きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

第三波を前に

2020年11月12日 | CORONA
再び新型コロナ感染者数が増加しているようです。

寒くなってきて、風邪などをひきやすくなったせいかもしれません。
私の周囲でも、くしゃみをしている人や、鼻をかんでいる人をみかけます。

気温が下がって、窓を開けることも以前に比べて少なくなって、換気の機会が減っているかもしれません。

湿度も下がってきました。
空気が乾燥すると、ウィルスが地上に落ちずに飛んで拡がりやすくなります。

近くにタバコを吸う人はいませんか?
ウィルスはタバコなどの煙の中の粒子に乗ると思いがけず遠くまで運ばれ、他の人の鼻やのどの粘膜にたどり着いて感染しているんです。

ヨーロッパの様子を見てみれば、夏のバカンス中の自由度アップが、現在の感染者増加に影響している可能性は否めません。
日本でも、Go Toキャンペーンなどで、人々の動きが活発になっていますから、しっかりとした感染予防対策なしに、出かけて食べたり飲んだりするのは、むしろ季節や環境の変化よりも感染拡大への影響が大きいのではないでしょうか。

そうなると、また春先に経験した緊急事態宣言下の締めつけ、閉じ込め、自粛地獄が来るのか・・・と不安になりますか?


以前から気になっている言葉があります。
それは、「ソーシャルディスタンス」という言葉です。
感染を予防するために人との接触を避けて、2m程度の距離を保つことを表す言葉として、今や地球全体で使われています。
海外発の言葉ですが、日本人がそのまま用いるのはよろしくなかったんじゃないかと思っています。

相手とのあいだに物理的に距離をおくのであれば、むしろ「フィジカルディスタンス(身体的距離)」という言葉のほうが合っていると思います。

ではなぜ社会的距離なのか?

人の社会的生活習慣は国や地域でかなり違いがあります。
ご存じの通り、欧米では握手、ハグ、キスなどが日常当たり前に行われており、日本人に比べると基本的に人々の接触度合いがかなり密です。
パンデミック下では、それを見直そうという意味合いで、社会的距離という言葉が使われたのだと思います。

けれども日本では、もちろん人にもよりますが、通常、人と人との距離はもっと離れており、ベタベタとくっついているのは、小さな子供と母親か、熱々の恋人同士くらいです。

ウィルスは空気中にいるだけでは活動できません。
体の中に入れないこと!
そのためには、直接的にも間接的にも人々の接触の機会をとにかく減らすことです。

でも、物理的、身体的に距離を保つことと、社会的孤独になることを混同してはいけません。










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