『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

『オブ・ザ・イヤー 2021』

2022-01-23 | プロフィール

2021年という1年、如何お過ごしだったでしょうか。

このコロナな日常に、良くも悪くも少しずつ慣れてきて。
心身のバランスも、あの混迷を極めた2020年よりは少し整った気がします。

2021年、とくに上期には自分の中では過去最大かも?と思う仕事があり。
記憶無くすほど働きました・・・。

そして、そんな1年へのちょっとしたボーナスとして、年末のほんとに僅かな期間、会いたい人に会える時間がありましたね。
残念ながら、あの時間が瞬く間に終わってしまう事は、過去2年弱の経験則で、みんな最初から分かっていましたが・・・。
それでも、世の中が平常を取り戻したかのような、そんな錯覚を楽しめる2か月でした。
 
コロナと仕事で、あまり私生活的には書くことがなさそうですが、自分の中での恒例として。
とりあえず1年を振り返ってみる 『オブ・ザ・イヤー 2021』


■Tシャツ オブ・ザ・イヤー
『UPSTAIRS:POETRY BEAT LITERATURE』

うーん、とうとうシティーライツがやってくれました。
このマーク、お分かりでしょうか。
正確にはある場所に貼ってある1枚のポスターの複写なんですが。
何だかよくわからない人は、拙ブログ、『夜間飛行氏、ついに伝説の書店を訪れる(サンフランシスコ滞在記③)』をご高覧ください。
こちらTシャツはハイチ製、プリントは米国です。
それにしても、はやくサンフランシスコに気軽に行ける世界に戻って欲しいもんですね。


■アイデア オブ・ザ・イヤー
『ハンド・ウォーマー・バッグ』

”Shall We Warm?”
という事で、有りそで無かったこのアイデア。
このバッグを体の前にブラ下げて、カバンのポッケに両手を入れながら歩くと、寒い夜道も、ほら、あったかい!
ダウンを得意とするアウトドアブランドのNANGA と 鞄メーカーの master-piece によるコラボ作。
バッグの前面にダウンを封入し、本体はオリジナルの難燃生地 Takibi。
これだけでも個性的ですが、更に手指を温めたい時に備え、カイロ挿入用ポケットまで装備。
もう、こちらのお手々を燃やしてしまうおつもりでしょうか?(あ、だから難燃生地なの?)


■表紙 オブ・ザ・イヤー(雑誌)
『Discover Japan 7月号 ととのう発酵。』

粗いタッチのイラストながら、この見事なヌルっと感!
ページをめくると、我が敬愛する小泉武夫さんが発酵学者としての知識をふんだんに披露してくれます。
発酵って、人類の英知の結晶ですよネ。


■特集 オブ・ザ・イヤー(雑誌)
『ICO 20th ファミ通 12/16号』

「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」
これは初代プレイステーションで『ICO』というゲームが発売された時のCMのキャッチコピーです。
当時、ゲームってまだピコピコしてて、そこまでアート性が高くなかったんで。
ゲームの宣伝でTV越しに急にこんな事言われて、小生らはみんな茫然としちゃった訳です。
本誌は、今年12月、『ICO』の発売20周年を記念して、ファミ通が組んだ特集。
ページをめくるとジョニー・グリーンウッド(Radioheadのギタリスト)や、ギレルモ・デル・トロ(映画監督)がICOへの愛情あふれるコメントを寄せていて、これはなかなかグッと来ます。
小生は、時間節約のため、2011年以降はあらゆるゲームを【完全引退】してまして。
『ICO』だってプレステ時代に買ったまま、ろくにプレイもせずに家の物置のどこかにしまわれていますが。
でも、老後に時間が出来たら、そしてまだお目々が見えていたら(涙)、いつか『ICO』もプレイしたいなっと。


■ムック オブ・ザ・イヤー
『クリストファー・ノーラン 映画の奇術師/ 文藝別冊(河出書房)』

ほら、去年(2020年)は公開された『TENET』を観て、自然とノーラン熱が脳内で再燃するわけじゃないですか。
そんな小生のノーラン熱をしばらくの間しっかり受け止めてくれた、良質なムックがコレ。
何が良かったかって?
とにかく、そのシンプルな章立て(構成)です。
普通、こういうのってやる気が余って、ゴチャゴチャしちゃう(それはそれで愛しい)んですが、こちら抑制が効いてます。


