旅の合間に
今日は、千代田区麹町の老舗「うなぎ秋本」を訪ねます。
ひようたんに「う」と書かれた看板が、見えてきました。
数寄屋造りの建物は、情緒があり、
麹町という都会の中にしっとりと構える一軒家があります。
周りはビルが立ち並ぶ中、お店の中に入ると
外とは違うゆったりとした時間が流れています。
玄関脇にかかる達筆な店名は、「作家 今 東光氏」の直筆です。
明治時代中期の創業、百年余の歴史があります。
土曜の昼時、並ぶこともなく1階のテーブル席に案内されます。
「うなぎ秋本」は、2階建ての建物となっており、
中庭には、「善国寺」の石碑とみどりが映え、明かりとりとなっています。
腰をかけるとすぐに茶托付きで煎茶を出されます。
まず頼んだのは、「付出し」と「キリンラガー」、焼き上がる時間を待ちながら一杯。
「うな重 梅」を頼みます。
こちらのお店のメニューは、他のお店とはちょっと違います。
「松竹梅」とありますが、普通「松」が一番高いと思うのですが、
こちらは「梅」が上なのです。さらに、その上に「鶴」というランクがあります。
その上には、特選の「共水うなぎ(きょうすい)」があります。
大井川の伏流水を豊富に使い
一般的なうなぎの2倍の期間飼育した天然のような旨味と脂のあるうなぎです。
それと「きも吸物」をつけます。
待つこと15分、なんと「丸型重箱」が二段で登場します。
上段に蒲焼、下段に白いご飯と別々になっています。
本来二段以上の箱を重ねることが「重箱」なので、
蒲焼とご飯を分けて二段にするのは、正式な重箱のスタイルとなります。
ふっくらとしたうなぎは、甘さ控えめのタレがついており、
ご飯と別々に盛ってあるので上品な印象を受けます。
タレが少なければ、卓上に用意されたタレをさします。
添えてある「お新香」も種類があり、お酒のアテにも宜しいかと。
「きも吸物」は、出汁のうまみがしっかり出ており、キモも大きく柚子の香りが高く引き立ててくれます。
店内でさばいた国産鰻を、開業以来受け継いできた秘伝のタレで丁寧に焼いています。
皮は薄くトロッとした食感、やや厚めの身は、口に入れるとトロけてしまいます。
「関東風の蒲焼」は、あっさりした辛めのタレなのですが、甘口のタレもまた旨し。
最初に煎茶が出てきましたが、食事中は、ほうじ茶が別に供されて気の利いたサービスです。
美味しい時間はあっという間、勘定を済ませると右側の待ち処は人でいっぱいです。
店の前に「善国寺碑」の由来が書かれています。
現在は神楽坂にあるお寺で、一時期、麹町のこの辺りにあったそうです。。
こちらのお店は、ミシュランの一つ星を獲得しています。
2011年度から2014年度まで4年連続で一つ星を獲得した名店です。
お昼時は相席となるので、ちょうどあき間に伺えて、
いいお席で堪能できました。
ふたたび寄りたいお店になりました。
次回は、「善国寺定食」もいいですね。
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