みなさん、こんばんは。
今日もとても暖かな一日でした。関東地方では、夕方以降雨も降り始め、桜も散ってしまうかもしれませんね。
さて、今日も本の紹介です。
「民法改正~契約のルールが百年ぶりに変わる~」著:内田貴 ちくま新書
まず、民法がこれだけ長い期間、改正されなかった先進国は、ほかに見当たらないそうです。本書は、民法の立法の背景から、その後の日本の法曹界での運用の仕方を平易な文章で、丁寧に説明しています。
立法時には、幕末の不平等条約の解消を目的に、相手国と対等になるため、法整備が必要であったこと、そして、その根本は、フランスであり、ドイツであったことがスタートとなっています。
とうぜん、英語ですら、まともな翻訳ができない中、フランス語やドイツ語をそのニュアンスを含め、的確に翻訳できたかと言うと、そうではありませんでした。だから、欧米に比べ、日本の民法は条文数が圧倒的にすくないのだという説明は、法学者だけあって、とても論理的で分かりやすいものです。
そして、条文数が少ないということは、解釈論や判例で日本の民法が運用されているという背景も、説明されれば納得です。
したがって、一般人からすると、はっきりとしたところはわからず、いざというときは弁護士や司法書士の先生に頼らなければいけないことになります。
でも、民法というのは、一般人が一番関わる法律であるから、本来、分かりやすいものであければならない、と著者が主張していることに関しては、共感を得ます。
なので、法律に携わる方は、本書を読んで、ご自身の法律感を見つめ直すきっかけになるのではないでしょうか。
一般の方は、とりあえず、難しい解釈は抜きにして、民法の根本部分を解釈する位置づけとしては、オススメの本だと思います。
それでは、今日はこの辺で。また、明日!