■展覧会 オブ・ザ・イヤー
『マン・レイと女性たち』

写真、オブジェから映画まで、領域を横断する万能の芸術家マン・レイ(1890-1976)の驚異の仕事を総覧。
ところが・・・、実はこの時期、絶対コロナに罹患できない性質の仕事があって、泣く泣く訪問を断念したんです。
ある意味、後ろ髪ひかれ隊 オブ・ザ・イヤーですわ。いや、ホント。
でも、代わりに、展覧会と同時に平凡社から出版された巌谷國士さん監修の『マン・レイと女性たち』を読みふけりました。
それこそコロナも忘れられる、楽しい時間でした。


■企画盤 オブ・ザ・イヤー
『Let It Be スペシャル・エディション (Super Deluxe)』

10月15日に発売された本作。
CD5枚組+Blu-Ray Audioのセットで収録57曲に100ページの豪華ブックレット。
遂に陽の目を見た1969年のグリン・ジョンズ編集版(CD4に収録)。
多くの人が「う~ん、フィル・スペクター版の方が?良かった?のでは?」
と言い出したのが面白いところ。
それはさて置き、特にCD2とかCD3のリハーサルやジャムセッションは、ヘッドフォンで真剣に聞きこむよりも、作業中にサラッと流しとくのにちょうど良くてね。(録音もモノラルだし)
小生としては大好きなリンゴの ”オクトパス・ガーデン” の作りかけのリハが聴けて嬉しかったなぁ。

なお。
1969年のオリジナルの『Let it be』のプロデューサー、フィル・スペクター。
女優殺害の罪で2009年から19年間の禁固刑に服していましたが、今年新型コロナウイルスに感染し、亡くなりました。
あのウォール・オブ・サウンド(音の壁)のフィル・スペクターの最期が、よりによって「コロナ感染」。
この事実が、なかなか脳に馴染んでいかない出来事でした。


■引退宣言 オブ・ザ・イヤー
『たむらけんじ』

50歳を迎える2023年5月をもって芸人を引退との事。
その後に渡米とかいうプランだそうで、実際コロナでどうなるのか分かりませんが。
人生100年時代だし、いいと思うな。
別の事を始めるのに、あと半分人生残ってるのに「遅すぎる」って事はないはずだもんね。
あとは、もし残り1年半で本人の気が変わって芸人を続けたって、それはそれで良いと思う。
自分の人生だもん、みんな好きに生きりゃいいよね。


■セカンドキャリア オブ・ザ・イヤー
『ファビオ・コエントラン (プロ・サッカー選手⇒漁師)』

一つのキャリアの幕引きがあれば、同時に、そこから始まる新たなキャリアもある。
2012年のオブ・ザ・イヤーでも書きましたが(←相変わらず、驚異の記憶力)、プロ・フットボーラーの選手寿命は短すぎます。
30歳前後でユニフォームを脱いだ後、残り70年の人生をまるまる「余生」と呼んで過ごす訳には参りません。
過去に小生を最も驚かせたサッカー選手のセカンドキャリは元オランダ代表デ・ゼーウの「刑事」!でしたが・・・。
元ポルトガル代表、そして元レアルマドリードの左サイドバック、ファビオ・コエントランの漁師への転身は、とても心温まるニュースでした。
故郷の町ではほとんどの住民が漁師だったそうで、本人曰く「サッカー選手を辞めて漁師になることが恥とは思わない」との事。
そういえばレアル時代から結構個性的だったんですよね、コエントランは。
「自分はこのチームのクオリティに達してない」と発言したり、かと思うと、招集されてない試合で間違ってユニフォーム着てベンチに座ったり(笑)


■セカンドライフ オブ・ザ・イヤー
『エリオット・ペイジ』

セカンドライフっても、あの10年前くらいにブームになった、今は人が去って、オンライン世界全体が廃墟と化しているという噂のネットワーク・ゲームの事じゃないっス。
誤解のないように書いておきますが、小生はエリオット・ペイジの決断、行動、そしてその「現在」を全力で支持します。
もし仮に、今後エリオットが一本もメジャー映画に出なかったとしても、地球のどこかでエリオットが幸せに暮らしているなら素晴らしい事です。
そのうえで・・・。
エレン・ペイジ時代に彼女が演じた主人公たち、『JUNO/ジュノ』(2007)の妊娠してしまった16歳の女学生や、『インセプション』(2010)の紅一点アリアドネは、どこへ行っちゃったんだろう?と、ふと思う事もある。
例えば、ハイスクール時代、エレンにほのかな恋心を寄せていた隣の生徒の想いは、エレンがエリオットになった今、どのあたりを漂っているのか?と。
でも、作中のヒロインたちの、あの不思議な魅力は、彼女の中に「エリオット」が居たからこそ醸し出されていたのかもしれない。
ちょっと困ったようにも見える、彼女(たち)の表情が忘れられないナ。


