浅草でのお昼は迷うところ
うなぎ 天ぷら 寿司 そば どじょう 牛鍋 とありますが
お肉なら「今半」「米久」「ちんや」 さてどこにしましょ。
浅草で一番歴史のある1886年創業の「米久本店」に伺うことにします
ひさご通りのアーケード街を北にあがり
見えてきましたちょうちんの列、明治時代より続く佇まい
玄関の軒にも多くの提灯が並び、お客を迎えいれます
入ると大黒天と太鼓が「ドン ドン」と2度なり、お二人様ご来店~の意味です。
中庭には、鯉が泳ぎ、鹿落としが苔みどりの中に配されています。
座敷もありますが、テーブル席を勧めてもらいます。
下足板も昔ながらの木札を渡されます。
さてさて、何を頼みましょ。おしながきは牛鍋のみ ですが
牛鍋は「上」と「トク」の2種類ありますが、「トク」よりも赤みが多めの「上」を頼みます。
ビールはアサヒの瓶生を頼むと、牛しぐれが宛てに出てきます。
野菜は、春菊・白滝・葱・焼豆腐・玉子・割り下・うす割り下
きました「上」、なんのなんのサシが入った立派な近江牛です。
鍋の準備はお店の方がしてくれます。
最初にラードを塗り、葱、春菊、焼豆腐、白滝が並べられ
お肉が一枚一枚鍋の上に丁寧に乗せられます。
その上に割り下をかけそそぎ、じっと火が通るのを待ちます。
私の作り方は、肉を2枚焼き、その上にザラメと醤油と酒をかけ
肉汁を鍋に広げ、春菊・焼豆腐・葱・白滝・お麩をいれます
汁気が足りないときは、昆布だし汁か水をいれる関西流です。母ゆずり
良き色に火が通ったら、肉の旨みを味わうためにまずはそのままいただきます。
柔らかい肉が口の中で溶けながら、甘い脂がじゅわっと広がります。
甘い割り下もとても上品で、黄身と絡むと肉の旨みが広がります。
お酒は、老舗に多い「櫻正宗」、正宗系の最初のお酒、他の蔵元と区別するため「櫻」を冠としました。
ぬる燗でいただきます。すき焼に本酒、明治のころはこの合わせ。
おしんこも本酒の宛てに、いいつかり具合です。
残った汁と野菜に黄身をかけまわし、ご飯の上にのせて食します。これも翌日に食する関西流です。
葱や豆腐もちょうどよい感じに味が染み、あっという間に完食しました。
鍋は一人前のボリュームが多すぎないのも良く、久しぶりに美味い肉を堪能できました。
昔ながらの風情のあるお店で、リラックスして美味い牛鍋が食べられる「米久本店」
浅草観光に行った時にはおすすめします。
※2階部屋には、「はとバスツアー」の観光客が訪れています。
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