きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

ウィルス性肺炎のことをお話しする前に②

2020年04月13日 | CORONA
私は内科医ですが、内蔵が苦手です。

和食だろうが、イタリアンだろうが、フレンチだろうが、もつ料理は遠慮します。

医者になってまだ数年のころでしたでしょうか。
都内に勤務する医学部時代の先輩たちを訪ねた際に、とある「もつ煮込み屋」に連れていかれたことがあります。

目の前の熱々の鍋には、さまざまな臓物が煮えたぎっていました。
その店で扱う「もつ」は新鮮なので、他の店では食べられないようなものが入っているのだ・・・とか。

なかなか箸をつけようとしない私に、「呼吸器を専門にしているなら、肺だけは食っておけ」とすすめられ、なかば使命感でもって食べてみたところ、みその汁を吸った肺は、高野豆腐みたいな食感でした。


小学校の喫煙防止教室で使っているロールケーキ型のスポンジ。
子どもたちはみなこれのことを「スクイーズ」と呼びます。

肺を具体的にイメージしてもらうために、ずっと使ってきましたが、今年度は課外授業どころではないでしょう。

ですから、今日は思い立って、一部をむしって、ボロボロにしてみました。

電子系もふくめ、タバコ類を吸っていると、粉塵や多くの発がん物質等で肺が汚染されるだけでなく、このようにボロボロになっていきます。

これが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)です。

もちろん個人差があります。
ですが、ボロボロになってしまった部分は、もとには戻りません。

こういう変化は、年単位で、少しずつ少しずつ、知らず知らずのうちに進んでいきます。
自分では気がつきにくい・・・それが、こわいですね。

肺機能検査や高性能CT検査で、診断できます。




































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