■透明 オブ・ザ・イヤー
『ウチの水槽に来たエビ』

いや、エレン・ペイジの話の後、いきなりエビて。
そう、この子は、我が家のメダカの水槽に今年加わった3cmくらいのエビですが。
スケスケ、完全に、そりゃもう完全に体がスケルトンでして。
彼の体超しに、後ろの風景が見えるほど透明なそのボディー。
リモートワークで家にいる時は小生が餌をあげているんですが、まあ、毎日毎日、餌への渇望がすごい。
最近では小生が水槽を覗き込んだとたん、気配を察して驚くべき勢いで水面まで泳ぎあがり、お腹を見せながら全部の手足をシャカシャカして「欲しい欲しい」してくる訳です。(腹側に口が付いてるから)
上からポロっと餌を落とすと、そのままお口でダイレクトキャッチ。
人類史上、果たしてここまで小エビと心を通わせた人間が居たでしょうか、いや居ません。


■出会い オブ・ザ・イヤー
『課長 島耕作』

もはやサラリーマンの古典と呼んでよい本作。
実はワタクシ、これまでの人生で一度も、どころか1ページたりとも島耕作を読んだ事がなく。
しかし、どうした訳かこのコロナ禍で今秋読み始めるや否や、猛烈に読み込んでしまいました。
特に初期の1話完結っぽい頃(『カラーに口紅』という読み切りだったそうですね)は、「たった1話にこんなにアイデアを注ぎ込んで描く方も大変だなぁ・・・」なんて、思いながら。
島さんは課長、部長、取締役、常務、専務、社長、会長、相談役、と出世を重ねていく訳ですが、とりあえず、今、取締役になるまで読みました。
課長編と部長編だけでも全338話の大ヴォリュームで、・・・ハァハァ。
そういえば、課長編の62話で島が同期の丸山と天ぷら屋で、お昼のかき揚定食(650円!)を食べながら、こんな会話を交わすシーンがあります。
島「どれくらい会ってないんだろう?」
丸山「もう10年以上になるかな。こんな大企業じゃよ、同期入社っていっても入社式に会ったきりでその後1度も顔を合わせないって奴もいっぱいいるしな」
島「そりゃしょうがないよ。俺たちが入社したのは一番景気のよかった昭和45年だぜ。大卒800人採用した時代だ」
丸山「あ-あ、こうやって俺達は1個の歯車として人生を終えるんだ」
島「よせよ、そう考えると情けなくなる」
さすがに実体験として昭和のサラリーマン社会を存じ上げませんが、現代に通底する不変の感覚がある事はこの会話一つでも分かります。
いや、この漫画、令和の基準で言うと、コンプライアンスも、ジェンダー平等も、働き方改革も、何もかもオール・アウト!で。
でも、小生が入社した頃って、ここまで酷くないとは言え、この残滓みたいなものはちょっとあった気もしたなぁ。
とにかく、2000年代に都心が全部インテリジェントビルに建て替わる前の、あのオフィス・ビルの雰囲気はちょっと懐かしいかも。
今みたいにキレイじゃなくて、もうちょっと雑然とした味があったよね。


■完結 オブ・ザ・イヤー
『進撃の巨人』

2009年に始まった連載が、12年の歳月を経て今年4月、139話をもって完結。
ふだん漫画を一切読まない、そして流行りものが苦手な小生のこと、この傑作を読み逃してしまう可能性は多分にありました。
(島耕作でさえ読んだことなかったんだから)
それでも、何がきっかけか忘れたけど、手に取って、読んで。
以降、この作品をリアルタイムで読めた事は幸運でした。
最終盤、遂にその時が来た事を瞬時に悟ったジャンとコニーが、がっちりと肩を組んだ姿が忘れられない。
もう104期の仲間も誰も見てくれてないけど、「俺ら、やれる事は全部やったよな」的な。
そしてサシャがその場に居なかった事の意味も考えさせられる。
確かに、食いしん坊のサシャが本物の巨大な食いしん坊になってしまう姿は見たくなかった。
連載の完結後に読んでもきっと同じように没頭できたとは思うけど、連載中に、同時代に読めてよかったぁ。
12年間の連載を通じて人間の弱さ、悍ましさ、儚さ、そして運命に抗う強さに、何度も打たれた。


