的を知ったとき、
そして自身のミスで、シュガー・ラッシュの世界に危機が迫り、
自分を信頼してくれて“ヒーロー”にしてくれたヴァネロペが絶体絶命になったとき、
ラルフは意を決して、自分の命を捨てる覚悟で行動に出る―――。
内容を期待しないで鑑賞に臨んだが、面白かった。
最後はウルっときてしまった。
子ども向けではあるが、大人でもじゅうぶんに楽しめる。
おなじみのゲームキャラが多数出演するものの、ほとんどゲスト出演。
ゲーム・セントラル・ステーションで無数のキャラが行き交っているなかから、
知っているゲームキャラを探すのも楽しい。
TVゲーム版トイ・ストーリーなどと評されているが、
自分は“トイ・ストーリー”を観ていないので、その評が適切かどうか判らない。
吹き替え版を観たが、ラルフは大ベテランの山寺宏一氏で、まったく違和感なかった。
こういうアニメ映画だと、話題作りのために、
本業でない者を主役級の吹き替えにあてる風潮があるが、それがなくて大正解。
異なるゲームを行き交うので同じ作品内でも、各場面で世界観はガラリと変わる。
フィックス・イット・フェリックスの、ドット絵調の角張ったレトロな世界。
ラルフがメダルをゲットするために潜り込んだゲームの、近未来のサイバーチックな世界。
そしてシュガー・ラッシュの、カラフルでポップな世界。
メインキャラクターも、この3つのゲームのキャラが入り交じっているため、バラバラで面白い。
また、この作品を制作するにあたって、“ゲーム”ということで、
ゲーム文化の先進である、日本をイメージしたらしく、作中の随所にそれを見ることができる。
日本で生まれたゲームのキャラクターが多数登場すること。
主人公のひとり、ヴァネロペは日本の原宿の女子高生がモデルらしく、
黒髪に黒い瞳、そして髪型やファッションに至るまで、日本の女の子をイメージしている。
他のレーサー達も、日本のティーンをイメージしているらしい。
さらに、シュガーラッシュのお菓子の世界も、日本発のポップな世界を参考に、
登場するお菓子も、アポロやポッキー、オレオなど、日本のものが多い。
カラフルでポップな二頭身キャラはまさに日本のキャラクター文化で、
10年ほど前に、Puffyが全米で大人気となりアニメ化された際も、こんな雰囲気だった。
さらに主題歌はAKB48。
原宿のティーンをモデルにしたのだから主題歌は彼女達がベスト!
・・みたいな感じで、ディズニー側からのオファーで、
全世界共通主題歌として日本語のAKBの曲が採用されている。
エンディングで流れたときは、日本だけだろうと思っていた。
新旧ゲームが好きで、なおかつディズニーアニメが好きな人は観て損はない。
いや、絶対に観ておくべき。
ゲームに興味のない人でも、じゅうぶんに楽しめる。
公開から間もなく一ヶ月が経つが、まだまだ上映されているようなので、
興味のある人はぜひ鑑賞してもらいたい。
映画観ながら、ラルフがずっと誰かに似ていると思っていたんだけど・・・
ガレッジセールのゴリだ!
・・・・・。
ここで映画でゲスト出演していた、
ストリートファイターⅡのキャラクター、ザンギエフについて語りたい。
1992年にアーケードに登場したカプコンの対戦格闘ゲーム。
それまでにも横スクロールで、複数の敵を倒しながら進むアクションゲームはあったが、
狭いステージで、一対一で戦う、“格闘ゲーム”というジャンルを確率したゲーム。
世界的に大ヒットして、のちに映画やアニメ化もされる。
ハリウッドでは実写映画化(超クソ映画!)も。
そのストリートファイターⅡには、世界各国を代表する、個性的なキャラクターが登場する。
日本代表、空手着に真っ赤なハチマキ、波動拳のリュウ,
同じく日本代表、大銀杏にくま取り、百烈張り手のエドモンド・本田,
中国代表、むっちり太ももチャイナドレス、スピニングバードキックの春麗,
インド代表、手足が伸び炎を吐く、ヨガファイヤーのダルシム,
アメリカ代表、ありえない髪型で待ち戦法、ソニックブームのガイル,
ブラジル代表、アマゾンの野生児で、体内から放電する、エレクトリックサンダーのブランカ,etc・・・
そんななか、モヒカンに胸毛、全身キズだらけ、
赤パンいっちょうの、ゴツいレスラーが居た。
ロシア代表(当時はソビエト代表だった)ザンギエフ!
ザンギ使いがよく見たであろう光景集。
波動拳やソニックブーム,ヨガファイヤーなど飛び道具はない。
昇龍拳やサマーソルトキックなど、強力な無敵技もない。
百烈張り手や百烈脚など連打技もない。
スーパー頭突きやローリングアタックなど、突進技もない。
ただひたすらにガードしながら相手の攻撃をかいくぐって接近し、
ボディプレスやダブルニープレスで突撃し、
一瞬の隙をみてスクリューパイルドライバーをたたき込む。
立ちスクリュー※1はザンギ使いには必須テクニック。
開始直後に決まると爽快!!
このスクリューパイルドライバーが、レバー一回転という難コマンド。
ただでさえ技に乏しく、デカい図体で当たり判定も大きく、
動きも鈍重で回避能力も低く・・・。
そんなザンギエフが、飛び道具連発して翻弄してくる相手に、
無敵技や連打技で牽制してくる相手に、いかに近づいてスクリューをたたき込むか?
この超難易度のキャラクター、自分は好んでそれを使い続けた。
マリオカートでファストグライドを使い続けるようなもんだな。
当時プロレスが好きだったこともあるが、
やはりこんな男気にあふれるキャラクターは他にはいない。
完膚無きまで叩きのめされようが、ザンギエフを使い続けた。
のちに発売される、ストリートファイターⅡターボや、
スーパーストリートファイターⅡ,ストリートファイターZERO2でも、
変わらずザンギエフだった。
エンディングには、ゴルバチョフ書記長(当時)が出演!
画像のバーチャルコンソール版は、“元大統領”の表記に変更されている。
それに伴い、両脇に居たSPも居なくなっているという細かさ。
そんなザンギエフが、このような形でディズニー映画にゲスト出演し、
しかもゲストのなかで最もセリフが多くて目立つという。
ザンギファンにとって、こんなに嬉しいことはない。
だが、ひとつ言わせて欲しい。
ザンギエフは悪役じゃねえよ!!
ザンギ使いが最も多く目にした光景がこれだろう・・・。
待ちガイル※2には手も足もでない。
※1 立ちスクリュー:スクリューパイルドライバーを立ったままの状態で繰り出すこと。
スクリューパイルドライバーのコマンドはレバー一回転なので、
通常だとジャンプしたりしゃがんだりしてしまう。 だが、3/4回転で素早くコマンド入力すれば、
立ったままスクリューパイルドライバーを発動させることができる。
※2 待ちガイル:ガイルの必殺技、ソニックブーム(飛び道具)とサマーソルトキック(無敵対空技)は、
どちらも溜め技なので、しゃがみ防御状態だと両方の技がスタンバイできる。
ザンギエフなど飛び道具に弱いキャラに対しては、自ら敵に向かうことなく、
ソニックブームを緩急付けながら放ち、この状態を維持する(待つ)だけで牽制でき、
万が一頭上に飛び込んで来られても、サマーソルトキックで難なく迎撃できるため、ほぼ無傷で勝利することも可能。
ザンギエフの天敵は、この“待ちガイル”だった。
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