書道 直庵(筆耕所)

大日堂

 笠間なる木村武山の里に建つ大日堂に冬の陽やさし



 開かれし扉が前にすすみ出で見上げる堂のいま翔ぶがごと 




高野座主大僧正なる蜜雄師の九十にして書きしこの額



 堂奥の壁に画かれし大日の仏のいろのやさしかりけり


 
画像二枚目左端に立つは木村武山が孫に当たる木村明正氏なり
武山は明治九年箱田の旧笠間藩士木村信義・春の長男として生まれたり
笠間小学校を卒業すれば東京の開成中学校に入りぬ
中学二年を終えたる明治二十五年東京美術学校日本画科に入学す
同二十九年卒業するや橋本雅邦の門に入り狩野派の奥義を学ぶ
同三十九年に岡倉天心 横山大観ら日本美術院重鎮と共に茨城県北端は五浦海岸に移りたる
文展に阿房却火(あぼうごうか)孔雀明王(くじゃくみょうおう)などを出品し入賞を重ね日本画家の地位を築きたる
武山は「仏画の武山」と称されたる 
高野山金堂壁画を初め晩年にはこの大日堂が壁画に情熱を捧げぬ
昭和十二年に脳溢血で倒れたる後も左手で描き続けるも天井画四枚の完成を見ずに昭和十七年逝去す 享年六十七歳なり
 

 一打願上奉 日記武路愚ランキング

コメント一覧

あかひと
荒天
◇山桜姫
さても 一昨日の荒天には驚きぬ
大雨 洪水 波浪 ・・・
これ冬の台風なり
一転して昨日の二十度を超へたる気温にも驚く
当地被害なくして平穏なれど
御地は災害如何なる哉
山桜
冬至過ぎて
http://yamasakuran.seesaa.net/
 正に幽黙さんが仰る通りの素晴らしさです。
五浦は天心が日本のバルビゾンとして育てた場所。
美術館のレベルもとても高いですね。

 冬至を過ぎて大日如来さまの御力、日一日と増すのを感じます。
それにしても、今日の台風?一過の太陽の光は強烈です。
おごる人類への厳しいお叱りにさえ思えます。
あかひと
さやふなり
◆幽黙氏 おばんにござる
常陸國は昼よりの雨 夜に入りて更に激しさ増しぬ
大日堂 予 その存在を知るも詣でる機を得ずに来たるも 冬至後二日の後にその機を得たる
氏が仰せのとおりなりて その佇まひの妙 堂内に描かれし絵の妖艶さに驚くあかひとなりき 
幽黙
妖艶
大日如来なのに
そういう言葉が浮かびました
まず建築としての大日堂の構えが壮麗で素晴らしく
扉に描かれているのでしょうか
仁王像が厳めしさが素晴らしく
そして大日如来の妖艶さが素晴らしい…
こうして知らない土地の知らない諸堂や
知らない仏像や仏画に触れさせていただける
幸せです
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