■マイブーム オブ・ザ・イヤー
『割烹、料亭、小料理屋』

そんなわけで。
まあ、要するに今年しばらくの間、愛読書が『島耕作』だったもんですから(笑)
当然、飲み食いするのも、人と語らうのも、この手の小料理屋とか料亭になってきます。
コロナで2年間何処にも飲みにいけなかったけど、オミクロン株流行までの僅かな間隙を縫って・・・。
と思ったら、やはりあっという間に蔓延し始めましたね、オミクロン株。
どうしても、居酒屋とは一味違う単価になってしまいますが、手の込んだ料理を個室で食すのも良いものです。
なお、島さんたちはバブル期だったから経費で落としてたんだろうけど、こちとら自腹じゃい。


■ムービー オブ・ザ・イヤー
『ナイブズ・アウト/ 名探偵と刃の館の秘密』

これは2020年の日本公開でしたが、コロナで映画館にも行かなくなり、個人的に今年(2021年)になってから観たので。
しかし、幸せだったなぁ・・・、これを見ている131分は。
土曜か日曜に、自宅のソファでゆったりと『名探偵ポワロ』でも観るような軽い気持ちで楽しめる王道のミステリ。
ダニエル・クレイグが2006年の『カジノ・ロワイヤル』でジェームズ・ボンド役に就任した時、こりゃ、ずいぶん若いボンドだなって思ったじゃないですか。

本作のダニエル・クレイグにそういうソリッドさはなくて、本当にポワロとかああいう、老紳士の貫禄。
もちろん、体型管理(本作では太めに体を仕上げている)も含めた役者の演じ分けが素晴らしいんだけど、同時にカジノ・ロワイヤルから15年間という時の流れも感じます。
ボンド最新作にして、クレイグ・ボンドの最終作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が現在公開中ですが。
世界を救うヒーローよりも、たった一人の女性の人生を救う老紳士の話の方が、小生の好みなんですわ。
既に本作の続編の撮影が完了、との記事をどこかで読みました。
再びこの世界に浸れると思うと、嬉しい限りです。


■アニメーション オブ・ザ・イヤー
『Sonny Boy(サニーボーイ)』

8月16日。
夏休みの半ば過ぎ、学校に集まっていた主人公たち中学3年生36人は、突如、学校ごと異世界へ漂流してしまう。
仕方なく異世界で暮らすうち、彼らはそれぞれ違った特殊な能力を与えられている事に気づく。
とても強力な能力(重力をコントロールできる)を得たもの、なんの役にも立たない能力(泥水でも美味しく感じる)を与えられたもの。
異世界での生活が長引くうち、彼らの学校での序列は、徐々に元居た世界とは変わっていく・・・。
これは凄かったなぁ。
今のアニメってこんな凄いんですね。
小生は作中で膨大な時間が流れていく作品に弱い。
ラジダニ、というインド人の生徒が登場するんですが、彼は小生の中で本年のキャラクター オブ・ザ・イヤーですね。
あと、作中ずっと音楽がかからないと思ったら、急に小生の好きな落日飛車がかかったりして、もう本当にズルいなぁ。


■ドキュメンタリー オブ・ザ・イヤー
『BS1スペシャル 少年たちの連合艦隊 ~“幸運艦”雪風の戦争~』

こちらも本放送は昨年(2020年)だったのですが、個人的に今年の再放送で初めて見たので、今年のオブ・ザ・イヤーとさせてもらいます。
太平洋戦争開戦初頭の南方作戦から、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、そして戦艦大和の沖縄特攻まで、主な海戦全てに参加しながら無傷で生き抜いた
駆逐艦「雪風」。
その雪風には、14歳で海軍を志願し、雪風艦上で出会い、のちに固い友情で結ばれるふたりの少年兵がいた。
証言をイラストで再現するタイプのドキュメンタリーがあまり好きではないんだけど、本作品においては奏功していたように思う。
2人の少年兵が見た地獄を、ドラマで再現されても、もしかしたら余計なノイズになったかもしれない。
撃沈された大和から何とか泳いで雪風に辿り着いた片腕のない兵士を海上から引き上げようとした時に起こる残酷な出来事。
その後、何十年も少年兵を苦しめる悪夢。
戦争を始めて、内輪のシガラミに囚われて戦争を終わらせる事さえできない人たちと、最前線で戦火をくぐる少年たちの、このあまりの遠さよ。


