よろず戯言

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日本列島いきものたちの物語

2012-02-17 19:35:18 | 映画

先日の休みに、映画を観に行った。

ネイチャードキュメンタリー映画、“日本列島いきものたちの物語”。

監督は、NHKの“生きもの地球紀行”などの制作に携わった、出田恵三 氏。

 

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昨年秋に観た映画、イギリスBBC制作のネイチャードキュメンタリー、

ライフ~いのちをつなぐ物語~”とほぼ同じ時期に公開が発表され、

それよりも遅れること数ヶ月、ようやっと公開された。

奇しくも、ライフのDVD発売開始時期に公開となった。

 

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エゾシマリス (Tamias sibiricus lineatus)

冬に備え、頬袋いっぱいにドングリを詰め込んでいる様子。

去年流行ったっけか、コイツが主人公のCGアニメがあったな。

ウサギと一緒に居て、なんだか憎たらしい感じのやつ。 

  

ライフと異なり、生き物の撮影を日本国内に限定し、

日本列島の北と南の環境の違いと、日本特有の四季折々の自然の美しさと、

四季が生き物たちにもたらす恵みと厳しさを合わせて撮影・編集されており、

一応、差別化は図られているものの、上映時期が近いため、二番煎じの感は否めない。

 

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カクレクマノミAmphiprion ocellaris)

ファインディング・ニモ

この映画が公開されたとき、ちょうど熱帯魚店で働いていたのだが、

日本各地の熱帯魚店や問屋、世界じゅうの養殖場から、このカクレクマノミが消えてしまった。

その影響で乱獲も起こり、天然個体の生息数が激減した。

飼育知識皆無で金魚やメダカすら飼えもしないくせに、

好奇心だけで難易度の高い海水魚になんか手を出すんじゃねえよ。 

・・・と当時、これを求めてくる親子連れの客に憤っていたもんだ。

  

キャッチコピーが、“いっしょに、生きている。”。

これは、動物たちの家族のみならず、自然や人間も含めての大きな意味だと思うが、

テーマが、“奇跡の島・日本列島に満ちあふれる、いきものたちの感動の家族愛の物語”、

となっており、やっぱり二番煎じ感が漂う・・・。

 

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ニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)

授乳期間の赤ちゃんのときは、体色が親と異なり、明るい色に縞模様が入り、

その様子がシマウリに似ていることから、別名:ウリボウと呼ばれる。

日本各地に分布し、農作物を荒らすため、カラスやサル、タヌキ同様、害獣とされていて、

懸賞金付きで駆除に力を入れている自治体もあるほど。

 

登場する動物は、ライフと比べると少ない。

が、きちんと紹介される種においては、そのぶん濃い。

ほとんどが親の子育てから、巣立ち・独立までを追った構成になっており、

愛情をたっぷり注いで、一生懸命に子育てする姿と、

そのなかでやがて一人立ちするために、色々なことを学んでいく子ども。

一人前になるまでに厳しい生存競争を生き抜かねばならない種も少なくない。

そして突然訪れる親の厳しい仕打ち・・・親兄弟と別れ、独り立ちのとき。

 

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ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina)

日本に定住する唯一のアザラシ。

岩礁で出産・子育てする。

画像は波打つたびに体を反らせて、水しぶきがかかるの避けている様子。

海獣のクセに濡れるのを嫌がる光景が笑えた。

 

主に登場する動物をいくつか紹介。

北海道・知床半島・・・ヒグマ親子

北海道・釧路湿原・・・キタキツネ親子

北海道・襟裳岬・・・ゼニガタアザラシ親子

青森・下北半島・・・ニホンザルのみなし子

東京・小笠原諸島・・・カクレクマノミつがい

兵庫・六甲山地・・・イノシシ親子

鹿児島・屋久島・・・ニホンザルとヤクシカ

 

上記以外にも、タンチョウ,オオサンショウウオ,シマリス,モグラなど、

多数登場するものの、1分に満たない紹介の種もあり、ほとんど蛇足。

ほんの僅かにしか紹介されなかったが、オオイカリナマコと粘菌は衝撃映像だった。

 

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キタキツネ(Vulpes vulpes schrencki

