山形で医療研究全国集会
![]() (写真)あいさつする佐々木組織委員長=24日、山形市内 |
第50回医療研究全国集会が24、25両日、山形市で開催され、患者・利用者・地域住民と医療・介護・福祉労働者の人権・命の尊厳を守ろうと交流しました。主催は日本医労連、日本医療総合研究所などの組織委員会です。
佐々木悦子組織委員長(日本医労連委員長)は、「国はコロナ禍を経ても、増員による医療体制強化を政策に盛りこまない。早急な診療報酬の見直しと手厚い人員配置、全ての医療従事者の処遇を改善することを求める」と訴えました。社会保障費の財源は「国庫負担を増額し、富裕層・大企業に応分の負担を求めてまかなうべきだ」と強調しました。
基調報告で鎌倉幸孝事務局長は「国民生活に関する世論調査」(昨年、内閣府)の政策要望1位は引き続き「医療・年金等の社会保障の整備」だと紹介。「体制強化へ転じる教訓を私たちが引き出そう」と訴えました。
二つの記念講演で、横山壽一・佛教大学客員教授は「医療研究全国集会50回目を迎えて~コロナ禍で見えた保健・医療・介護・福祉の今後」と題し「皆保険下で未受療で多数の国民が死亡した大事件を、未検証のままにしてはいけない」と告発。地域ごとの検証が、医療機関や保健所の強化をはかる力になると強調しました。
山形大学の村上正泰教授は「山形の地域医療の充実を目指して」と題して講演し、住民の医療ニーズをつかむデータ集積・分析の方法を紹介。「統合・再編は地域の実態を示す生データをもとに、人口動態やニーズ変化を予測し進めるべきだ」と語りました。
地域から医療抑制に対抗
14の分科会開催
![]() (写真)「地域医療」分科会で交流する参加者ら=25日、山形市内 |
「看護」「精神保健医療福祉」「臨床検査」など14の分科会が開催されました。
「地域医療」分科会で、佛教大学の長友薫輝准教授が基調講演し「国は入院抑制の次に外来抑制にとりかかっている。来春からの医療抑制の仕掛けが自治体に降り、第8次医療計画の策定中だ。地元ネットワークの強化で政策動向をつかみ、対抗していくことが大事だ」と指摘しました。
全医労愛知地区協議会の人は、全国で2027年までの公立病院「強化プラン」が進められ、愛知県内では住民の意見集約も実施しない所もあると告発。今後、地方独立法人化がたくらまれているとして「自治体にデータに基づく要望を出せる運動をつくろう」と呼びかけました。
「在宅介護」分科会では、宮城県医労連の人が、労組活動が滞っていた7事業所で「訪問介護員アンケート」を実施し、要求実現活動の再開をはかったと紹介。回収率100%で「女性、50~60代、1年の有期雇用、週30時間以上39・5時間以内の契約」との平均的な組合員の実像、多彩な要求が明らかになりました。
助言者の日本医労連の米沢哲書記次長は「記述から、不合理な格差が多いことが分かる。介護領域として独自に団体交渉していける内容だ」と指摘。各地の参加者は、団体交渉で車両管理手当や待機時間手当などの改善に取り組んでいる経験を交流しました。
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