■数十年ぶりのプラモデル オブ・ザ・イヤー
『タイガーモス号』

GWの旅の予定を、コロナ感染状況を見て急遽中止にしたもんで、5月の第一週、お家でやたら時間が余りまして・・・。
子供たちと「何して遊ぶ?」ってなった時に、「そういえば三鷹のジブリ美術館に行った時にパパが買ったタイガーモス、作ってないね!」って。
いやはや、数十年ぶりにタミヤのプラカラーを買いましたよ(笑)
昔はわざわざお店まで行って、しかも探してた色が売り切れだったりしたもんですが。
今はネットで取り寄せられるんでベン・リー(元ノイズ・アディクト)な世の中ですね。
子供たちとプラモデル作るってのも、それはそれで楽しい時間でございました。


■パン オブ・ザ・イヤー
『友達に送ってもらったパン詰め合わせセット』

これはパン屋を営んでいる友達に送ってもらったパンです。
もちろん、ここ東京にも美味しいパン屋さんが沢山ありますが。
かつての友達が焼いたパンを毎朝食べられる、という高揚感を差し引いても、いや、これは本当に抜群に美味しいパンでした。


■アイス オブ・ザ・イヤー
『パキシエル / 森永製菓』

アイスにまったく興味のなかった小生。
このコロナ禍において、突如アイス愛に目覚めた事を去年(2020年)のオブ・ザ・イヤーで吐露した際、アイス オブ・ザ・イヤーにはシャトレーゼの『チョコバッキー』を選びました。
でも、実際は同率一位の好敵手がいて、それがこの森永の『パキシエル』だったのです。
歯を立てると、その名の通り「パキッ」なんて音を立てて、分厚いチョコ・コーティングが割れよるわけです。
昔、パルムの開発秘話で、外側のチョコを品良くしっとりさせていると聞いた記憶がありますが、アイスのチョコ・コーティングに関しては、小生、完全にパキッと派ですね。
5個入りの箱を買うと、チョコ×バニラが2本、チョコ×チョコが2本。
そして、もう一本は何と、どちらか一方がランダムに入っているという運任せ仕様。
ミステリアス!


■幸せな食事 オブ・ザ・イヤー
『重かった仕事のあとの会食』

今年、「いやはや、ほんまに重いな」と思う仕事を2つこなしまして。
記憶飛びそうなほど大変でしたが、その慰労で、偉い人に2度ほど飯に連れてってもらいまして。
普段、偉い人との会食なんて、「苦行」以外の何モノでもありませんが。
この時は自分なりに「出し切った・・・」と思える仕事だったんで、素直に喜び、美味しい料理を堪能しました。
(ホテルの支配人が何度も挨拶に来るんで、平民的にはビビりました)


■ナゾはすべて解けた オブ・ザ・イヤー
『TP-LinkのメッシュWi-Fi中継器』

まあ、問題は仕事ですよね。
リモートワークで家で会議してたりして、なんか回線が遅かったり、切れちゃったり。
某・最速の光を引いてるはずなのに、なんで、こんなんなの?どしてどして?
なんて思っていた時期の自分が今では懐かしいです。
広くもない我が家で、どういう訳か仕事部屋までWi-Fiがうまく飛んでなかったようで。
(2.4GHz帯は電波干渉に弱く、5GHz帯は壁などの障害物に弱い)
今年初めに購入したWi-Fi中継器で、1年間効率が大幅にUPしたのでした。


