雛の日や 姑にみやげの 菓子を買う
玄関を 引き返し見る 桃の花
口元の 見えぬ女雛の 白き顔
桃の節句とて いつもの月昇る
雛祭りの日。
毎年、孫の為に何かしらの雛祭りパーティーをしていたけど、今年は全く忘れていた。
金曜は(孫の食事作りの)お役御免の日。
そして、去年、母から45年前に送られてきた(贈られた、が正しいかな。)七段飾りの雛人形を、隣町の保育園に寄贈した、という事もあって全くお雛さまの事を忘れていた。
お雛様を飾らない罪悪感を毎年感じていた。
罪悪感…。
は本音としてなくなったけど、空虚。って自分勝手だけど。
孫たちの、お決まりのちらし寿司や蛤の吸い物。ケーキや苺。
何にも買わない。
不思議と、モールやスーパーへ行っても、お雛さま関連の食材などには目もくれない。
薄情である。
その代わり、という訳でもないけど、今日は、お義母さんの靴やパジャマなどを買う為、モールを梯子。
サイズを探すのに思いの他、時間がかかった。
施設へ向かう途中には、人気のケーキ屋さんがあり、数年前から何故か饅頭を売るようになった。
なかなか評判が良い。
買って行こうと思い立ち、混み合う駐車場へ、ちょっと苦労して停める。
エントランスには、プランターにパンジーや寒白菊などが、可愛らしく並んでいる。
玄関前には、桃の花の束が大きな鉢に活けられてる。
玄関の扉を開ける前に、もう一度見る。やっぱり引き返してスマホで2、3枚撮る(笑)
玄関を開けると、お雛様が、クッキーなどの並ぶ棚の一番上に。
存在感ある、このお雛様は、数年前は、確かカフェコーナーの、中央に飾られていたはず。
まじまじと見る。
レジを待つ間。おまんじゅうを片手に。ちょっとだけ、棚におまんじゅうを置かせてもらい写真を一枚。
このお雛様、意外に顔(目が!)が怖い。
孫たちが、お雛様を飾っても興味を示すどころか、怖いからあまり見たくない、と言っていたのを思い出す。
(でも、我が家のお雛様は、優しい顔をしていた。)
いつもなら、ケーキを買うところ、だが今日は、白餡黒餡のおまんじゅうのみ。
義母の施設へ急いだ。
パジャマや靴、おまんじゅうに主任さんが、恐縮してくださり、義母に声をかけるけど、本日も無視。(笑)
夕晴れの空にお月さま。
暮れていくに従い、煌々と美しい。