そのあと、なっちがどうしても「海が見たい~!」というから、海までのドライブにつきあってあげました。
海岸に着くと、”ひっぱりっこ”のお気に入りのロープで、ひっぱりっこをしました。いい感じで遊んでいたのですが、しばらくすると、なっちがおもむろに、海の方に思いっきりロープを投げてしまいました。そして、
「メイ、もってきて~!」
だって。
アタシ、海は怖いから入りません。取りに行くフリをして、波打ち際で引き換えしたら、あっという間にロープは波にさらわれて、海に飲まれてしまいました。
あ~、くわばらくわばら。
「メイ、ロープがなくなっちゃったじゃん」
ってなっちはアタシを責めたけど、知らないもん。アタシは海には入らないんだってば。
それでもなっちは懲りずに、その辺に落ちていた木切れを拾ってきて、また海の方に投げて、「メイ、ゴー!」だって。
まったく、しょうがないなあ。自分で落としたものは、自分で拾って来てよねって思いながら、何回も取りに行ってあげました。でも、なっちはどんどん海の方に近づいて思いっきり投げるので、アタシは波に濡れないように大急ぎで木片を拾ってくるのに、とても苦労しました。
だから、とうとう海のなかに木片が入ってしまって、ぷかぷか浮いているのを見たときには、もう「関係ないもん」っていうふりをして、持ってきてあげませんでした。
アタシの種類は喜んで海に入って行くっていうけど、なんでなのか、ちっとも分からないなあ。
なっちは、「メイ、今年こそ泳げるようになろうね」だって。