■祈り オブ・ザ・イヤー
『EURO2021 デンマーク vs フィンランド』

6月12日。欧州選手権のデンマーク・フィンランド戦の前半43分。
デンマーク代表の司令塔クリスチャン・エリクセンが突如ピッチに倒れた時、その心臓は完全に止まっていたと言う。
エリクセンは医療スタッフの心肺蘇生法により息を吹き返し、15分後にピッチから運び出された。
結論から言うと、その後、病院に緊急搬送されたエリクセンは徐々に回復した。
彼の欧州選手権は初戦の43分で幕を閉じ、また、その後セリエAのレギュレーションの関係で所属していたインテルの契約も解除となった。
(イタリアでは除細動器(ICD)を埋め込んだ選手のプレーは認められない)
しかし、生きている。
あれだけ才能溢れるプレイヤーに「生きていて何より」などと言う言葉は失礼かもしれない。
それでも、エリクセンが生きていてくれて嬉しい。
あの、状況の見えない不安な15分はTVを見ていた小生まで胸が締め付けられて。
思い返すと、小生は2010年にエリクセンがアヤックスに居た頃(当時18歳)に、ブログでそのプレーを絶賛していたようです。
昔から好きなタイプの選手でした。

エリクセンが倒れ、ゲームが中断されている間。
デンマークイレブンは心配で涙を流しながら、ピッチ脇で応急処置を受けるエリクセンを取り囲み、エリクセンの姿を捉えようとするカメラから守った。
スタジアムではサポートが泣きながら、カップルは心配そうに抱き合いながら、エリクセンの無事を祈った。
そして敵方のフィンランドのイレブンまでエリクセンを思い、涙を流した。
そこにいる全員がエリクセンというただ一人のプレーヤーの無事をひたすら祈ったこの時間。
スタジアム全体が崇高なオーラーに包まれたようにも感じられたのでした。


■サンタクロース オブ・ザ・イヤー
『勉強机』

いやはや、子供へのサンタさん対応と言うのは年々難しさを増していくものですが。
今年のパダワンのサンタさんへのリクエストが、ついに「自分専用の勉強机」との事で・・・。
「ほら、去年作ったカウンターとか?あれ、使ったらどうかな?」
「あそこはパパがお酒飲むとこでしょ。自分だけの勉強場所が欲しいの!」
「いやー、サンタさんもフィンランドから橇(ソリ)で机を運ぶのは大変じゃないかなぁ。トナカイ界にも働き方改革の波、来てるだろうしさ」
「やだー、机、お願いするのッ!」
(うむ、一体どうやって、子供が寝てる間に机を搬入すればいいのか・・・ゴクリ)
で、詳細は割愛しますが、結論としては、クリスマスの日に無事フィンランド(笑)から我が家に机が届きまして・・・。
最近は小生らの時代みたいなザ・子供用ってな勉強机じゃなくて、子供も大人の書斎みたいな机がイイみたい。
翌日、パダワンが使いだした机を見たら、机の上には「ほぼ日の地球儀」と、ジャムか何かの透明の空き瓶が置いてあって。
飽き瓶の中には無造作にお小遣いのコインと千円札が突っ込まれており・・・。
うわ、なんか、これハードボイルドで恰好いいなぁ(笑)


■復刻 オブ・ザ・イヤー
『ロンジン ヘリテージ・ミリタリー』

今年出た腕時計の復刻品のなかでも、一、二を争う可愛さでしたね、これは。
元は1947年にLONGINESがフランス海軍向けに作ったモデル。
内側ではシリコン製ひげゼンマイを採用した最新のCal888.5を搭載しながらも、外側は日に焼けて経年劣化した風の文字盤。
表面に浮いてくるシミみたいな点々もキレイに再現されてまして(笑)
ロゴのフォントも当時のものを忠実に再現して、これは楽しんで作った時計ですね~。


■数年ぶりに納得のいくノートPC
『Surface Laptop4 / 15inch』

10年くらい前から、ノートPCがTVの縦横比に歩調を合わせるかのように平べったい横長の画面になっていったでしょ。
その時代にも何台かPCを買いましたが、結局、モニターはある程度、縦も長い方がWEBとかの画面も見やすいなーと。
縦写真なんかも、ちゃんと大きく表示できるしね。
今夏、MicrosoftがSurfaceのラインアップを一新した時、薄型ノートPCのシリーズ、Laptop4で従来の4:3比の画面の製品を出した時、小生は即買いでした。
コレよこれ、この昔ながらの4:3比の方が断然見やすい~。
あと、タブレットPC(画面を外してパッドとしても使えるタイプ)も、この10年で数台使ってきたのですが、結局パッドとしては使わない!(笑)
なぜなら、7~8年前からスマホ画面がもう十分にデカくなっており、そっちで見るから・・・
と、いう事で久々に純然たるノートブックにしたら、いやまぁ、使いやすいこと。

