『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

映画『64(ロクヨン)』 について語るフリをして、いつも通り夜中にどーでもいい事を話すの巻

2016-09-20 | Movie(映画):映画ってさ


「洋食屋特集」という先日のスッとぼけた投稿は何なのかと(笑)

アレはね、雨の土曜日に、ロンドンにあるバービカン・センターの奥のほうのすんげー暗いソファで、東京を思い出しながら書きました。

サマータイムでも時差が8時間あって、妙な時間の投稿になったけど、まあ、それはいつもの事か。

せっかくロンドンに住んでるんだから、イギリスの話でも書けばいいのにね(笑)

まあ一種のセラピーですね。

(東京に未練があった訳ではない。あまりにインプットばっかの毎日で、何でも良いからアウトプットしたくなった)


そして、今回は唐突に映画『64(ロクヨン)』について書こうとしている俺です。


俺は邦画をあんまし見ない人間なんですが、飛行機だとチャンスと思って見ちゃうんだよね。

だって長いじゃない、邦画。

なんで最近の邦画はぜんぶ前後編二本立てで、合計6時間くらいあんのかしら?

色々原作に忠実に描きたい気持はわかるけど、2時間で何とかやっつけてよ~(笑)


という訳で、一時帰国のときに機内で64(ロクヨン)を観たから、ちょっとその話。

注: 間違ってレビューと思って読まないでね。以下、単なる独り言です。

(オチはバラさないけど、ちょっと内容の話はするかもなので、気になる方はご注意ください)


■『64(ロクヨン)』のストーリー

横山秀夫の推理小説(2012年発行)の映画化。

64(ロクヨン)は、たった7日間で幕を閉じた昭和64年に起きた、作中の少女誘拐殺人事件の通称。

事件は少女の死という結末を迎えた後、捜査に進展がなく、犯人未逮捕のまま時効を間近に控えていた。

被害者の父親である雨宮芳男(永瀬正敏)は、たった7日間しかなかった昭和64年という時間に今も閉じ込められて生きている。

事件発生当時にロクヨン捜査班に在籍し、現在は広報官を務める三上義信(主人公・佐藤浩市)もまた、

未解決事件64(ロクヨン)を今も気にかける一人であった。


■後輩たちと新橋で

そんで、一時帰国ということで、金曜日に新橋で飲みながら、酔っぱらってなぜか64(ロクヨン)の話をしたんだけど。

驚くことに、みんな64(ロクヨン)は原作を読んでるか、ドラマ版を見てるんですね~。

いまだに毎日毎日レイモンド・チャンドラーばっか読みかえしてる俺は、ちょっとした異常者なんでしょうか(涙)


そんで俺(小説も読んでないし、ドラマも見てない人)が


1、序盤で元64(ロクヨン)捜査班の村串みずき(鶴田真由)が事件当時の様子を思い出して、主人公・三上に

『そしたら、あの人、現場で泣いてたのよ』

という新事実を明かすシーン。


2、松岡勝俊(三浦友和)が偽装車両の中で主人公・三上に

『本班は現在ロクヨンの捜査下にある!』

って叫ぶシーン。


この二つのシーンは映画では若干ボンヤリしていたが、もし原作を文字で読んだら相当ゾクッとしたと思う。


と言ったら、後輩たち(小説を読んでて、映画は観てない皆さん)が

「へー、観ててそんな風に感じたってことは、相当よく出来た映画なんですねぇ」

と、逆に映画版の評価が上がったのであった。


ちなみに、俺的には映画に文句があった訳ではなくて。

基本的に映画やドラマを見ない、小説ばっか読んできた人間なんで、映像で全部提示されちゃうと想像力の入り込む隙間がなくて。

あそこは、ストーリーを知らない時点で小説(文字)で読んでみたかったな~、と思った。


■突然だけど、SMAPのこと

SMAP解散のニュースはイギリスに居てよく知らなかったんだけど、アイドルという形態自体は、いずれにせよいつか脱ぎ捨てていくもんだと思う。

だから、メンバーの仲たがい云々は本質じゃない気がする。

俺はSMAPというグループに対し熱狂的ではないものの漠然とした好意を抱いてきたし、今も変わらず抱いている。


だけど、ドラマ版『あすなろ白書』で取手治役を演じる木村拓哉を初めて見た1993年の衝撃。

あれを今の木村拓哉や他のメンバーから感じることは、まあ不可能だよね。


現在の木村拓哉にも歳を経た別の魅力があるはずだが、あの時の息をのむ危うさを今でも持っていたら、そりゃあ化け物だもの。

外見の美しさを飯のタネにして生きていくのは、本当に強靭な精神力を要すると思う。

カーペンターズの歌姫カレン・カーペンターの例を挙げるまでもない(いちいち古いなぁ)

カレンは歌声だってあんなに美しかったのに。

男子は意外と太目の子が好きなのに ←

眠れない夜はカレンを拒食症へと追い込んでいった。


アイドルの殻を破ってここまで来たSMAPの5人だけど、逆説的に言うと、殻は破ったけどまだアイドルな訳で。

演技だったり、司会だったり、要するに外観ではなく技量で勝負したい!と思うのは自然なことだ。

普通の格好いいオジサン芸能人になる時が来たのだと思う。

ファンにはちょっと寂しくても(あそこまで存在が一般化すると、特定の熱狂的ファンがどんだけ要るのか不明だけど)、

それは本人たちにとっては、より自由な第二章であるはずだ。


■三浦友和のこと

で、恰好いいオジサン芸能人という流れで言うと。

最近、三浦友和(64(ロクヨン)では捜査一課長役で登場)のことを恰好良い男だと思うようになった。


なんで、さっき唐突にSMAPの話が出たかと言うと。


たしか北野武の『アウトレイジ』の第二作(ビヨンド)公開時に、たけしと役者陣が揃ってSMAP×SMAPのゲストに呼ばれた事があった。

中居くんの軽妙な司会ぶりでトークは盛り上がって、アレはアレで名人芸なんだけど。


ただ、その収録中、たけしとの仕事(映画製作)について中居くんから感想を求められた三浦友和が、

「(たけしは)自分にとっては雲の上の存在なんで。

さっきから、(中居がたけしに)ずっとタメ口でいくでしょう。

だから、失礼なヤツだなーと思って見てますよ」

と言い放ったシーンを思い出した。


バラエティーなので、もちろんその場はユーモアとして受け取られ、観客の笑いを誘った。

でも、中居くんはクレバーなので、笑いながらも三浦の発言の数十パーセントが本気なのを察知したと思う。


映画撮影チームは言ったらヤ〇ザの組みたいなもんだから。

組長(たけし)に対して失礼があったら若頭(俺)が行くぞと。

あの晩、三浦友和は、人気タレントに囲まれたバラエティ番組の中で、そういうのをやったんだと思った。

映画(アウトレイジ)自体が任侠もので、三浦友和が若頭役だったのは、まあ出来過ぎたオチというところで(笑)



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