くるり@日本武道館
ニューアルバム発売記念ツアー
~言葉にならしまへん、笑顔を見しとくれやしまへんやろか~
ファイナル
昼間だいぶ降ったでしょ、雪が。
俺のいるオフィス街の辺り、「ええ、ですから、ちょっと吹雪いてます」という感じでね。
あれ、電話も通じない!
そんな事は起きなかったけどね。
なんか、どっちかというと家に帰っておこたに入りたいってな気分にも一瞬なったんだけど、生憎、うち、おこた無くて。
定刻に九段下へ。
前作『魂のゆくえ』のツアー(敦煌)もちょうど武道館で観たんだけど、あん時は、たしか『ワンダー・フォーゲル』始まりだったな・・・
なんて思い出しつつも、ちょっと係の人、背後のドア閉めてよッ!
もう館内に入って席についてるのに、寒い、寒すぎる。
そういえば、前回の武道館(くるりにとって3度目。今回が4度目)では、いいライブだったけど、新曲(当時)の『魂のゆくえ』がピアノ無しで、そこだけはガックリきちゃったよね。
でも、たしか、その年の京都音楽博覧会で、最高の演奏を聴いたんだよな・・・
なんて・・・、だからドア閉めてくれよ、マジで、死ぬからッ!
そうこうしてるうちに、開演を迎え、『無題』で幕開け。
今回のアルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』については、発売当初、だいぶ酔払った状態で適当な感想を書いたんだけど、名盤だという評価は今も変わらなくて、ただ、今にして思うと、この1曲目、たった39秒の『無題』が、アルバムの全てを言い表しているんじゃないだろうか。
『無題』はあらゆる無駄が排除されている分、今後訪れる時の洗礼に耐えうる可能性がある。
ほら、エロウェイの森の永沢先輩も
「時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄にするな」
ってなことを言って、ナベワタの読んでるデラべっぴん(嘘)をポイしてたじゃない。
そんで、ナベワタも
「何すんスかっ、それ、まだ使ってナイんすよっ!!」
って言って。(全部、嘘)
とか言ってる間に、ライブは進む。
ニューアルバム中心の和な選曲と、吉田戦車画伯による「のろし」、ステージ上の松明・・・
こうしたファクターが、「日の本」というテーマを浮かび上がらせる。
ほ・・・、良かった、やっと閉めてくれたよ、後ろのドア。
その後は、新旧とりまぜた構成。
『青い空』をこんなにいいと思ったのは初めてだった。
未発表新曲も3曲披露で、 『旅の途中』は甘酸っぱいギターポップ。
たまにネオアコ、とか言っちゃって、若い子に全然通じないんだけどね。
『キャメル』は、4月公開の映画『まほろ駅前多田便利軒』の主題歌、
本人曰く「パッキパキの新曲」である『奇跡』は、そのまんま6月公開の映画『奇跡』の主題歌。
岸田くん生バンジョーによる『リバー』も良かったのだが。
今回の個人的ハイライトは終盤の『ハイウェイ』、『ロックンロール』だった。
色々思い出したね、なんか。
あのモヤモヤした2000年代前半を。
今回、自分の精神状態がもともと素晴らしく良かった、という事実もある。
でも、とにかく、月曜からいい演奏を聴いて、それがちゃんと自分の中に沁みて、幸せだったんだよ。
00. 無題
01. 目玉のおやじ
02. コンバット・ダンス
03. ハヴェルカ
04. ワンダーフォーゲル
05. 鹿児島おはら節
06. 温泉
07. さよならアメリカ
08. FIRE
09. 犬とベイビー
10. 魔法のじゅうたん
11. 麦茶
12. 飴色の部屋
13. 青い空
14. ブレーメン
15. MORNING PAPER
16. 東京レレレのレ
17. ロックンロール
---encore---
18. ハイウェイ
19. 旅の途中(新曲)
20. キャメル(新曲)
21. ばらの花
22. さよなら春の日、
23. リバー
24. 奇跡(新曲)
■くるりのこと
・くるり@日本武道館 2011/3/7
・くるり 『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』
・京都音楽博覧会@梅小路公園 2009/9/22
・くるり@日本武道館 2009/7/9
・Fuji Rock2008 初日 くるり@グリーンステージ
・くるり 『Philharmonic or Die』