■休日の機動力 オブ・ザ・イヤー
『電動アシスト自転車 YAMAHA PAS-CITY C』

我が家の電動アシスト自転車歴は子供が生まれた時に始まりましたが、こいつで早3台目。
今年、小生の買い物用(主にお弁当を買いに・・・笑)にYAMAHAのPAS CITY-Cを買ったんですが、小回りが効いてイイですね。
21年モデルから全自動でアシスト具合を判断してくれる「スマートパワーアシスト」を追加で搭載。
坂道とかで苦戦してると、勝手にパワーアップしてくれるので、ギアを変えるのさえ億劫という、極度に面倒くさがりな小生をナイス・アシスト。
無駄遣いも多い、と言うか好んで無駄遣いをする小生ですが、これは普通のいい買い物だったかも。


■ソング オブ・ザ・イヤー
『Life is a Bore/ Bird and Byron』
Life Is a Bore - Bird and Byron (Official Music Video)

こちら厳密には20年10月3日の発売なんですが。
去年のソング オブ・ザ・イヤーに選んだ Topsの『I Feel Alive』と順不同で、コロナ禍における小生の日々を救ってくれた楽曲です。
訳の分からない変てこジャケット、そしてカラオケボックスのように歌い上げるミュージック・クリップがまた素晴らしい。
このミュージッククリップそのままに、オープンカーでぶっ飛ばしながら、人目も憚らず歌い上げるのが吉でしょう。
「人生は退屈、仕事なんて雑用。もし逃げたいんだったら、俺がいつでもドアを開けてやるぜ~♪」


■アルバム オブ・ザ・イヤー
『夜明け前(Before Sunrise)/ 大和那南』
Nana Yamato - "Do You Wanna"

今年2月5日に、NYのレーベルDull Toolからファーストアルバム『夜明け前(Before Sunrise)』を発表した大和那南。
ANNA名義で16歳から活動していた彼女も20歳となり、まあ、このアルバムは1曲目の『Do You Wanna(表参道)』からノックアウトされました。
これからの活動に心から期待。


■EP オブ・ザ・イヤー
『ご飯味噌汁海苔お漬物卵焼き feat.梅干し/ 桑田佳祐』
桑田佳祐 金目鯛の煮つけ

出た瞬間から名盤の予感に満ちたEP。
6曲入りEPって古今東西を問わず、良いやつ多くないですか?
このコロナ禍において、大病も経験した桑田佳祐が、このポジティブな音を鳴らしてくれた事が素晴らしかった。
小生は『金目鯛の煮つけ』が好みです。
「胸が切ない夜もある 俯かないで家へ帰ろう」
そうだよね!
あと、原坊が「まさか、キ・ン・メダイ~♪ってコーラス入れる日が来るとは」って言ってたの可愛かった。


■ミックス オブ・ザ・イヤー
『Come Together(Jam Studio Monitor Mix)/ Primal Scream』
Primal Scream - Come Together (Jam Studio Monitor Mix - Official Audio)

91年リリースのプライマル・スクリームの名盤『スクリーマデリカ』。
『デモデリカ』は、その『スクリーマデリカ』の発売30周年を記念して、今秋リリースされたデモ・トラック集。
1曲目 ”Come Together (Jam Studio Monitor Mix)" は素晴らしいミックスで・・・。
過度なアレンジを抑えて素直にバンドサウンドを聴かせる本ミックスは、純粋にこの曲のメロディーの良さを際立たせる。
91年から我々が聴いてきた、あの『スクリーマデリカ』収録の"Come Togeter" の方がリミックスで、原曲がこっちと言っても差し支えないくらい。


■カヴァーソング オブ・ザ・イヤー
『Tonight Tonight / Munya』
MUNYA - Tonight Tonight (Official Audio)

スマッシング・パンプキンズが2枚組の力作『メロンコリー そして終わりのない悲しみ』をリリースしたのが1995年。(1,000万枚売れました)
Tonight Tonight はA面2曲目で、このアルバムの壮大かつ繊細なイメージを決定付ける名曲です。
ここまで身体に染み付いた曲を他のシンガーが歌うと、普通は違和感を覚えてしまうものですが。
嫌じゃなかったですね、今年出たこのMunya(ムニャ)のカヴァー・ヴァージョン。
実際は、嫌じゃないどころじゃなくて、無限ループで聴きました。
Munyaはカナダ、ケベック州出身の女性シンガー、ジョジー・ボワヴァンのソロ・プロジェクト。
澄んだ声と、シンプルなアレンジ・・・。
それにしても、この曲カヴァーする時に、よくTonight Tonightの「顔」と言っても過言でない、あのイントロのアルペジオを省略しましたね!


