先日、自宅に3回目の新型コロナワクチンの接種クーポン券が配送されてきました。
私は4月中に2回目接種を終えています。
当初、ワクチン接種が医療従事者と高齢者に優先的に開始されたころは、「様子を見たい」と接種に積極的でなかった若い世代の方たちも含め、いまでは全体の8割近い方がワクチン接種を行っています。
私も集団接種会場での業務が一段落したところですが、2回目接種にいらっしゃった若い世代の方々のなかには、気が早い人がいて、「3回目はいつになるんですか?」といった質問をされることがありました。
その時はまだ3回目接種の効果や安全性についてエビデンスがはっきりせず、国としての対応も決まっていない段階でしたし、2回目接種から半年以上たった私達医療者に対しても、なんの連絡もない状態でした。
ですから、「3回目の心配をするよりも、まずは2回目接種を無事にすませることが大切です。そしてこれからも、きちんと感染予防を継続して行っていきましょうね」とお話をしていました。
新型コロナウイルス感染症に対するワクチン(ファイザー製)を3回接種した人は、5ヵ月以上前に2回目を接種完了した人に比べて、重症化予防に有効であるという研究結果が、イスラエルから発表されました。
この研究で調査対象となっているのは、以下のような条件を満たしている人たちです。
・5ヵ月以上前に2回接種を完了している。
・新型コロナウィルスに感染歴がない。
・直近3日以内に医療施設を受診していない。
・医療従事者、長期療養施設の居住者および自宅療養者でない。
3回接種群および対照群(5か月以上前に2回め接種)それぞれ72万8,321例が解析されました。
年齢中央値は52歳。
その結果、3回接種した人たちは、2回目接種を受けたのみの人たちと比較して、入院を93%、重症化を92%、COVID-19関連死を81%減少すると推定されました。
この研究結果報告の原著はこちらです。
Lancet (London, England). 2021 Oct 29; pii: S0140-6736(21)02249-2.
ニュースでも報道されていますが、わが国でも3回目の追加接種を公費で実施していく方針となりました。
とくに追加接種をするのが望ましいと言われているのは以下のような方々です。
・重症化リスクの高い人
・重症化リスクの高い人と接触の多い人
・職業上の理由などにより感染リスクの高い人
ワクチン接種に限りませんが、SNSで流れる噂や、知り合い、ママ友など、情報元のはっきりしない無責任なお喋りには惑わされず、公の機関が発信する信頼ある情報をもとに、自分できちんと考え、行動するようにしましょうね!