種田山頭火を詳しく知っている訳ではない 酒と旅を愛した放浪の歌人
以前、ブログのコメントに「寅さんみたい」と言われ、
せめて「山頭火みてたい」ね と言われたく そう返信した程度
わけ行っても わけ行っても あおい山
いい宿で 前が酒屋で うしろが山で
こんな 季語もない 句が浮かぶけど今、改めて手近の本を見る
山頭火の放浪の旅を追った著書だ これの気にいりの処を拾い読みする
旅の日記 と、ある 佐賀県での宿での夜 薄い布団に潜り込む前に
おこるな しゃべるな むさぼるな ゆっくり歩け しっかり歩け
それ以前に 日向の宿での自らに請願を
今日一日 腹を立てない事 嘘を言わない事 物を無駄にしない事
乞食同様の修業中 貰って食べ、貰って生きている身には難中の難だが
ゆきゆき たおれるまでの 道の草
佐世保の市街で病に 寂しいと言えば寂しい 恐ろしいと言えば恐ろしい
数時間の休息で病気を忘れお経を唱え乞食に出る路頭に倒れてもとの思いで
ひとり住むほど 寂しきはなく
ひとり住むほど 安けきははない
その安けさは 寂しさを補うて余りある 等と独言しつつしみじみ歩く
10月11日 享年59歳で この世をさる
其中一人を以って任じ、一草一人と自称した山頭火は一人で死んでいった
日頃 念願していたコロリ大往生をいつでも死ねる覚悟の上で遂げえたのだ
自由闊達な生き方をした人との思いは間違いで苦渋に満ちたものだったのか
但し、大勢の門人、知人に恵まれた人生だったのかもしれない
一人生きているとの共通点はあるものの家族、友人に恵まれた我が身の幸せを
感じざるを 得ない