■CD化 オブ・ザ・イヤー
『帆風/ みらん』
意地と寂しさと

「みらん」って言われると無条件に90年代のACミランの事が思い浮かぶ。
左サイドの攻防でマルディーニが相手の足にチョンってボールを当ててラインを割らせてマイボールにしたシーンや、リベリアの怪人ジョージ・ウェアが80メートル独走してゴールを決めたシーンや、アルベルティーニが遠目から打つミドルシュートが絶対枠に行くんだけど絶対に入らないシーンなどが無駄に頭をよぎってしまう。
そんな無駄なおじさんの妄想は置いといて、みらんは1999年生まれ、兵庫県在住のシンガーソングライター。
1曲目の『意地と寂しさ』を聴いて、すぐに「〇〇〇風・・・」とか評しそうになるが、2曲、3曲と聴き進めれば、彼女の底が見えない才能が直ぐに分かる。
『帆風』は昨年8月に配信でリリースされたが、今年7月にCD化されました。
このアルバムはすぐに自分の中の定番になりました。
いや、そりゃちゃんとCD化しとくべきですよ、こんな名盤!


■ヴィデオクリップ オブ・ザ・イヤー
『Dry Cleaning - Scratchcard Lanyard (Official Video)』

お金をかけなくても良い映像は撮れるという好例。
ヴォーカルのフローレンス・ショウ嬢のクールな佇まいと、スポークンワーズ風の抑えた歌唱法と、このギャップで勝負あり。
歌詞はほんま、何回聴いても意味が分かりませんが・・・。
ドライ・クリーニングは2018年にサウス・ロンドンで結成されたポストパンクバンド。
ほんま、ここ数年のサウス・ロンドンのミュージックシーンの活況ぶりときたら、どうなってるんでしょうね。


++++

というわけで。
コロナで身動きできなかった分、ずいぶんインドアなオブ・ザ・イヤーになりました。
数年前は海外で暮らしてたことを考えると、日本に居て助かった。
英国に居たら、あの感染者数だと、まぁ罹患しただろうなぁ・・・。
マスクさせてもらえないし。(してるとコロナ患者と見做される)
中東では、本気で買い物にさえ行けない外出禁止令とか平気で出てたし。
日本社会の同調圧力には辟易とする時もままあるけど、それでも公衆衛生の面ではやはり突出した国ですね。

こんな中でも、辛い事よりも楽しい事を見つけて、前を向いて歩いていきたいですね。
そうしていける強さを、きっと元々みんな持っているんだと信じて。

こんなネバーエンディングな文章を最後まで読んじゃったネバーギブアップな人がもしいるなら、あなたが健康である事を祈ります。


<おまけ>
■バースデー・ソング オブ・ザ・イヤー
『半角カナ/ にゃんぞぬデシ』
半角カナ / にゃんぞぬデシ【「ハライチのターン!」ハライチ岩井さんへのバースデーソング2021】
シンガーソングライターのにゃんぞぬデシから、ハライチの岩井に贈られたバースデイ・ソング。
応援する気持ち、ファンだという気持ちが素直に歌詞に乗っていて、いやマジで今年一番良かったんじゃないかな(笑)
一回しか掛からないAメロが好きです。
「15年前から、コンピュータの世界で~♪」


おしまい!

■オブ・ザ・イヤー
オブ・ザ・イヤー 2023
オブ・ザ・イヤー 2022
オブ・ザ・イヤー 2021
オブ・ザ・イヤー 2020
オブ・ザ・イヤー 2019
オブ・ザ・イヤー 2018
オブ・ザ・イヤー 2017
オブ・ザ・イヤー 2014
オブ・ザ・イヤー 2013 (その1) 
オブ・ザ・イヤー 2013 (その2) 
オブ・ザ・イヤー 2012 
オブ・ザ・イヤー 2011
オブ・ザ・イヤー 2010 
オブ・ザ・イヤー 2009 
オブ・ザ・イヤー 2008 



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