『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

映画 『ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-』

2013-11-10 | Movie(映画):映画ってさ

『ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-』
"United"
監督:ジェームズ・ストロング
脚本:クリス・チブナル
2011年・英


オレみたいなガナーズ(アーセナル)寄りな人間にとって、赤い悪魔(マンチェスター・ユナイテッド)ってのは、これはもうね・・・。

いつでも、ファギーがビシッとチームをしめててさぁ。

ハーフタイムにロッカールームでファギーが投げたスパイクで、危うくベッカムが失明しそうになったりもするんですが。
(右頬をかすって皮膚が切れた)

そういうゴシップの派手さも含めて・・・。


アーセナルなんて、キャプテンだったギャラスがナイトクラブで喫煙写真を撮られたり(2008年)、10番ジャック・ウィルシャーがナイトクラブで喫煙写真を撮られたり(今年)・・・、地味なんだよ、話題が!

喫煙くらいしかネタないんかと。



とにかく、マンUってのは目の上のタンコブというか。

その華やかさも含めてなんとく、ジットリした視線を送ってしまうという。

チェルシーだの、マンCだの、新興成金が猛威をふるったって、しょせん2~3シーズン後には静かになっとる訳ですわ。

長い目で見た時、結局、優勝をかっさらっていくのはいつだってマンUなのです。


本作は、そんなマンUが1950年代に直面した大きな悲劇と、再生を描く。


元がBBCのTV映画という事もあり、軽い気持ちで観た90分間。

実話の悲劇の再現映画とか、嫌いな方なんですけどね。


えがった。

これはなかなか、えがった。

お涙ちょうだい部分が、あんまししつこくなくてね。



1955年、56年とリーグ2連覇を飾ったユナイテッド。

若干18歳のダンカン・エドワーズを中心とした若いチームは、Busby Babes(バスビーの子どもたち)と呼ばれた。

さらにエドワーズの1歳下で、後にマンU黄金期を支えるボビー・チャールトンも虎視眈々とレギュラー獲りを狙っていた。



それにしても、監督、マット・バズビー役のダグレイ・スコットが、ゆうたろうばりに顔を作りこんでいて、見ているこっちが非常に疲れる。

 
ゆうたろうだって、事件を推理するとき意外はこうじゃないはずですが。

ダグレイ・スコットときたら、ほぼ全シーンをしかめっ面で通すんだもの。


 
一方、ジミー・マーフィー(コーチ)役のデイヴィッド・テナントは自然な演技。

実際の1958年当時のジミーの人柄は存じあげませんが・・・、

実直な感じが非常によかったですね。



そんなチームは、1955年にはじまったチャンピオンズ・カップへ英国のチームとして始めて名乗りをあげる。

当時、FA(イングランドサッカー協会)は孤立主義をとっており、要するに

「僕たんたちは世界最古のフットボール・リーグなんだから、

そんなヨーロッパの王者を決めるみたいな軽いノリの新興の大会には参加しないよん」

と。 


でも、栄華を極めはじめていたマット・バズビー&ユナイテッドは、

「いっちょ、ヨーロッパの大会で腕だめし・・・じゃなかった足だめししたる!」

と、FAの警告を無視して大会へ参加。


2月5日の水曜日に、アウェイのユーゴスラビアでレッドスター・ベオグラードを叩き(トータル5-4)、準々決勝突破!

次は準決勝で、当時も強かったACミラン戦。


・・・なんだけど、その前に。

FAと喧嘩しててリーグ日程の考慮なんてしてもらえないから。

とんぼ返りで英国に帰って土曜日にはリーグでローヴァーズとの上位対決。

はぁはぁ・・・、ミッドウィークに共産圏で試合とか、しなきゃ良かった。


というさなか、英国欧州航空のチャーター機はプロペラ機でベオグラードからイギリスまでは飛べないんで、一旦、ミュンヘンにあるリーム空港を経由して給油。


ここで悲劇が起こる。

給油後、離陸に失敗した機体はリーム空港脇のフェンスを突き破り、民家に激突。


乗員乗客44名のうち23名が死亡。

ユナイテッドの選手は8名が死亡、2名が再起不能に陥った。


バズビー監督は、わずか2ヶ月前に移籍してきたばかりの北アイルランド代表GK、ハリー・グレッグによって救助され、一命を取り留める(史実)。

(本作でのハリー・グレッグの描かれ方は終始、良い)


ミュンヘンの病院のベッドで意識を取り戻したエース、ダンカン・エドワーズが、見舞いに来ていたコーチのジミーに

「僕の腕時計はどこですか?

土曜の試合のキックオフは何時ですか?」

と尋ねる。


いや、お前はもうプレーできない。

再び歩けるようになるかどうかも、分からない。


その言葉を飲み込んで、階段で一人嗚咽を漏らすジミー。

常に平常心を保つジミーが、劇中で唯一感情に押し流されるシーンだ。


当方、あそこで

「グッと来ない」

なんつー、鉄のハートは持ち合わせておりません。 


一命を取り留めたものの、サッカーが出来なくなるボビー・チャールトンの気持ちもよく分かります。


しかし、ジミーの踏ん張りで、再興を果たしたチーム。

若きメンバーをピッチに送り出すとき、ジミーの目に映るものとは・・・。
 


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デイヴィッド・テナント,ジャック・オコンネル,サム・クラフリン,ダグレイ・スコット
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