しなやかなスタイルと、その目つきが抜群に格好いいキツネ。

任天堂のゲーム、“スターフォックス”でおなじみ。

童話などでは、よく卑怯で狡猾な悪役にされてしまうが、

実際の生態を観れば、そんなイメージがなくなるはず。

映画、ナルニア国物語に登場するキツネは、吹き替えがシャア少佐で笑ってしまった。

  

内容はまあまあ・・・。

屋久島のサルとシカの共存は微笑ましかったが、

全体的にライフのように衝撃的だったり目新しかったりする映像に乏しく、

NHKの、生きもの地球紀行の方が内容が濃いように思える。

わざわざ映画にする必要がなかったと思う。

 

こんなこといってしまうと、2年もの歳月をかけ、

撮影方法に創意工夫を凝らし、最新鋭の撮影技術と機材を用いて、

日本各地で過酷な環境下で、生き物たちを追い続けた、

カメラマン達の努力が浮かばれない。

ほんのちょっとしか映らなかった生き物の撮影にも、

相当の日数と根気を要したはずだろうに・・・。

 

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ニホンジカ(Cervus nippon)

奈良公園や宮島に居るやつ。

和名にも学名にも、“日本”と入っているが、世界各地に分布している。

中学の修学旅行で訪れた、奈良公園。

そこで売られていた“しかせんべい”(シカに与えるやつ)を、

美味そうだと食べてみたが、まったくの無味だった・・・。

 

あと、とても残念だったのが、

映像に命を吹き込む重要な役割であるナビゲーター、

それが・・・いただけなかったこと。

 

黒木瞳はよかった。

残り3人がちょっと・・・。

嵐の相葉雅紀・・・悪くないんだけど声が軽すぎんだよなあ、

だから物語に今ひとつ重さが出ない・・・このひと変声してないだろ?

長澤まさみ・・・カクレクマノミ母親の擬人化セリフさえなければ問題なかった・・・。

アドリブでやったらしいのだが・・・あれは要らなかった。

ゴリ・・・いきなりヘタな関西弁でスタートしたと思ったら、

終始ウリ坊の擬人化セリフ・・・最後は沖縄弁使うし・・・もう全然だめ。

この聴くに耐えられない稚拙なナレーション、

ひょっとすると子供向けに作ったのかもしれないな。

 

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ヒグマ(Ursus arctos)

日本最大の陸上哺乳類。

北海道に生息しているのは、その亜種のひとつ、エゾヒグマ

北アメリカに生息するグリズリー(ハイイログマ)も同じヒグマの亜種。

北海道(とくに網走)に行くと、木彫りの熊が有名。

昔、何かの情報番組で一般家庭を訪問しながらインタビューしていたが、

木彫り熊の所有率が2件に1件くらいで、かなり高かったのを覚えている。

自分も仕事で色んなお宅へおじゃまするが、

確かに下駄箱の上、床の間、サイドボードとかによく飾られているわ・・・。

 

 

ボロクソ言っているが、生き物好きは観て損はない。

が、ライフを観た人 及び、これまでも映画に限らず、

様々なネイチャードキュメントを観てきた人には、目新しさもなく物足りないだろうと思う。

 

“日本列島”と銘打って、日本の生き物に限定したものを作るのならば、

ニホンカモシカとか、ライチョウ,ヤンバルクイナ,オヤニラミ,オオムラサキ,etc・・・、

まだまだ他にピックアップすべき生き物が居たろうに・・・と思うのだけど。

 

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タンチョウ(Grus japonensis)

いわゆる、“ツル”。

日本最大の鳥類で、その美しさと神々しさから、

古来より人々から崇められてきた。

“鶴は千年”といわれ、カメと同じく、めでたいものとして人気がある。

千羽鶴は、長寿と快気、また平和のシンボルになっている。

画像は繁殖期につがいが、求愛ダンス(ディスプレイ)をしている所。

 

少ししか紹介されなかった生き物や、

お蔵入りになった映像も含めてDVD化、もしくはテレビで放映して欲しい。

 

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購入したポストカードとクリアファイル。

コレクションしているわけじゃないけれど、クリアファイルがどんどん増えていく・・・。 

キタキツネのぬいぐるみがちょっと欲しかった。

 

 



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